総監択一高得点シリーズ:平成23年度解答と解説【安全管理】

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設問Ⅱー1ー25

安全管理手法としてのリスク管理に関する次の(ア)~(オ)の記述のうち,適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ
(ア)リスク管理では,組織に潜在する多様なリスクに対する管理の基本的な考え方を示し, 組織全てで周知・共有することが重要である。
(イ)ハザードを特定し,シナリオ分析によるリスクの見積りを行うことをリスク特定という。
(ウ)一般にリスク=発生確率×被害規模で表され,発生確率や被害規模が異なっても,リスク値が同じであれば,同等のリスクと認定すべきである。
(エ)リスクの対応には,リスク保有,リスク低減,リスク回避,リスク移転が考えられ,リスク回避の例として,リスクを保有する代わりに保険を掛ける場合がある。
(オ)リスク管理を実施するには,様々なバイアスにより影響を受けるリスク認知の検討が必要である。

① 0  ② 1  ③ 2  ④ 3  ⑤ 4

【解説】正解③ 青本133~139ページリスク管理のからの出題です。
青本からの出題なので得点する必要があります。
(イ)ハザードを特定し,シナリオ分析によるリスクの見積りを行うことはリスク解析になります。青本P131
(ウ)リスクが同じ場合、被害規模が大きいもののほうが重要なリスクと認定される場合が多い。青本P134
(エ)保険を掛けるのはリスク移転になります。

設問Ⅱー1ー26

リスクの社会的受容を判断するためのリスクコミュニケーションを進める上で次の(ア)~(オ)の記述のうち,適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。
(ア)直接対話はえてして感情的になりやすいので,リスクコミュニケーションの媒体は印刷物や電子メディアの利用に限定する。
(イ)専門家やNGOなどの中立的な第三者を仲介して,送り手の信頼性を高める。
(ウ)地域の有力者を説得して,地域住民との対話の席で推進の立場を表明して貰い,反対派の住民が反対意見を述べにくい状況を作る。
(エ)対象のリスクの被害規模の社会的甚大さを説明せず,「起こる可能性は極めて小さいのでリスクを受容しても安全である。」という広報活動を行う。
(オ)対象にはネガティブな側面があることも公正に伝え,正負両面を考慮してリスクの社会的受容を判断してもらう。

① 0  ② 1  ③ 2  ④ 3  ⑤ 4

【解説】正解③ 青本140~141ページリスクコミュニケーションと社会的授与からの出題です。
青本からの出題なので得点する必要があります。
(ア)×:直接的な対話がないと話が一方通行になり、コミュニケーションが成立しなくなります。
(ウ)×:リスクコミュニケーションはリスクの性質、大きさ、重要性、その制御に関して利害関係のある者が情報を交換することです。一方的に反対派の意見をさえぎるものではありません。
(エ)×:そもそもウソをついているので、常識的に間違いになります。

設問Ⅱー1ー27

危機管理においては,そのときの状況に応じた柔軟な対応が必要である。その一方で,そのよりどころとなる危機管理マニュアルを事前に策定しておくことは混乱を防ぐための重要な対策となる。危機管理マニュアルの作成に関する次の(ア)~(オ)の記述のうち,不適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。
(ア)緊急事態が発生した際に柔軟な対応が可能なように,詳細なマニュアルは作成しない。
(イ)緊急事態が収束した後の復旧や,できるだけ早く平常状態に戻すための対策もマニュアルに含める。
(ウ)マニュアルは必要に応じて更新される仕組みとする。
(エ)マニュアルの実効性を持たせるため,実施のための判断基準を記載する。
(オ)不測の事態として考えられる事態のうち,テロは組織では対応できないため危機管理マニュアルに含める必要はない。

① 1  ② 2  ③ 3  ④ 4  ⑤ 5

【解説】正解② 青本159ページ危機管理マニュアルからの出題です。
ほとんど常識を問われているような問題です。
(ア)×:そもそも詳細なマニュアルは作成しないなどというネガティブなものが適切なものになるはずがありません。
常識で考えて間違っているものは不適切になります。
(オ)×:できないので必要ないのであれば、問題になるはずはありません。
これも常識的に考えて不適切です。

設問Ⅱー1ー28

安全を議論し,それを有効なものにするため,「絶対安全」と「リスクを基準とする安全評価」という異なった意識について議論すべきであるとの指摘がある。これに関する次の(ア)~(オ)の記述のうち,不適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。
(ア)どんなに確率は低くても,事故は起こりうるものとして,リスク対応を検討する。
(イ)リスクがどの程度あるかという事を常に考える「リスク評価」の思想は,我が国においてもその定着が望まれる。
(ウ)絶対に安全であるか否かと言った議論をしている限り,安全とは言い切れないものが「絶対安全」の掛け声でまかり通る危険さえありうるので注意が必要である。
(エ)安全性を議論すること自体がその事項の危険性を意味すると危惧して,安全の議論や説明をさけて「絶対安全」といってしまうことがあるので注意が必要である。
(オ)リスクを明らかにし,隠さず共有し,論理的な議論を重ねることで社会的なコンセンサスを形成していくことが大切である。

