長年、技術士二次試験の指導を続けていると、どのような受験生が合格し、どのような受験生が不合格になるのか、その明確な共通点が見えてきます。
「何年も受験しているのにA判定をもらえない」
「知識は詰め込んでいるはずなのに、なぜか論文が通らない」
そう悩んでいる方の多くは、試験の「合否判定基準の本質」を見誤り、無意識のうちに思考停止に陥っています。
今回は、技術士二次試験に一発合格するための「正しい考え方」と、合格論文を書き上げるための具体的な4つの基準について、徹底的に解説します。
参考:日本技術士会
論文添削の現場で痛感する「合格者」と「不合格者」の決定的な差
当講座(Yokosuba技術士受験講座)では、受講生が執筆した論文を講師が添削し、合格ラインに達するまで何度もキャッチボールを繰り返す個別指導を行っています。その中で、文章だけのやり取りでは伝わりきらないニュアンスを補い、受験生の現状を正確に把握するために、定期的にZoomによる個別面談を実施しています。
このZoom面談の冒頭で、私は必ず前回の面談からの「振り返り(近況報告)」を求めます。
「前回の面談で見つかった課題に対して、どのように取り組み、どのような気づきや反省があったか」を話してもらうためです。
実は、この最初の2〜3分のやり取りだけで、その受験生が近い将来合格できるかどうかがほぼ判別できます。
客観的分析ができる受験生は合格する
合格していく受験生は、自分自身の行動や思考を客観的に分析できています。
「前回指摘された『要求事項の読み飛ばし』を防ぐため、今回は問題文のキーワードに必ずマーカーを引き、骨子を作る段階でチェックリストと照合するようにしました。その結果、記述のブレは減りましたが、今度は文字数のコントロールに課題が見つかりました」
このように、短期的な課題(目の前の論文対策)が、長期的なビジョン(技術士合格)にどう繋がっているかを理解し、流暢に説明できる人は確実に実力を伸ばし、合格を掴み取ります。
不合格者が陥る「10秒の壁」
一方で、何年も不合格を繰り返してしまう受験生に「振り返り」を求めると、以下のような返答が返ってきます。
「えっと、今週は仕事が忙しくて、あまり書けませんでした。次は頑張ります」
時間にしてわずか10〜20秒程度。これでは近況報告にすらなっていません。
厳しい言い方かもしれませんが、これは普段から「どうすれば合格できるか」を真剣に考えていない証拠です。いま取り組んでいる課題の意味や、自分がなぜ書けないのかという原因について、疑問すら抱いていない。つまり、完全な「思考停止状態」にあるのです。
「考え方⇒行動⇒結果」の法則:間違った思考からは間違った結果しか生まれない
技術士二次試験に限らず、人生において大きな成果を出そうとするならば、「自分の行動の理由をロジカルに説明できること」が絶対条件です。
ビジネスや試験対策における因果関係は、すべて以下のフローで成り立っています。
【考え方(意識・マインド)】
↓
【行 動(勉強法・論文執筆)】
↓
【結 果(合否・A判定/B判定)】
多くの不合格者は、「結果(不合格)」を変えるために「行動(とりあえず参考書を読む、ひたすら論文を書く)」を変えようとします。しかし、根本にある「考え方」が間違っていれば、どれだけ行動の量を増やしても、生まれる結果は間違い(不合格)にしかなりません。
なぜ「どうすれば合格するか」を調べないのか?
