設問Ⅱー1ー33
環境影響評価法に基づく環境影響評価の手続き等に関する次の記述のうち,最も適切なものを選び答えよ。
① 事業者は,作成した環境影響評価方法書を,関係する都道府県知事だけでなく関係市町村長にも送付しなければならない。
② スコーピングとは,開発事業を環境アセスメントの対象とするかどうかを決める手続きのことである。
③ 事業者は,環境影響評価書を作成し,公告・縦覧した上で,住民への説明会を開催し,意見を求めなければならない。
④ 原子力発電所は,特別の法律によって手続きが規定されていることから,環境影響評価法の対象外である。
⑤ 国が行う国道改築事業及びダム事業は,すべて第一種事業である。
【解説】正解① 青本195ページ環境アセスメントからの出題です。
出題頻度の高い問題なので確実に得点する必要があります。
②スコーピングではなく、スクリーニングです。よくこの2つは引掛け問題で出題されます。スクリーニングとは直訳すると「選別する」という日本語になります。スコーピングとは「検討範囲の絞りこみ」という日本語になります。
③環境アセスメントではまず環境影響方法書を作成し、次に環境影響評価準備書を作成し、最後に環境影響評価書を作成します。住民や地方公共団体に意見を求めるのは、環境影響方法書と環境影響準備書になります。環境影響評価書は調査・予測の評価であるので、基本的に意見を求める必要がありません。
④発電所の建設は第1種事業になります。必ず環境アセスメントを実施する必要があります。
⑤すべて⇒限定している文章は間違いです。例外のないものはありません。
設問Ⅱー1ー34
新エネルギー法(新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法)では,石油代替エネルギーを製造,発生,又は利用することや,電気を変換して得られる動力を利用することのうち,経済性の面における制約から普及が十分でなく,その促進を図ることが石油代替エネルギーの導入を図るため特に必要なものを「新エネルギー利用等」として政令で定めている。次のうち,この「新エネルギー利用等」に該当しないものを選び答えよ。
① 太陽電池を利用して電気を発生させること
② 太陽熱を給湯,暖房,冷房に利用すること
③ 風力を発電に利用すること
④ バイオマス又はバイオマスを原材料とする燃料を発電に利用すること
⑤ 海洋の表層と深層の温度差を発電に利用すること
【解説】正解⑤ 青本外で新エネルギー法からの出題です。
青本外ですが最近よく出題されています。
新エネルギーはバイオマス、太陽熱利用、雪氷熱利用、地熱発電、風力発電、太陽光発電
になります。
新エネルギーの定義は「技術的に実用段階に達しつつあるが、経済性の面での制約から普及が十分でないもので、非化石エネルギーの導入を図るために必要なもの」になっています。これ以外のものは代替エネルギーであっても、この定義に入らないということになります。
設問Ⅱー1ー35
日本における循環型社会形成のための施策等に関する次の記述のうち,最も適切なものを選び答えよ。
① 循環型社会形成推進基本法では,(ⅰ)発生抑制,(ⅱ)再生利用,(ⅲ)再使用,(ⅳ)熱回収,(ⅴ)適正処分,といった5段階の優先順位に基づき廃棄物処理やリサイクルを行うよう明記している。
② 個別物品の特性に応じた規制であるリサイクル関連法令としては,いわゆる容器包装リサイクル法,家電リサイクル法,食品リサイクル法,建設資材リサイクル法,自動車リサイクル法の5つの法律がある。
③ オフィスや飲食店から発生するすべての事業系ごみは,廃棄物処理法における産業廃棄物に分類される。
④ 平成20年度における全国の産業廃棄物の総排出量は約4億トンであり,そのうち最終処分量は約8,000万トン(約20%)である。
⑤ 産業廃棄物管理制度(いわゆるマニフェスト制度)は,特別管理産業廃棄物に限って適用されている。
【解説】正解② 青本180~184ページ循環型社会形成からの出題です。
出題頻度の高い問題なので確実に得点する必要があります。
①再生利用と再使用の順番が逆です。
③すべての事業系⇒限定している文章はその時点で間違いです。
④最終処分量は4,500万t(11%)です。青本183ページ
⑤特別管理産業廃棄物に限って適用⇒限定している文章はその時点で間違いです。
設問Ⅱー1ー36
地球温暖化等に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選び答えよ。
① 世界の中でエネルギー起源二酸化炭素排出量(2007年)の最も多い2か国は,中華人民共和国とアメリカ合衆国である。
② メタンは,京都議定書において対象とする地球温暖化の原因となる温室効果ガスの一つである。
③ クリーン開発メカニズム(CDM)とは,先進国が開発途上国内で排出削減等のプロジェクトを実施し,その結果の削減量・吸収量を排出枠として先進国が取得できる制度である。
④ 2010年に日本は,条件付で温室効果ガスを2020年までに1990年比で25‰削減するとの目標を気候変動枠組条約事務局に提出した。
