令和5年度技術士二次試験総合技術監理部門の動向
7月16日(日)技術士総合技術監理部門の筆記試験が実施されました。
受験された方はご苦労さまでした。
筆記試験の問題が日本技術士会から公表されました。
当講座当たり前のように言っていますが、総合技術監理部門は非常に簡単な技術部門であり問題です。
理由は問題が毎年同じだからです。
また技術士の試験は一次試験⇒二次試験⇒総合技術監理部門と難易度が上がるにつれて知識は最低限しか求められなくなります。
思考力を求められる試験になります。
よく択一式試験で沢山知識を暗記して得点を稼いで、記述式は勉強しないで合格しようとしている受験生がいます。
そのような勉強をしている方で未だ合格した人を見たことがありません。
思考力を試されているのに暗記力で乗り切ろうとしても無理な話なのです。
そもそも総合技術監理部門とはマネジメントです。
思考力がない人にマネジメントができるはずがありません。
合格に必要なものは努力ではなく要領、知識ではなく考え方なのです。
択一式試験の解説
総合技術監理部門択一式試験の問題は、基本的に思考力を試されています。
簡単にいえば正しく日本語を理解できるか否かについて問われています。
常識があるか否かについて問われています。
今年度の問題について考えていきましょう。
I ー1ー7業務改善を実施するうえでの視点を示したECRSの原則を用いた改善活動の説明として,次のうち最も不適切なものはどれか。
① 作業のスケジュールを見直すことによって,作業の順序の変更をする。
② 工程分析を行った結果を活用し,一部の工程をなくす。
③ 完成品の利用調査に基づき,完成品の検査合格の許容範囲を狭める。
④ 作業者の動作分析を行うことによって,動作方法を単純化する。
⑤ 各工程の作業を見直し,別々であった工程を1つの工程にする。
この問題は一見するとECRSの原則についての知識を試されている問題だと感じる受験生は多いと思います。
そのように考えた時点でこの問題はとけません。
日本語と常識を問われている問題です。
この問題は「改善活動」の説明について問われています。
「改善活動」について不適切なものを選ぶ問題です。
不適切なものは③です。
理由は改善活動はしないで検査の許容範囲を決めているからです。
まったく改善とは無関係の説明です。
日本語が正しく読めれば解ける問題です。
反対に考えれば知識をどんなに詰め込んでも、不適切な設問は無限に作れるのです。
少し考えれば分かる問題です。
Iー1ー 8現品管理の活動として,次の記述のうち最も不適切なものはどれか。
① ICタグを活用して,ものの動きと情報を関連付けた管理を行う。
② コンビニエンスストアにおいて,販売する食料品の賞味期限の確認を行う。
③ 現品票を用いて,仕掛品の紛失を防止する。
④ バーコードを活用して,販売時点情報を把握する。
⑤ バスタブカープの図を活用して,需要予測を行う。
この問題も考え方は同じです。
現品管理活動として不適切なものを選ぶ問題です。
現品管理について問われていつのです。
⑤は需要予測の説明です。
現品管理とは全く関係のない説明です。
需要予測の説明は聞かれていないのです。
このような問題が適切になることはありません。
I – 1ー9労働基準法,労働安全衛生法に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
①使用者は,労働者に時間外労働,休日労働を行わせる場合には,時間外労働,休日労働に関する労使協定を締結し,行政官庁に届け出なければならない。
②時間外労働や休日労働に係る労働時間に関して, 1か月,複数月,年間などの期間に応じた上限が罰則付きで規定されており,一部の事業・業務については,適用が猶予されている。
③使用者が,労働者に1か月について60時間を超える時間外労働を行わせた場合, 60 時間を超える部分の労働に係る割増賃金は,割増賃金の基礎となる賃金の5割以上である。
④事業者は,健康管理の観点から,裁量労働制の適用者及び管理監督者を除き,労働者の労働時間の状況を客観的な方法,その他適切な方法で把握しなければならない。
⑤産業医を選任した事業者は,産業医に対し,労働者の労働時間に関する情報など,産業医が労働者の健康管理を適切に行うために必要な情報を提供しなければならない。
この問題の不適切なものは④です。
理由は簡単です。
健康管理の観点から考えれば職種に関係ないく労働時間の把握は必要なはずです。
これも日本語が正しく読めて、常識が備わっていれば解ける問題です。
択一式試験は簡単です。
このような解法を覚えておけばかなりの高得点を得られることができます。
それを資料としたのを当講座で発売しています。
■受験対策資料
◆資料名:総合技術監理部門受験対策資料
◆内容:総合技術監理部門とはどのような部門なのか?から説明し、総合技術監理部門の業務経歴票の書き方、択一式試験で簡単に高得点を取る方法、筆記試験で高得点を取る方法を説明します。この資料だけで総合技術監理部門は簡単に合格します。
令和5年度の問題に関しては、上述した解法を知っているだけで少なく見積もっても最低6割の得点が取れます。
6割どころか8割以上の得点も可能です。
理由は知識を試されているのではなく「思考力」を試されているからです。
この資料を読めば知識を詰め込むことが、いかにバカバカしいかがわかります。
また勉強することのバカバカしさも分かります。
時間と労力を掛けずに勉強して、最大の成果を得たいひとは是非ともこの機会にお求めください。
総合技術監理部門合格を目指す皆様へ
口頭試験まで先は長いです。
筆記試験が終わったので一旦は休んでいただいて、気分を切り替えてください。
但し技術士二次試験は小学校の夏休みと同じです。
油断するとすぐに8月31日になります。
遅くとも9月からは口頭試験対策に取り組んでください。
毎年10月末に筆記試験の合格を知ってから、口頭試験対策に取り組む方がいます。
筆記試験の合格から口頭試験までは、短い人で1カ月程度しか時間がありません。
準備不足で不合格になる方が後を絶ちません。
筆記試験に合格したら技術士になれるのではありません。
口頭試験に合格して登録してからでないと技術士は名乗れません。
その苦難を乗り越えることができる人でないと、この試験は通過できないのです。