問題
Ⅱー2ー1図のような地形を横断する2車線道路橋の橋脚1基(直接基礎, 高さ18 m ) を河川区域内に建設する工事を責任者として実施することとなった。この業務には仮設の方法・内容を確定することも含まれている。なお,堤内地は耕作利用されており,現場へアクセス可能な道路は無いものとする。以上を踏まえて,以下の内容について記述
( 1 )検討すべき事項(関係者との調整事項は除く)のうち工事の特性を踏まえて重要なものを2っ挙げ,その内容について説明せよ。
( 2 )業務の手順を述べた上で,業務の工程を管理する際に留意すべき点, 工夫を要する 点について述べよ。
( 3 )業務において必要な関係者との調整事項を1っ挙げ,業務を効率的, 効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
参考:日本技術士会
解答
(1)検討すべき重要事項
①仮締切工の検討
本工事では河川流水部を掘削するため、オープン掘削では河川水の流入とともに、掘削法面の崩壊が懸念される。そこで、掘削箇所の安全性を確保するための仮締切工について検討する。掘削深さに対して地下水位が高い場合には、掘削底面の安全性を確保するために補助工法を検討する。
②工事用道路の検討
現場へアクセス可能な道路が存在しないため、施工機械や資材を搬入するための工事用道路が必要となる。工事車両通行時の安全確保と周辺への影響度を考慮して、幅員、勾配、路線を検討する。堤防を工事用道路として利用する場合は、堤防断面を損傷しないように補強方法等を検討する。
(2)業務を進める手順と留意点・工夫点
手順①:事前調査
本工事の契約書や仕様書、設計図等を精査し、工事内容や要求事項を把握する。次に、現地調査を行い、施工条件の確認と制約条件や協議調整事項の有無について確認する。設計図書の確認においては、図面と現場の相違点および数量の違算の有無などに留意する。
手順②:施工計画の策定
事前調査で確認した工事の制約条件や課題を踏まえたうえで、基本計画の策定と全体工程の策定、概算工事費を算出する。次に、直接工事の労務配置や機械選定、1日当たりの作業量、仮設工事の規模や配置等を検討し、詳細計画を策定する。さらに、工事全体を包括た工種別の詳細工程を策定する。施工計画の策定においては、QCDSEのすべての要素がバランスよく確保できるように留意する。
手順③:工事管理計画の策定
詳細計画を確実に履行するための、人員配置計画、品質管理計画などの工事管理計画を策定する。さらに、発注・損益管理を計画的に行うために実行予算も策定する。実行予算の策定は、実際の施工計画の内容と整合が取れたものとなるように留意する。
手順④:施工体制の編成
工事管理を行う技術者の配置と、下請施工会社の選定を行い、現場の施工体制を編成する。技術者の配置については、可能な限り若手社員を配属させ、経験を積ませるように工夫する。
(3)関係者との調整事項および調整方法
発注者と仮設の方法・内容の確定について調整が必要である。仮設を検討するうえで、必要な設計条件等が不足する場合には、追加調査の実施について調整する。工法選定については、複数の案を立て、経済性、安全性等の比較検討を行い、最適な工法を選定するように調整する。これらの対応により設計変更の調整が効果的・効率的に行える。以上
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