二次試験受験を決意してから筆記試験前日までの過ごし方

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目次

技術士二次試験の日程

技術士二次試験の受験の決意をしたら、試験の日程とスケジュールを確認します。
同時に試験地も確認します。
例年以下のようになっています。

日程

■試験日程の発表
11月
■受験申込書等配布期間
3月下旬~4月中旬
■受験申込受付期間
4月上旬~4月中旬
■試験地及び試験会場の発表
6月中旬
■筆記試験
7月中旬
■筆記試験合格発表
10月下旬~11月上旬
■口頭試験
12月中旬~1月中旬のうちのあらかじめ受験者に通知する日
■口頭試験合格発表
3月上旬~中旬

試験地

■筆記試験
北海道、宮城県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県及び沖縄県
■口頭試験
東京

日程に関しては技術士会ホームページ「技術士二次試験の実施について」で確認します。
この案内は毎年11月中旬頃に公表されます。
必ずご自身でホームページを確認しましょう。
そして手帳に予定を記入して、日程を空けておきます。
筆記試験の受験地は自分で選べます。
なるべくお住まいの近くの受験地で受験することをお勧めします。
口頭試験は東京です。
1年間を通しての試験のイメージを頭の中に入れておきましょう。

参考:日本技術士会

受験資格

修習技術者(技術士補となる資格)を有し、次の経路①、経路②、経路③のいずれかに該当することが求められています。
■経路①
 技術士補として技術士を補助したことがある者で、その補助した期間が通算して次に定める期間((2)の期間を算入することができる。)を超える者。
・総合技術監理部門を除く技術部門 4年
・総合技術監理部門 7年
■経路②
 科学技術(人文科学のみに係るものを除く。)に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く。)又はこれらに関する指導の業務を行う者(注1)の監督(注2)の下に当該業務に従事した者で、その従事した期間が技術士補となる資格を有した後、通算して次に定める期間((1)の期間を算入することができる。)を超える者。
・総合技術監理部門を除く技術部門 4年
・総合技術監理部門 7年
(注1)7年を超える業務経験を有し、かつ受験者を適切に監督することができる職務上の地位にある者。
(注2)受験者が技術士となるのに必要な技能を修習することができるよう、指導、助言その他適切な手段により行われるもの。
■経路③
 科学技術(人文科学のみに係るものを除く。)に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く。)又はこれらに関する指導の業務に従事した期間が通算して次に定める期間を超える者。
・総合技術監理部門を除く技術部門 7年
・総合技術監理部門 10年(既に総合技術監理部門以外の技術部門について技術士となる資格を有する者にあっては7年)
なお、(1)~(3)のいずれにおいても学校教育法による大学院修士課程(理科系統のものに限る。)若しくは専門職学位課程(理科系統のものに限る。)を修了し、又は博士課程(理科系統のものに限る。)に在学し、若しくは在学していた者にあっては、2年を限度として、当該期間からその在学した期間を減じた期間とする。

実務経験とは「科学技術(人文科学のみに係るものを除く。)に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く。)又はこれらに関する指導の業務」の経験です。
科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項である必要があります。
補助的業務は該当しません。
また内容は「計画、研究、設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く。)又はこれらに関する指導」が求められています。
これらの受験資格を満足していないと、技術士二次試験は受験できません。
技術士二次試験を受験しようと決意したら、これらの要件を満足しているか否かを確認しましょう。

受験の申込み

技術士二次試験の受験を決意したら、そのための準備が必要です。
まず最初にすることは受験の申込みです。
申込みは例年4月上旬から4月の中旬までです。
この期間に受験の申込みを行います。
受験の案内は3月頃技術士会のホームページよりダウンロードできます。
内容は毎年同じなので、早めに受験案内を入手してよく読んで申込書を事前に作成しておきます。
受験の案内はこちらを参考にしてください

