令和4年技術士二次試験施工計画・施工設備及び積算Ⅲー2

花壇
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問題文

Ⅲー2我が国は,これまでも,安全・安心の確保や持続可能な地域社会の形成,経済成長を図るためにインフラ整備を進めてきたが,引き続きこれらの目的を達成していくためには,我が国のインフラが置かれている状況や社会情勢の変化も踏まえて,必要となる社会資本の整備に取り組んでいく必要がある。
上記を踏まえ,施工計画,施工設備及び積算分野の技術者として,以下の問いに答えよ。
( 1 )社会資本の整備を持続的に円滑かっ適切に実行していくための,計画,調査・測量から設計,施工,検査,維持管理・更新までの建設生産プロセスにおける課題を多面的な観点から3っ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その課題の内容を示せ。ただし, ICT・DXの推進による個々の建設現場の生産性向上に関する課題は除くものとする。
( 2 )前問( 1 )で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1っ挙げ,その課題に対する複数の解決策を,専門技術用語を交えて示せ。
( 3 )前問( 2 )で示した解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。
日本技術士会

解答

1.社会資本整備における建設生産プロセスの課題
課題(1)少人数でのインフラの維持管理
 近年、少子高齢化の影響により人口減少が進行しており、今後の人材不足は深刻である。地方自治体では社会資本ストックが多いうえ、技術者不足でインフラの整備や管理が十分に出来ていない状況である。
 そのような社会情勢の変化を踏まえ て、今後のインフラの維持管理を行うためには、適切な人材配置が必要である。人材管理の観点から 、いかに少人数でインフラの維持管理を実施するかが課題である。
課題(2)脱炭素社会へ向けたインフラ整備と維持管理
 我が国では2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル」や脱炭素社会の実現を目指すことを宣言している。しかし、このような新しい取り組みに対してはコストが掛かる。
 そのような社会情勢の変化を踏まえて、今後のインフラの維持管理を実施するためには、脱炭素社会の構築への取り組みが必要である。コスト面の観点から 、いかに効率的に脱炭素への取り組みを実施するかが課題である。
課題(3)老朽化した膨大な インフラの適切な維持管理
 我が国では、高度経済成長期に建設されたインフラ設備が更新時期を迎えている。また、南海トラフ巨大地震や首都直下型地震などの発生リスクも高まってきている。
そのような社会情勢の変化を踏まえて、インフラの適切な維持管理を持続的に円滑にかつ適切に実行する必要がある。維持管理の観点から 、いかに適切なインフラの維持管理を実施するかが課題である。
2.最も重要と考える課題とその解決策
(1) 最も重要と考える課題
 上記の3つの課題の中から、(3)インフラの適切な維持管理を最も重要な課題とする。理由としては、インフラの適切な維持管理を実施することにより、生産性の向上が図れる からである。
(2) 解決策
解決策(1)DXの推進
 インフラの維持管理において、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する。DXの推進により人材不足の地方自治体においても効率的で適切なインフラのメンテナンスサイクルが可能となると考える。 
また、地方の防災力の維持・向上も期待出来る。
解決策(2)ICTの導入
 現在、土工をはじめとして普及が促進さている、ICTの導入をすることは、生産性の向上とともにインフラの適切なメンテナンスも図れると考える。
 具体的には 、IoTセンサーによるリアルタイムなデータ収集である。センサーを設置し、機器や設備の稼働状況や環境データをリアルタイムに収集することで、障害や故障の予兆を検知することができる。
施工管理の段階においても 、ICT施工を活用した場合には、施工精度を向上できる。また、手戻りや手直し作業の抑制も図れ、建設機械の無駄なアイドリングを削減でき、脱炭素社会の構築への解決策としての期待も出来る。
解決策(3)インフラ長寿命化計画の推進
 インフラの維持管理を適切に実施するために、「インフラの長寿命化計画」を推進する。
具体的には 、予防的保全計画の策定である。設備の老朽化を見据えた保全計画を策定することで、予防的に点検・保全を実施し、故障やトラブルを未然に防ぐことができると考える。また、インフラの点検・保守履歴をデータ化し、適切な場所で共有することで、より効果的な計画の策定や、保全作業の最適化が可能となる。
3.新たに生じうるリスクとその対策
 新たに生じうるリスク として、ICTやDXの導入による初期コスト増が考えられる。
 対策と しては、補助制度の拡充や民間技術の知識経験を積極的に活用し、教育・研修を強化する。
また、デザイン思考でアジャイルし、改善・工夫を継続する仕組を構築の上、PDCAを回し対応していく。
                     以上

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この記事を書いた人

横浜すばる技術士事務所代表
技術士(建設部門ー施工計画、施工設備及び積算) (総合技術監理部門)
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