令和4年度技術士建設部門鉄道Ⅱー1-4 論文添削

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問題

Ⅱー1ー4鉄道騒音における主要な音源を3つ以上挙げ,それぞれの内容について簡潔に説明せよ。併せて,鉄道において有効と考えられる複数の騒音対策について簡潔に説明せよ。
参考:日本技術士会

解答

( 1 ) 主 要 な 音 源
 1 つ 目 は 転 動 騒 音 で あ る 。 主 に レ ー ル の 継 ぎ 目 部 や 波状 摩 耗 等 に よ り 頭 頂 面 に 生 じ た 凹 凸 上 を 列 車 の 車 輪 が 走行 し た 際 に 発 生 す る 。
  2 つ 目 は 構 造 物 騒 音 で あ る 。 列 車 の 走 行 に よ り 生 じ たレ ー ル へ の 衝 撃 が 構 造 物 に 伝 わ り 発 生 す る 。
 3 つ 目 は 空 力 騒 音 で あ る 。 列 車 が 空 気 と 衝 突 す る こ とで 発 生 す る 。 速 度 が 速 く な る ほ ど 大 き く な る 。
 4 つ 目 は ト ン ネ ル 微 気 圧 波 で あ る 。 高 速 走 行 す る 新 幹線 が ト ン ネ ル に 侵 入 す る 際 に 発 生 す る 。
( 2 ) 騒 音 対 策
  1 つ 目 は ロ ン グ レ ー ル 化 で あ る 。 継 ぎ 目 部 が 減 る た め転 動 騒 音 を 軽 減 で き る 。 軸 力 が 大 き く な り 座 屈 が 発 生 しや す い た め 、 伸 縮 継 目 を 採 用 し 、 敷 設 後 は 等 間 隔 に 印 を付 け て ふ く 進 が 生 じ て い な い か 管 理 す る 。 ま た 、 予 防 保全 の 考 え 方 で 頭 頂 面 の 凹 凸 が 大 き く な る 前 に レ ー ル 削 正を 行 う こ と で 、 転 動 騒 音 を 軽 減 で き 、 維 持 管 理 費 削 減 にも つ な が る 。
 2 つ 目 は 弾 性 ま く ら ぎ 直 結 軌 道 で あ る 。 コ ン ク リ ー ト道 床 上 に 弾 性 材 を 介 し て ま く ら ぎ を 設 置 す る こ と で 、 構造 物 騒 音 を 軽 減 で き る 。 騒 音 の 基 準 値 を 上 回 る 場 合 は 消音 バ ラ ス ト や フ ロ ー テ ィ ン グ ス ラ ブ を 検 討 す る 。
 3 つ 目 は ト ン ネ ル 緩 衝 工 で あ る 。 ト ン ネ ル 坑 口 に 設 置す る こ と で 、 ト ン ネ ル 微 気 圧 波 を 小 さくできる。

解説

この論文はⅡー2と合わせてB判定だった論文です。
出来栄えとしては悪くありませんが高得点は取れていない模様です。
この論文では2つのことが求められています。

鉄道騒音における主要な音源を3つ以上挙げ,それぞれの内容について簡潔に説明せよ。

求められているものは「音源」です。
しかしこの解答では以下のように書いてあります。

1 つ 目 は 転 動 騒 音 で あ る 。
2 つ 目 は 構 造 物 騒 音 で あ る 。
3 つ 目 は 空 力 騒 音 で あ る 。
4 つ 目 は ト ン ネ ル 微 気 圧 波 で あ る 。

問われているのは「音源」であって「騒音」ではないのです。
この論文がB判定になっているのは単純にそれだけです。
書き方としては「○○に起因する音源である」と書けばいいだけです。

続いて求められていることの2つ目は以下になります。

併せて,鉄道において有効と考えられる複数の騒音対策について簡潔に説明せよ。

「併せて」と書かれています。
何と併せるかといえば「音源」です。

1 つ 目 は ロ ン グ レ ー ル 化 で あ る 。
2 つ 目 は 弾 性 ま く ら ぎ 直 結 軌 道 で あ る 。
3 つ 目 は ト ン ネ ル 緩 衝 工 で あ る 。


音源は4つあるのに騒音対策は3つです。
どれとどれが併せていつのかも不明です。
この論文がB判定になっているのは単純にそれだけです。
書き方としては「○○に起因する音源に対しては▲▲の騒音対策が有効である。」と書けばいいだけです。

大きな減点はありませんが60点以下の論文です。
指摘した事項を修正できれば80点以上の得点をとれていると思われます。
非常に残念な論文です。
試験本番では解答の内容よりも、問われていることに対して忠実に解答するように心がけてください。

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この記事を書いた人

横浜すばる技術士事務所代表
技術士(建設部門ー施工計画、施工設備及び積算) (総合技術監理部門)
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