はじめに:なぜ多くの受験生が技術士二次試験の論文で不合格になるのか?
技術士二次試験は、数ある国家資格の中でも最難関の一つに数えられます。一次試験からの通算合格率はわずか3%程度とも言われており、倍率に直せば「33人に1人」しか合格できない計算です。受験生の中には「東大入試レベルの難易度だ」と評する人も少なくありません。
実際に試験会場へ足を運ぶと、何年も連続で不合格を繰り返し、泥沼にはまっている受験生が山ほどいます。その一方で、大してガリガリと猛勉強したわけでもないのに、1回目の挑戦であっさりとストレート合格を果たす人も実在します。中には、技術士二次試験を異なる部門や科目で4回受験し、4回ともすべて1発でA判定合格を勝ち取ったという「猛者」もいるのです。
この「合格し続ける人」と「落ち続ける人」の決定的な違いは、地頭の良さや業務経験の長さではありません。実は、「合格論文の書き方を正しく真似できているか否か」という、極めてシンプルな戦略の差にあります。
もしあなたが「自分は天才ではない」「凡人だからこそ、効率的に最短ルートでA判定の論文を書きたい」と願うのであれば、先人の知恵を借りるのが最も賢い選択です。本記事では、技術士二次試験の論文執筆において、一発でA判定をもぎ取るための必須思想である「守破離(しゅはり)」と「TTP(徹底的にパクる)理論」について、具体例を交えて詳しく解説します。
参考:日本技術士会
技術士二次試験における受験生の「5つの階層」
最短で合格ルートに乗るためには、まず現在の自分がどの立ち位置にいるのかを客観的に把握する必要があります。技術士の受験生は、合格者や優れたノウハウに対する向き合い方によって、以下の5つのフェーズ(階層)に分類されます。
受験生の5段階レベルと特徴
| レベル | 階層 | 合格者ノウハウへのアプローチ | 合格可能性 |
| レベル1 | 三流の受験生 | 合格者の話を聞かない。自己流に固執する。 | 極めて低い(長期化の恐れ) |
| レベル2 | 二流の受験生 | 合格者の話を聞く(情報収集で満足する)。 | 低い |
| レベル3 | 一流の受験生 | 合格者の話を素直に聞き、そのまま実行する。 | 高い(合格ライン到達) |
| レベル4 | 超一流の受験生 | 合格者の話をベースに、自分の環境に合わせて工夫する。 | 非常に高い(確実圏) |
| レベル5 | 異次元の受験生 | 複数の超一流のノウハウを融合し、独自の必勝法を確立する。 | ほぼ100%(トップ通過) |
あなたは今、どの段階に身を置いているでしょうか?
多くの不合格者は、レベル1かレベル2で足踏みをしています。「自分の専門分野だから」「プライドがあるから」と自己流の論文を書き続け、試験官(評価者)が求めている基準から外れてしまっているのです。
一方で、手っ取り早く合格していく人は、最初からレベル3(実行)以上を選択します。さらに効率を突き詰める人は、複数の合格者から勉強法やA判定論文をヒアリングし、それぞれの「いいとこ取り」をして自分の勉強法へと昇華させます。これこそが、凡人が驚異的なスピードで合格するための「スーパー勉強法」の正体です。
現在地を見失わないための「ひとり作戦会議」
優れた勉強法を取り入れる上で、絶対に忘れてはならないのが「戦略の軌道修正」です。
どんなに最新で高性能なカーナビゲーションシステムを搭載していても、出発地や現在地、目的地がズレていれば、全く見当違いの場所に案内されてしまいます。
三流の受験生は、現在の自分の実力や論文の癖を客観的に確認しません。なぜなら、彼らにとっての勉強や論文執筆は「自己満足」の領域で終わっているからです。
これに対し、一発合格するような優れた受験生は、自分の書いている論文や勉強の方向性が正しいかどうかを常に確認します。この、戦略を持って現在地を客観的に評価するプロセスを「ひとり作戦会議」と呼びます。
かつてのように、わざわざ遠方の合格者に直接会いに行かなくても、現代にはZoomやSNSといった便利なツールがあふれています。オンラインを活用すれば、安価かつ圧倒的にスピーディーに、良質な情報や論文添削の機会を手に入れることができます。この環境を活かさない手はありません。
論文A判定を量産する「守破離」と「TTP理論」
では、具体的にどのようにして合格者の論文を自分のものにしていけばよいのでしょうか。ここで登場するのが、古くから日本の武道や芸術で重んじられてきた「守破離(しゅはり)」の思想と、ビジネスの世界でも多用される「TTP(徹底的にパクる)理論」です。
