技術士二次試験の筆記試験を控えている受験生の多くが、次のような悩みを抱えています。
「どのような解答を書けば、最高評価であるA判定がもらえるのか分からない」
「専門知識を詰め込んで論文を書いているのに、なぜか合格ラインに届かない」
もしあなたが今、同じような不安を抱えているとしても、決して落ち込む必要はありません。なぜなら、技術士二次試験でA判定を勝ち取るためのアプローチは、実は驚くほどシンプルだからです。しかし残念なことに、受験生の99%はこの「合格の本質」を理解しないまま、的外れな努力を続けています。
この記事を最後まで読めば、採点者がどのような視点であなたの論文を評価しているのかが明確になり、どう書けば減点されないのかという「論文の型」が完璧に理解できるはずです。今日から「合格を確信できる勉強法」へと舵を切りましょう!
参考:日本技術士会
技術士二次試験における「A判定論文」の本質
筆記試験の合格率12%という厳しい現実
技術士二次試験は、大きく分けて「筆記試験」と「口頭試験」の2つのステージで構成されています。まずは、この試験の構造を客観的な数値(合格率)から正しく認識することから始めましょう。
■筆記試験の合格率:約12%
■口頭試験の合格率:約90%
このデータが示す通り、技術士試験における最大の難関は間違いなく「筆記試験」です。筆記試験さえ突破してしまえば、最終合格の可能性は一気に9割まで跳ね上がります。つまり、あなたの受験対策のエネルギーの大部分は、筆記試験で確実に「A判定(60%以上の得点)」をもぎ取ることに集中させるべきなのです。
最大の敗因は「誰のために書くか」の意識不足
これほど低い合格率を見て、「やはり特別な専門知識や、誰も思いつかないような最先端の技術を提案しなければ受からないのではないか」と勘違いしてしまう受験生が後を絶ちません。しかし、それは大きな間違いです。
多くの受験生が不合格になる最大の理由は、専門知識の不足ではなく、「誰のためにこの解答論文を書いているのか」という意識が完全に欠落していることにあります。
■「問題文にこう書かれていたから、なんとなく答えた」
■「自分の得意なテーマだから、書きたいことを熱心に書いた」
■「論文試験なのだから、それらしい難しい文章を並べた」
これらはすべて「自分本位」の書き方です。文章には必ず、それを読む「読者」が存在します。技術士二次試験における読者とは、他でもない「試験の採点者(試験委員)」です。採点者に読んでもらい、彼らに「この受験生は技術士にふさわしい資質を持っている」と意思決定(合否判定)してもらうために、あなたの論文は存在しているのです。
この「採点者ファースト」の視点を持つだけで、あなたの論文の質は他のライバルたちを圧倒し、格段に向上します。
採点者の評価シートを透視する!A判定に必要な「4つの絶対条件」
採点者が答案を見る時間はわずか2〜5分
技術士二次試験の採点者は、膨大な数の答案用紙を極めて短い期間で評価しなければなりません。1枚の答案(論文)にかける時間は、現実的にはわずか2〜5分程度と言われています。
この極めて短い時間の中で、採点者は何を見ているのでしょうか。
それは、「素晴らしい論文かどうか」を探しているのではなく、「技術士の資質を欠く、減点すべき箇所はないか」という視点です。技術士二次試験は、基本的には「減点方式」かつ「相対評価」の試験です。
つまり、どんなに素晴らしいアイデアが書かれていても、論理が破綻していたり、読みにくかったりすれば、その時点で採点者は読む気をなくし、不合格(B判定以下)のスタンプを押してしまいます。逆に言えば、「採点者が減点したくても、引きようがない論文」を書くことができれば、地味な内容であっても確実にA判定になるのです。
減点を防ぎA判定を確定させる「4つの基本原則」
採点者から一切の減点を受けず、確実にA判定を勝ち取るための要件は、実は以下の4つしかありません。
1.問題文の要求(設問)に対して、的確かつ漏れなく答案に答えていること
2.記述されている技術的・専門的内容に間違いがないこと
3.論理構成が明快で、2〜3分で読んでも一読で内容が理解できること
4.指定された文字数(規定の範囲内)をしっかりと満たしていること
この4条件を満たした論文と、不合格になる論文の違いを分かりやすく表にまとめました。
A判定論文とB・C判定論文の決定的な違い
| 評価項目 | A判定論文(合格ライン) | B・C判定論文(不合格ライン) |
| 設問への対応 | 問題文で求められている問いに対して、見出しを使って正対して回答している。 | 自分の得意分野に話をすり替え、問われていないことを延々と書いている。 |
| 内容の正確性 | 専門知識や技術的アプローチが正しく、客観的な事実に基づいている。 | 主観的な思い込みや、根拠の薄い独自理論、明らかな知識ミスが見られる。 |
| 読みやすさ・論理 | 結論ファーストで構成され、一読して主旨が頭に入る。論理の飛躍がない。 | 文章が冗長で、何を言いたいのか分からない。何度も読み返さないと理解できない。 |
| 文字数・体裁 | 各設問の配点バランスを考慮し、マス目の8割〜9割以上を綺麗に埋めている。 | 文字数が圧倒的に足りない(8割未満)、または段落分けや改行がなく読みづらい。 |
優れた論文というのは、書き出しの1行目から最後の1行まで、この「4つの条件」を徹底的に意識してコントロールされています。採点者の立場に立って、「どう書けば彼らが楽に読めるか、どう書けば減点する理由を失うか」を徹底すること。これこそが、ほとんどの人が気づいていないA判定の秘密です。
合格論文を阻む最大の敵「思考停止」からの脱却
なぜ多くの受験生が「正解のない問い」に挫折するのか?
