令和4年度機械部門必須科目 Ⅰー2

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問題

I – 2コロナウイルス感染症拡大防止のためテレワークの導入が急速に進められてきており,今後は単なるテレワークのためのツールや環境の開発・整備だけでなく,テレワーク自体の新たな形態への変革が進むと考えられている。一方,現在の機械製品の製造現場においては,実際に『現場』で『現物』をよく観察し,『現実』を認識したうえで業務を進める『三現主義』の考え方も重要と考えられている。特に,工場での製造業務や保守・メンテナンスを含む生産設備管理業務においては,機械稼働時の音や振動,潤滑油のニオイ等,人の感じる感覚的な情報を活用して業務に当たることが少なくない。 このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。
( 1 )生産・設備機械を監視・監督する保全技術者が三現主義のメリットを活かせるようにテレワークを実現する場合,どのような課題が考えられるか,多面的な観点から3っ抽出し,それぞれの観点を明確にしたうえで,それぞれの課題内容を示せ。
( 2 )抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1っ挙げ,その課題に対する解決策を機械技術者として3っ示せ。
( 3 )前問( 2 )で示したすべての解決策を実行した結果,得られる成果とその波及効果を分析し,新たに生じる懸念事項への機械技術者としての対応策について述べよ。
( 4 )前問( 1 ) ( 3 )の業務遂行に当たり,機械技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点について述べよ。
参考:日本技術士会

解答

1.課題
1.1状態把握
課題を分析すると,対象となる生産・設備機械が初期破壊を起こす際の予兆を捉えることができていない。これを解決するためには,設備機械を監視・監督する保全技術者が,テレワーク時にも機械製品の状態を正確に把握することが重要である。そこで,初期破壊検知の観点から,いかに機械製品の状態を正確に把握するかが課題である。
1.2コミュニケーションの円滑化課題を分析すると,現地作業者から得る情報の中から,保全技術者が異常を捉えることができていない。これを解決するためには,現地作業者から多くの情報を引き出すことが重要である。そこで,情報漏れ防止の観点から,いかに現地作業者とのコミュニケーションを円滑化させるかが課題である。
1.3現地作業者のスキル向上課題を分析すると,現地作業者が点検時に通常とは異なる小さい異常を検知できず,保全技術者へ伝える情報の中にそれがない。これを解決するためには,現地作業者が感じる違和感の感度を上げることが重要である。そこで,現地からの情報の質向上の観点から,いかに現地作業者のスキルを向上させるかが課題である。

2.解決策
最も重要と考える課題は,状態把握である。なぜなら,設備に異常があった場合に,保全技術者が要因分析および対応検討を的確に行うためには,機械の状態を正確に把握することから始まると考えるためである。そこで,以下に設備の状態を正確に把握するための対策を詳述する。
2.1FEM解析で故障を予測
設備の調査部位の数や項目が多いと見逃すリスクも高まる。そこで,FEM解析を事前に行い,故障が生じる可能性のある部位および調査項目のあたりを付けておく。そうすることで,重要部位を明確化できるため,テレワーク時でも見逃すリスクを低減できる。ただし,FEM解析の予測精度が重要となるため,設備の運転条件に合わせた解析条件とすることが必要である。
2.2ヘルスモニタリング
異常検知の際に現地作業者からの情報だけでは感覚に頼ることとなり,定量的な情報がなく正確な判断をすることができない。そこで,光ファイバーセンサのようなヘルスモニタリング機能を持たせる。そうすることで,テレワーク時でも定量的な情報を得ることができ,より正確な判断を行うことができる。この時,前述したFEM解析の結果も参考にしながら,センサを取り付ける部位を決める。
2.3トレンド把握
機器の破損のような明確な異常以外にも,経時的に徐々に変化する事象や,バラツキが大きく異常と正常の判断が難しい事象がある。そこで,日々設備の状況を記録し,長期的に評価して異常を検知する。そうすることで,致命的なエラーとなる前に対処することができる。ただし,長期的なデータ取得が必要となるため,最初は異常と判断するクライテリアを厳しくし,徐々に緩和を検討するなどの工夫が必要である。

3.成果と波及効果
上記対策を全て実行することで,設備の状態を正確に把握でき,的確な対応を行うことができる。そうすることで,設備の早期復旧および未然防止を行うことができる。

4.新たなリスクと対策
一方,上記対策を行えても異常が,ある程度顕在化してから対応することとなり,少なからず生産への影響を与える可能性がある。そこで,故障の起点となる要因を排除する目的で,生産作業従事者へトラブルにつながるような作業をしないよう教育する。そうすることで,設備の故障となる大きな要因を排除できる。
5.技術者の倫理および社会持続可能性の要件・留意点
5.1技術者倫理
企業の利益を追求するだけでなく,常に公益を最優先する。そのために,設備の健全稼働を第一に努める。
5.2社会持続可能性
社会持続可能性を維持するため,地球環境への負荷を低減させる。そのために,設備の油や化学物質の外部流出のリスクのような地球環境へ多大な影響がある部位には冗長性を持たせる構造とする。以上

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代表:横浜すばる
技術士(建設部門ー施工計画、施工設備及び積算) (総合技術監理部門)

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