情報管理(その4)

丸いビル
目次

4.4 情報ネットワーク

 今日の情報ネットワークは、高度情報通信技術を利用したコンピュータを中心とするネットワークである。組織内の情報伝達に留まらず、世界規模の情報発信・情報収集が可能な場合が多い。世界規模の情報ネットワークとしては、インターネットが最も有名であり、社会にも広く浸透しつつある。インターネット上におけるWWWや電子メールなどの利用に関しては、企業などでは常識となりつつあり、ビジネスにおいても様々なサービスを利用することが可能である。

4.4.1 集中処理と分散処理

情報ネットワークにおける情報処理方法の分類として、集中処理と分散処理という考え方がある。集中処理では、大型コンピュータなどをネットワークの中央に配置し、全ての情報処理をこの大型コンピュータで処理する考え方であり、分散処理は複数のコンピュータにより分散して情報処理を行う考え方である。
 今日のインターネットは、1960年代に米国国防総省の高等研究計画局(Advanced Reserch Project Agency  ; ARPA)で研究が開始されたコンピュータネットワークであるARPAnetから発展したものである。このARPAnetは中枢となる特定のコンピュータを持たない分散型ネットワークであるが、このような思想のネットワークが注目された背景には、冷戦時の核攻撃を想定した場合、中枢となるサーバが攻撃を受けても破損した箇所を迂回して必要な情報伝達機能を維持させる意図があったからとも言われる。
 このため、インターネットは分散処理の思想に基づく自律分散システムであり、全体の管理者という概念は存在しない。
 企業などの組織における情報ネットワークでは、業務内容や制約条件に応じて集中処理及び分散処理が使い分けられている。
 集中処理の考え方を採用している業界の例としては、銀行や生命保険、電力会社などがある。データの不一致を防ぎ、多くの支店や営業所で同じデータを共有する必要があるため、中央にホストコンピュータを設置している。例えば現金自動支払い機で現金を引き出す場合、支払端末は中央のホストコンピュータと通信を行っている。
 分散処理の例としては、本店と支店で個別にホストコンピュータを設置し、個別に処理を行う場合などがある。本社、支社、各部門などの間で部分的に共有する必要があるデータはあるものの、データの不一致などが大きな問題とならず、個別の処理が可能な場合には、分散処理が適用できる。分散処理システムは、複数のコンピュータで構成されるため、情報処理の機能、負荷、リスクが分散化されたシステムである。