守破離(しゅはり)の定義
1.守(しゅ):指導者や合格者の「型」を忠実に守り、完全に再現できるようになる時期。
2.破(は):基本の型をマスターした上で、他の良い手法を取り入れ、自分なりに型を破る時期。
3.離(り):型から離れ、独自の境地(自分だけの必勝パターン)を確立する時期。
技術士試験における「守」:TTP(徹底的にパクる)
技術士二次試験の論文対策において、最も重要であり、かつ多くの受験生が軽視しているのが最初の「守(しゅ)」です。そして、この「守」を極めるための具体的なアクションがTTP(徹底的にパクる)です。
ここで言う「パクる」とは、他人の論文の技術的コンテンツをそのまま盗用するという意味ではありません。「合格論文の構造」「論理の流れ」「キーワードの配置」「文章の組み立て方(骨子)」といった『合格のフレームワーク(枠組み)』を徹底的に真似るということです。
なぜTTPが必要なのでしょうか。それは、技術士二次試験の論文には「評価されやすい明確な型」が存在するからです。試験官は膨大な数の論文を採点しなければなりません。そのため、パッと見ただけで「問題の本質を理解し、技術士にふさわしい論理展開ができているか」が分かる論文でなければ、そもそもじっくりと読んでもらえず、B判定やC判定に落とされてしまいます。
まずは、過去のA判定論文を写経する、あるいはその骨子構造(章立てや見出しの構成)をそっくりそのまま真似て、自分の専門テーマを当てはめて書く練習をしてください。オリジナリティを出すのは、この「型」が完全に染み付いてから(つまり「破」の段階)で十分です。
A判定論文の「型」を身につける3ステップ
具体的に、守破離とTTPをベースにしてA判定論文を執筆するためのステップを解説します。
A判定論文の構造(骨子)を解剖する
まずは、身近な合格者や信頼できる講座から、過去のA判定論文(できれば自分の専門に近いもの)をいくつか入手します。そして、それぞれの論文がどのような見出しで構成されているか、文字数の配分はどのくらいかを分析します。
1. 課題の抽出(背景、現状、問題点、そして3つの課題)
2. 最も重要な課題の選定と解決策(なぜそれが最重要か、具体的な技術的アプローチ)
3. 解決策を講じた後に生じる波及効果と懸念事項(新たなリスクとその対策)
4. 技術者としての倫理、業務遂行上の留意点
この構成比率を視覚化し、自分の頭の中に「標準テンプレート」として叩き込みます。
テンプレートに自分の業務・専門知識を流し込む(写経と応用)
型が理解できたら、次はそのフレームワークの中に、自分が準備した想定問題や専門知識のキーワードを当てはめていきます。最初は上手く文章がつながらないかもしれませんが、合格論文の「接続詞の使い方」や「主語・述語の対応」を真似ることで、驚くほど読みやすく論理的な文章に変貌します。
第三者の添削を受けて「ひとり作戦会議」を行う
型通りに書いたつもりでも、自分ひとりで推敲していると必ず見落としが生じます。ここで、レベル4(超一流)やレベル5(異次元)の受験生が行うように、合格者や指導員といった第三者に論文を見てもらいましょう。「型からズレていないか」「現在地はA判定に近いか」を客観的にチェックしてもらい、フィードバックを元に修正を重ねます。
まとめ:自己流を捨て、最短ルートで技術士の称号を手にしよう
技術士二次試験の論文執筆で苦戦している人は、今すぐ「自分の力だけで素晴らしい論文を書こう」という幻想を捨ててください。試験は研究発表の場ではありません。文部科学省および試験委員会が提示する「コンピテンシー(資質能力)」を満たしていることを、限られた時間と文字数の中で証明するゲームです。
このゲームに勝つための最強の攻略本が、すでに合格した先輩たちの「A判定論文」であり、それを習得する唯一のアプローチが「守破離」と「TTP理論」です。
1.合格論文の「型」を徹底的に真似る(守・TTP)
2.自分の論文の現在地を常に客観視する(ひとり作戦会議)
3.アドバイスを素直に実行し、工夫を加える(破・離)
このプロセスを徹底すれば、論文執筆に対する苦手意識は消え去り、驚くほどスムーズにA判定の論文が書けるようになります。自己満足の勉強から脱却し、戦略的な最短ルートで、最高峰の技術資格である「技術士」の称号を勝ち取りましょう!