① 0  ② 1  ③ 2  ④ 3  ⑤ 4

【解説】正解① 青本外からの出題ですが、安全についての基本的な考えを問われています。安全に対する常識的な考えを問われている問題です。

設問Ⅱー1ー29

次の(ア)~(エ)の精神的な疾患とその症状を説明するA~Dの組合せとして 最も適切なものを①~⑤の中から選び答えよ。
(ア)PTSD  (イ)うつ病  (ウ)統合失調症 (エ)強迫性障害
A 強い「不安」や「こだわり」によって日常に支障が出る病気
B 脳のさまざまな働きをまとめることが難しくなるために,幻覚や妄想などの症状が起こる病気
C 「ゆううつな気分」や「気持ちが重い」といった抑うつ状態がほぼ一日中あってそれが長い期間続く病気
D とても怖い思いをした記憶がこころの傷となり,そのことが何度も思い出されて,恐怖を感じ続ける病気
   (ア) (イ)  (ウ)  (エ)
①   A    B    D    C
②   A    C    B    D
③   D    C    A    B
④   D    C    B    A
⑤   B    A    D    C

【解説】正解④ 青本148ページ職業病とメンタルヘルスからの出題です。
青本には直接的な説明がないので、知らないと解けません。
PTSD
とても怖い思いをした記憶がこころの傷となり、 そのことが何度も思い出されて、恐怖を感じ続ける病気です。
うつ病
精神障害の一種であり、抑うつ気分、意欲・興味・精神活動の低下、焦燥(しょうそう)、食欲低下、不眠などを特徴とする精神疾患です。
統合失調症
幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。
強迫性障害
自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない、わかっていながら何度も同じ確認をくりかえしてしまう精神疾患です。

設問Ⅱー1ー30

Ⅱ-1 -30 下図に示すシステム全体の信頼度を計算し,最も近い値を①~⑤の中から選び答えよ。
 サブシステムA,Bの信頼度はそれぞれ0.900,サブシステムC,Dの信頼度はそれぞれ0.800とし,直列配置の場合はそれぞれが正常でなければ動作せず,並列配置の場合はいずれかが正常であれば動作するものとする。ただし,サブシステムA,B,C,Dは互いに独立とする。

システム

①0.518 ②0.720 ③0.922 ④0.932 ⑤0.960

【解説】正解③ 青本169ページシステム信頼度解析からの出題です。
繰り返し出題されている問題なので確実に得点する必要があります。
サブシステムのiの信頼度をqi、システムの信頼度をQとすると
直列システム:Q=q1×q2×・・・・・・×qn
並列システム:Q=1-(1-q1)×(1-q2)×・・・・・×(1-qn)
サブシステムACは直列なので信頼度は0.900×0.800=0.720
サブシステムBDは直列なので信頼度は0.900×0.800=0.720
この2つが並列なので1-(1-0.720)×(1-0.720)=0.922

設問Ⅱー1ー31

次の特徴を持つシステム安全工学手法として,最も適切なものを①~⑤の中から選び答えよ。
・ どのような事故に進展する可能性があるかを論理的に求められる。
・ 事故が発生するまでのシナリオを明らかにすることができる。
・ 二者択一の論理構成なので部分的な故障を考慮できない。
① フォールトツリー手法   ② イベントツリー手法
③ HAZOP手法      ④ FMEA
⑤ チェックリスト方式

【解説】正解② 青本161ページシステム安全工学手法からの出題です。
出題頻度の高い問題なので確実に得点する必要があります。


フォールトツリー手法(FTA)
「フォールトの木解析」「故障の木解析」などとも呼ばれて、事故や故障(フォールト)の原因を階層的(ツリー)に分析する手法。


イベントツリー手法(ETA)
事故や故障などの初期事象(イベント)から、どのような災害になるかを分析する手法。


HAZOP手法 
危険シナリオ分析手法の一つで 化学プロセスにおける複数の独立した事象が複雑に絡む故障を取り扱うために開発された手法。
 特に設計仕様(例えば、温度、圧力、PH、攪拌、反応)から逸脱した運転を行なった際の、設計からのズレが発生する箇所およびそこで発生するハザードとその原因を解析し、それぞれの原因から危険事象への進展を阻止するための防護機能と改善すべき対策を調査する手法として用いられる


FMEA(故障モード影響解析)
製品またはプロセスについて、問題が発生する前に問題(故障モード)を識別し、予防する体系的な手法

設問Ⅱー1ー32

従業員数350人,従業員1人当たりの年間平均就業時間1,800時間のA工場では,平成22年の事故の発生件数は1件であった。その事故で従業員2名がそれぞれ10日及び5日休業(ともに一時労働不能)する労働災害となった。A工場の平成22年における労働災害の発生頻度を表す度数率と労働災害の重さの程度を表す強度率を求め,その最も近い値の組合せを①~⑤の中から選び答えよ。ただし,一時労働不能の労働損失日数は,上記の休業日数に300/365を乗じた日数とする。
度数率    強度率
① 1.59    19.57
② 1.59     0.02
③ 1.93     0.03
④ 3.17    19.57
⑤ 3.17     0.02

【解説】正解⑤ 青本147ページ労働災害と災害統計からの出題です。
出題頻度の高い問題なので確実に得点する必要があります。


度数率(労働災害の発生頻度を表す)
 100万延実労働時間当たりの労働災害による死傷者数
 =(1,000,000)÷(延実労働時間数)×(労働災害による死傷者数)
 =(1,000,000)÷(350人×1800時間)×2人
 =3.17


強度率(労働災害の重さの程度を表す)
 1,000延実労働時間当たりの災害のために失われた延労働損失日数
 =(1,000)÷(延実労働時間数)×(延労働損失日数)
=(1,000)÷(350人×1800時間)×(10日+5日)
 =0.024

参考:日本技術士会HP

太陽です

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この記事を書いた人

横浜すばる技術士事務所代表
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