4.4.3 インターネットの利用

インターネット上では、様々な形態の情報が伝送されている。インターネットの飛躍的な発展には、クモの巣を意味するWWWと電子メールの果たした役割が大きい。今日では、これらを含めた様々な形態でインターネットが利用されている。インターネット上で行われる電子商取引などのインターネットビジネスはますます拡大しており、これらの技術を活用することにより、規模の小さい企業でも世界に対してビジネスチャンスを広げていくことが可能となってきている。
 以下では、インターネットの利用に関する用語、あるいはインターネットの出現によって現れた技術変化、社会現象に関する用語のいくつかについて記述する。
(1)WWW(ホームページ、サイト)
   WWWは、直訳すれば世界中に張り巡らされたクモの巣という意味で、インタ-ネット上のファイル同士をリンクし、ハイパーテキストを実現する仕組みのことである。 WWW に関しては、ハイパーテキストを記述するための言語としてHTML(Hyper Text Markup Language)があり、通信プロトコルとしてHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を利用している。
   また、Java言語などを利用すれば容易にアニメーションやインタラクティブなページを作成することが可能となり、WWWの表現力をより豊かにすることが可能となる。 WWW では、文字情報だけでなく音声や写真、動画についても、情報のやり取りが可能であるし、情報検索サイトを利用することにより、世界中の様々な情報を効率的に収集することができる。
(2)電子メール
    電子メールは、インターネットを利用した手紙(メール)のことであり、普通の手紙よりも迅速に且つ簡単な情報交換を実現する仕組みである。電子メールは、EメールやE-mailまたは単にメールと呼ばれることもあり、一般のユーザーにとっては最も身近なインターネット上のサービスの1つである。今日では、WWWと同様に携帯電話からも電子メールを利用することも可能である。
(3)B to C
    business to Consumerの略であり、一般に企業間商取引のことを示す。電子商取引を分類するときに、BtoC(企業・消費者間商取引)と区別するために用いられることが多い。 B2Bと標記する場合もある。
(4)B to B
      business to businessの略であり、一般に企業・消費者間商取引のことを示す。
   電子商取引を分類するときに、BtoC(企業間商取引)と区別するために用いられることが多い。 B2Cと標記する場合もある。
(5)電子認証
   電子商取引では、取引相手が想定していた当人でない場合や通信内容が改ざんされる可能性があるため、電子的な情報によって相手を確認し、通信内容が正しいことを確認・証明するための手段として電子認証がある。
   電子認証は、認証機関が登録された個人または組織に対して暗号化された証明書を発行し、その証明書によって取引相手及び取引内容に問題が無いことを確認することができる。
(6)インターネットショップ
  インターネットショップとは、インターネット上で商品の売買を行うことが可能なサイトのことであり、現実社会よりも安価に開店でき、さらにインターネットを経由して広く顧客を獲得することが可能である。
(7) ネットバンク
 ネットバンクとは、支店を持たずにインターネット上で取引を行う銀行のことを言う。ネット銀行やインターネット銀行とも呼ばれる。
 ネットバンクは支店を持たないため、支店の管理費を金利にまわすことにより預金金利を高くすることが可能である。また、利用者もインターネット上で振り込みなどの取引が可能である。インターネット上での振り込みなどの取引は、一般的な銀行の一部でも行われている。
(8)電子マネー
 電子マネーとは、金銭的な価値を電子情報化したものであり、インターネットのようなネットワーク上で決算するために使用される仮想的なお金のことを言う。電子マネーには、ネットワーク上で流通するネットワーク型のものと、ICカードチップに記憶させるカード型のものがある。
現実社会においても偽造貨幣や変造硬貨があるように、電子マネーにも同様の犯罪がつきまとうため、情報セキュリティの確保や法制度の整備などが重要となる。
(9)モバイルコンピューティング
  組織内部のデスクトップ端末からではなく、組織の外部において携帯情報端末やノートパソコンを利用して、組織内の情報ネットワークへの接続や組織内の人間との情報交換を行うことを言う。例えば、出先からの在庫確認やスケジュール確認、上司や部下との電子メールによる連絡などがモバイルコンピューティングによって可能となる。モバイルコンピューティングは主にインターネットを利用することから、比較的少ない費用で利用でき、機動性のあるビジネス展開が可能となる。
 携帯電話からインターネットに接続して、WWWや電子メールを利用できる携帯IP接続サービスが代表的なものである。このサービスにより、携帯電話からチケット予約や書籍注文、銀行振り込み(ネットバンク)、地図検索などの情報サービスが利用できる。
(10)ユビキタス情報社会、ユビキタスネットワーク
  人間を取り囲む環境の至るところにコンピュータが入り込んで、知的な情報操作を代行してくれるもの。場所、端末、ネットワークに依存せずに自在に使える近未来型の通信サービスとも考えられる。その一つの応用例として、ICタグを商品に付けて個別管理する二とて、レジで一つ一つチェックしなくても料金がわかる仕組みなどが研究されている。ただし、コストの問題やプライバシーの問題など、克服しなければならない課題も多い。
(11)Vo IP
  Voice over IPの略であり、デジタル化された音声データをインターネット上でやりとりする技術のことを示す。支社間の内線電話をVoIP化することにより、回線や交換機の保有コストを削減するといった事例が多い。個人住宅などでも、いわゆる「IP電話」として広まりつつある。
(12)オープンソース・ソフトウェア
  Windowsに対抗する形でもてはやされているLINUXによって有名になった、プログラム公開型のソフトウェアである。これは次の原則を満たす利用許諾によって配布・利用されるものである。①無償配布を妨げない、②ソフトウェアの開示や利用について特定の個人や組織を排除しない、③ソフトウェアの開示や利用について特定の利用目的を排除しない、④派生物の配布を妨げない(特定条件における場合を除く)、⑤派生物が引き続きオープンソース・ソフトウェアである、⑥派生物でないものに対して、オープンソースであることを強要しない。
(13)デファクト・スタンダード/デジュール・スタンダード
   デファクト・スタンダードは、企業間の市場における競争の結果、高い市場シェアを獲得し標準たる地位を獲得したものである。デジュール・スタンダードは、JIS規格やISO/IEC規格のように公的な標準化機関において作成される標準であり、明確に定められた手続に基づき広範な関係者の参加を得て策定されたものである。
(14)デジタルデバイド/デジタルオポチュニティ
   デジクルデバイドは、コンピュータを使いこなす能力の有無によって生じる情報格差のこと。個人や地域ばかりでなく、企業や国家に対しても適用される。
   デジタルオポチュニティは、情報化の進展で社会のパラダイム変化が起こり、これまでの弱者が強者へ転換する機会を与える、という考え方である。
(15)ウェブアクセシビリティ
   障害者や老人などの身体機能低下を持つ利用者でも、提供される情報にアクセスし利用できること。このような利用者でも使いやすいということは、普通の人にも使いやすいということであり、ウェブアクセシビリティを確保するよう努めなければならない。
参考:日本技術士会

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この記事を書いた人

横浜すばる技術士事務所代表
技術士(建設部門ー施工計画、施工設備及び積算) (総合技術監理部門)
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