技術士二次試験の合格率は例年約10%前後という難関です。裏を返せば、90%の受験生が不合格になる試験です。
それならば、勉強を始める前に「どうすれば10%の合格枠に入れるのか」「採点官は何を基準に合否を判定しているのか」を徹底的に調べ、戦略を立てるのが当然のステップです。
しかし、ほとんどの受験生はここをないがしろにします。理由はシンプルで、「自分で調べること、考えることがめんどくさい」からです。
「合格したい」という願いよりも、「考える面倒くささ」が勝ってしまい、結果として他人の意見を鵜呑みにしたり、過去問の模範解答を丸暗記したりするだけの思考停止に陥るのです。
周囲の事象や試験の本質に対して好奇心を抱かず、受動的に毎日を過ごしている淡白な人は、技術士という「高度な思考力」を試される資格には生涯合格できません。まずはそのマインドを叩き直す必要があります。
技術士二次試験の合否判定基準:合格するための「4つの絶対条件」
では、思考停止から脱却した上で、「どうすれば技術士二次試験に合格するのか」。その答えは、実は非常にシンプルです。
採点官が受験生の論文を評価する際、満たすべき基準は以下の4つの条件しかありません。
| 順位 | 合格論文の4大条件 | 具体的なチェックポイント |
| ① | 問題文の要求に正しく答える | 出題者が「何を求めているか」を正確に把握し、独りよがりな回答をしない。 |
| ② | 内容に専門的な間違いがない | 選択科目の専門技術者として、科学的・技術的に正確な事実や見解を述べる。 |
| ③ | 第三者が読んで一発で理解できる | 論理構成(結びつき)が明確で、専門用語が適切に使われており、読みやすい。 |
| ④ | 規定の文字数を満たしている | 原稿用紙の8割〜9割以上を埋め、十分な情報量と論理の深さを示している。 |
あなたがもし過去に不合格(B判定やC判定)をもらっているなら、この4つのうちのどれか(あるいは全て)が欠けているということです。
合格を引き寄せる「オセロの法則」
試験対策とは、今の自分に「何が足りないか」を事前に洗い出し、潰していく作業です。
これを私は【オセロの法則】と呼んでいます。
■「分からない」 ⇒ 「分かる」に変える
■「できない」 ⇒ 「できる」に変える
盤面の黒い石(分からない・できない)を、一つずつひっくり返して白い石(分かる・できる)に変えていき、すべての要因を白に染め上げた瞬間に、合格という結果が自動的に付いてきます。
当講座の論文添削では、受講生の論文が「なぜ黒なのか(どこがダメなのか)」を具体的に指摘しますが、それを白にひっくり返せるかどうかは、最終的には本人の「自分を変える強い意志」と「思考する努力」にかかっています。
ステージが上がるほど試されるのは「暗記力」ではなく「思考力」
技術士の試験制度は、ステップが上がるにつれて求められる能力の質がガラリと変わります。
■一次試験:知識の量(暗記力)を試す試験
■二次試験:知識を応用する「思考力(論理的思考力)」を試す試験
■総合技術監理部門:さらに広い視野での管理・調整能力を試す試験
二次試験以降で不合格を繰り返す人の多くは、一次試験の感覚のまま「知識を暗記すれば受かる」と勘違いしています。しかし、二次試験の記述式試験で試されているのは、あなたが持っている膨大な知識そのものではなく、「与えられた課題に対して、技術士としてどのように論理を組み立て、解決策を導き出すか」という思考のプロセスです。
合格するためには、「どうすればこの論文がA判定になるのか」を、自らの言葉で論理的に説明できなければなりません。その習慣を日頃から身につけることが、最大の試験対策になります。
まとめ:思考停止をやめ、常に問い続けろ
技術士二次試験は、暗記に頼る「お勉強」では絶対に突破できない壁があります。
合否を分ける判定基準の本質は、あなたが「技術士にふさわしい思考力(論理的思考力)を持っているかどうか」です。
「なぜこの解決策を選んだのか?」
「なぜこの課題が最も重要だと言えるのか?」
日頃の勉強や業務の中から思考停止を排除し、常に論理的な根拠を問い続ける習慣をつけてください。そのマインドの変化こそが、合格への唯一のブレイクスルーとなります。
本気で思考を変え、次回の試験で確実に合格を掴み取りたい方は、ぜひ「Yokosuba技術士受験講座」の門を叩いてください。効率的に合格する技術を、私たちが全力でご指導させていただきます。