「受験申込み案内」はよく読んで理解して、案内に沿って申込書を作成します。
特に受験資格を証明する「実務経験証明書」は細心の注意を払い作成します。
記述した内容が「技術士としてふさわしくない」と判断されたら不合格になります。
申込時に「実務経験証明書」の詳細まで確認はされないと思われます。
詳細を確認するのは「口頭試験」になります。
「実務経験証明書」見ただけで、受験資格を確実にみたしていると判断できる証明書を提出するのが望ましいです。
少なくとも明らかに受験資格を有していないと考えるものは不合格に直結します。

このような状況を回避するには、受験を決意したらなるべく早めに「実務経験証明書」の書き方を指導してもらうことです。
受験対策のプロの指導を受けることをお勧めします。
書き方を指導してもらい、自分自身の「実務経験証明書」を添削してもらいましょう。

「受験申込み案内」はその他にも重要なことが明記しれています。
試験の方法や採点基準が明記されています。
技術士二次試験を何回も受験して不合格を繰り返している人は、この「受験申込み案内」を熟読していません。
重要なことが書いてあるのに熟読をしていないから、何回も不合格を繰り返すのです。
技術士二次試験の受験を決意したら「受験申込み案内」を熟読して、受験資格を明確に満たしていると考えられる「実務経験証明書」を作成しましょう。

試験科目

総合技術監理部門を除く技術部門の必須科目及び選択科目は、いずれも記述式により行います。
総合技術監理部門の必須科目は択一式及び記述式により、選択科目は記述式により行います。
総合技術監理部門はすでに総合技術監理部門を除く技術部門を取得している前提で行われます。
総合技術監理部門を除く技術部門を取得していない場合は、翌日に総合技術監理部門を除く技術部門を受験することになります。

総合技術監理部門を除く技術部門

Ⅰ 必須科目
「技術部門」全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの
記述式:600字×3枚(2 問出題 1 問選択解答)
解答時間:2時間(10:00~12:00)
配点:40点
合格基準:6割以上

Ⅱ 選択科目
「選択科目」についての専門知識及び応用能力に関するもの
記述式:600字×3枚
解答時間:選択科目Ⅲとあわせて3時間30分(13:00~16:30)
配点:30点
合格基準:選択科目Ⅲとあわせて6割以上

Ⅲ 選択科目
「選択科目」についての問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの
記述式:600字×3枚
解答時間:選択科目Ⅱとあわせて3時間30分(13:00~16:30)
配点:30点
合格基準:選択科目Ⅱとあわせて6割以上

総合技術監理部門

Ⅰ 必須科目
「総合技術監理部門」に関する課題解決能力及び応用能力
択一式:40問出題・全問解答 2時間(10:00~12:00) 50点
記述式:600字×5枚以内 3時間30分(13:00~16:30) 50点
合格基準:択一式・記述式あわせて6割以上

Ⅱ 選択科目
(他の20の技術部門の必須科目及び対応する選択科目のうちあらかじめ選択する1科目)
すでに必須科目に対応する選択科目に合格している場合は免除されます。
1 選択した「技術部門」全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの
2 選択した技術部門に対応する「選択科目」についての専門知識及び応用能力に関するもの
3 選択した技術部門に対応する「選択科目」についての問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの

筆記試験の内容

筆記試験の内容は非常に重要です。
理由はこれが出題範囲と採点基準になるからです。
内容は抽象的で難しく感じると思います。
しかし問題ありません。
出題者側が難しくわかりにくく書いているからです。
具体的には技術士会から公表している過去問題を参照してください。

総合技術監理部門を除く技術部門

■必須科目
「技術部門」全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの

概念
専門知識:専門の技術分野の業務に必要で幅広く適用される原理等に関わる汎用的な専門知識
応用能力:これまでに習得した知識や経験に基づき、与えられた条件に合わせて、問題や課題を正しく認識し、必要な分析を行い、業務遂行手順や業務上留意すべき点、工夫を要する点等について説明できる能力
問題解決能力及び課題遂行能力:社会的なニーズや技術の進歩に伴い、社会や技術における様々な状況から、複合的な問題や課題を把握し、社会的利益や技術的優位性などの多様な視点からの調査・分析を経て、問題解決のための課題とその遂行について論理的かつ合理的に説明できる能力