⑤ 2011年4月1日時点で,アメリカ合衆国とロシア連邦は京都議定書を批准していない。
【解説】正解⑤ 青本外から地球温暖化についての出題です。
2004年に、ロシア連邦が批准(ひじゅん)したことにより、2005年2月16日に「京都議定書」は発効されました。ロシアは批准(ひじゅん)しています。
知らないと解けない問題です。
設問Ⅱー1ー37
日本における環境経営についての次の(ア)~(オ)の記述のうち,適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。
(ア)環境経営とは,環境に関する企業の取り組みを新たな競争力の源泉としてとらえ,効率的に企業活動を行うことである。
(イ)環境管理システムは,一般的に環境方針,計画,実施及び運用,点検及び是正処置で構成されており,環境管理を体系的に運用するための仕組みである。
(ウ)環境配慮を進めていく際には自らが発生させている環境への負荷や環境パフオーマンスを的確に把握し,評価することが重要である。
(エ)エコアクション21(環境活動評価プログラム)は,大企業の環境経営推進のために環境省が策定したものである。
(オ)環境経営の側面を組織の外部から評価するビジネスモデルの一つとして,エコファンドがある。
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5
【解説】正解④ 青本178ページ環境経営からの出題です。
(エ)エコアクション21は中小企業の環境経営推進のために環境省が策定したものです。
知らないと解けません。
設問Ⅱー1ー38
LCA (ライフサイクル・アセスメント)に関する次の(ア)~(オ)の記述のうち,不適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。
(ア)LCAは,企業の環境に関する活動の評価方法の一つであり,物量値で評価する。
(イ)ライフサイクル・インベントリ分析において,リサイクル工程が関係している場合では,そのリサイクルループにはオープンループとクローズドループの2種類がある。
(ウ)LCAにおいては対象とする環境負荷として,熱排出量が用いられることが最も多い。
(エ)LCAの手法には産業連関法,積み上げ法の2種類が広く用いられている。
(オ)影響評価とは製品が環境に影響を及ぼす度合の評価を実施するもので,分類化,特性化,重み付けという3つの要素が区別されている。
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5
【解説】正解① 青本200ページLCA(ライフサイクル・アセスメント)からの出題です。出題頻度の高い分野ですが難問です。
(ウ)×熱排出量ではなくCO2です。青本P201
設問Ⅱー1ー39
環境中に残留することにより被害や悪影響が懸念される残留性有機汚染物質(POPs : Persistent Organic Pollutants)の廃絶,削減,適正処理等を定めたPOPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)が対象とする物質についての説明で,最も不適切なものを選び答えよ。
① 人の健康や生態系に対し有害な毒性があること
② 土壌等に留まり長期間にわたり放射線を出す性質を持つこと
③ 生物蓄積性すなわち生物の体内にたまりやすい性質を持つこと
④ 国境を越えて拡散するといった長距離移動性を持つこと
⑤ 難分解性といわれる,環境中で分解しにくい性質を持つこと
【解説】正解② 青本外から残留性有機汚染物質についての出題です。
POPs(ポップス)
○環境中で分解しにくい(難分解性)
○食物連鎖などで生物の体内に蓄積しやすい(高蓄積性)
○長距離を移動して、極地などに蓄積しやすい(長距離移動性)
○人の健康や生態系に対し有害性がある(毒性)
放射性物質は残留性有機汚染物質ではありません。
設問Ⅱー1ー40
環境マネジメントシステムに関する国際規格であるIS014000シリーズにおいて全て規格化されている組合せを選び答えよ。
① ライフサイクル・アセスメント 環境パフォーマンス評価 環境ラベル
② ライフサイクル・アセスメント 環境コミュニケーション 環境広告
③ 環境パフォーマンス評価 環境ラベル 環境会計
④ 環境コミュニケーション 環境ラベル 環境広告
⑤ 環境コミュニケーション 環境会計 環境広告
【解説】正解① 青本219ページISO14000シリーズ(環境マネジメントシステム)からの出題です。
ISO 14040シリーズ ライフサイクルアセスメント (LCA)
ISO 14030シリーズ 環境パフォーマンス評価 (EPE)
ISO 14020シリーズ 環境ラベル (EL)
設問は技術士会ホームページよる参照しています。
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