技術士試験の難しさは、学校のテストのように「あらかじめ用意された1つの正解」が存在しない点にあります。
日本の義務教育や大学受験の多くは、「用意された正解」をいかに早く正確に導き出すかという訓練に偏りがちです。その結果、社会人になっても「誰かに答えを教えてもらわないと行動できない」「マニュアルがないと判断できない」という、いわゆる「思考停止状態」に陥っている人が少なくありません。
会社組織の中でも、上司の意見や過去の慣習、声の大きな人の指示に無条件で従う文化に染まってしまうと、自分の頭でゼロからロジックを組み立てる能力はどんどん退化してしまいます。
しかし、技術士という資格が求めているのは、「複合的な問題に対して、限られた条件の中で自ら課題を抽出し、解決策を提案・遂行できる能力」です。普段から「思考停止」のまま過ごしている受験生が、試験本番の張り詰めた空気の中でいきなり「自分の頭で考えた高度な論文」を書こうとしても、当然ながら書けるはずがないのです。
日常からできる「1日10分の思考トレーニング」
この思考停止状態から脱却するためには、日頃からの小さな訓練が必要です。机に向かって何時間も猛勉強する必要はありません。まずは「1日10分、身の回りの課題について深く考える時間」を確保することから始めてみてください。
■「今、自分の職場で起きている効率低下の原因は何か?」
■「その原因を解決するために、技術的にどのようなアプローチが可能か?」
■「そのアプローチを選択した際、新たに発生するリスクと対策は何か?」
このように、日常の業務やニュースに対して
「なぜ?」
「どうする?」
と自問自答する癖をつけるだけで、技術士試験に必要な「課題抽出能力」と「解決策の策定能力」の土台が自然と出来上がっていきます。
本番でブレない!自分で考え、判断し、行動するための「論文の組み立て方」
添削指導で学ぶべきは「模範解答」ではなく「書き方の型」
多くの受験生が、「過去問の模範解答を丸暗記すれば合格できる」と考えがちですが、それは大きな罠です。なぜなら、実際の試験本番で、過去問と「全く同じ問題」が出題されることは100%あり得ないからです。類似したテーマが出題されることはあっても、要求される切り口や条件は必ず変化します。
したがって、論文の添削指導や受験対策において本当に学ぶべきなのは、個別の問題に対する模範解答ではなく、「どんな問題が来ても対応できる『論文の書き方の型(アルゴリズム)』」です。
論文の書き方という「普遍的なルール」さえ一度マスターしてしまえば、本番で未知のテーマが出題されても、焦る必要は一切なくなります。試験会場において、あなた自身の手で以下のプロセスを実践すれば良いだけだからです。
1.自分で問題の本質を「考え」
2.採点基準に照らし合わせて記述内容を「判断し」
3.どの構成で書くかを「決め」
4.ブレずに原稿用紙へ「行動する(書く)」
試験会場で実践するセルフチェックリスト
試験本番中、ペンを動かしながらも、常に自分の論文が合格ライン(A判定)に乗っているかを客観的にチェックするための基準を持ってください。迷ったときは、以下の「4つの問い」を頭の中で繰り返しましょう。
■[ ] チェック1:私は今、問題文の「問い」に対してストレートに答えているか?(聞かれていない自己アピールに終始していないか?)
■[ ] チェック2:ここで述べている技術的根拠や工学的判断は、専門家として絶対に間違っていないか?
■[ ] チェック3:初めてこの文章を読む採点者が、主語・述語の関係を迷わずに一読で理解できる文章になっているか?
■[ ] チェック4:各設問のボリュームバランスは適切で、指定された総文字数の80%〜90%以上をしっかり超えられるペースか?
このチェックがすべてクリアできていれば、あなたの論文の合格可能性は極めて高いと言えます。シンプルですが、この基本を徹底することこそが、本番のプレッシャーに打ち勝つ唯一の最適解なのです。
まとめ:A判定は難しくない!ルールを徹底すれば自ずと合格は見えてくる
ここまで、技術士二次試験の筆記試験において、確実にA判定を勝ち取るためのロジックを解説してきました。最後にもう一度、合格論文に不可欠な「4つの絶対条件」をおさらいしましょう。
1.問題文の要求通りに答案を書く
2.内容に技術的な間違いがない
3.誰が読んでも一読で理解できる論理構成
4.指定された文字数をしっかり満たす
技術士二次試験は、決して「天才的なひらめき」や「業界を揺るがすような新技術の発表」を求めている試験ではありません。「与えられた課題に対して、エンジニアとしての倫理と専門知識を持ち、採点者に分かりやすく論理的に説明できる能力」を判定する試験です。
つまり、試験の「ルール」を正しく理解し、採点者への配慮を忘れずに、減点されないための型を守りさえすれば、誰でも確実に合格できる試験なのです。
あなたのこれまでの実務経験と努力は、正しい「書き方の型」と結びつくことで、必ずA判定という最高の結果になって返ってきます。「思考停止」を脱却し、採点者に届く最高の論文を執筆できるよう、一歩ずつ進んでいきましょう。
あなたの技術士二次試験合格を、心より応援しています!