出題内容
現代社会が抱えている様々な問題について、「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から、多面的に課題を抽出して、その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。

評価項目
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち、専門的学識、問題解決、評価、技術者倫理、コミュニケーションの各項目

■Ⅱ 選択科目
1.「選択科目」についての専門知識に関するもの
概念
「選択科目」における専門の技術分野の業務に必要で幅広く適用される原理等に関わる汎用的な専門知識

出題内容
「選択科目」における重要なキーワードや新技術等に対する専門知識を問う。

評価項目
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち、専門的学識、コミュニ
ケーションの各項目

2.「選択科目」についての応用能力に関するもの
概 念
これまでに習得した知識や経験に基づき、与えられた条件に合わせて、問題や課題を正しく認識し、必要な分析を行い、業務遂行手順や業務上留意すべき点、工夫を要する点等について説明できる能力

出題内容
「選択科目」に関係する業務に関し、与えられた条件に合わせて、専門知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき、業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるかどうかを問う。

評価項目
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち、専門的学識、マネジメント、リーダーシップ、コミュニケーションの各項目

■Ⅲ 選択科目
「選択科目」についての問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの
概 念
社会的なニーズや技術の進歩に伴い、社会や技術における様々な状況から、複合的な問題や課題を把握し、社会的利益や技術的優位性などの多様な視点からの調査・分析を経て、問題解決のための課題とその遂行について論理的かつ合理的に説明できる能力

出題内容
社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象として、「選択科目」に関わる観点から課題の抽出を行い、多様な視点からの分析によって問題解決のための手法を提示して、その遂行方策について提示できるかを問う。

評価項目
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち、専門的学識、問題解決、評価、コミュニケーションの各項目

技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)

専門的学識
・技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な,技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。
・技術士の業務に必要な,我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。
問題解決
・業務遂行上直面する複合的な問題に対して,これらの内容を明確にし,調査し,これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。
・複合的な問題に関して,相反する要求事項(必要性,機能性,技術的実現性,安全性,経済性等),それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮したうえで,複数の選択肢を提起し,これらを踏まえた解決策を合理的に提案し,又は改善すること。
マネジメント
・業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において,品質,コスト,納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項,又は成果物(製品,システム,施設,プロジェクト,サービス等)に係る要求事項の特性(必要性,機能性,技術的実現性,安全性,経済性等)を満たすことを目的として,人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。
評価
・業務遂行上の各段階における結果,最終的に得られる成果やその波及効果を評価し,次段階や別の業務の改善に資すること。
コミュニケーション
・業務履行上,口頭や文書等の方法を通じて,雇用者,上司や同僚,クライアントやユーザー等多様な関係者との間で,明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
・海外における業務に携わる際は,一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え,現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。
リーダーシップ
・業務遂行にあたり,明確なデザインと現場感覚を持ち,多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。
・海外における業務に携わる際は,多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに,プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。
技術者倫理
・業務遂行にあたり,公衆の安全,健康及び福利を最優先に考慮したうえで,社会,文化及び環境に対する影響を予見し,地球環境の保全等,次世代にわたる社会の持続性の確保に努め,技術士としての使命,社会的地位及び職責を自覚し,倫理的に行動すること。
・業務履行上,関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。
・業務履行上行う決定に際して,自らの業務及び責任の範囲を明確にし,これらの責任を負うこと。
継続研さん
・業務履行上必要な知見を深め,技術を修得し資質向上を図るように,十分な継続研さん
(CPD)を行うこと。

筆記試験対策

受験対策の準備

受験する部門と専門科目を決め受験申込の準備が終われば、筆記試験対策を行います。
筆記試験対策の準備を始めます。
受験対策の準備は簡単です。

■過去問題の入手
■模範解答の入手

基本的にこの2つを入手すれば受験対策の準備は完了です。
過去問題は技術士会のホームページで公表されています。
技術士会のホームページに公表しているということは、事前にこの過去問題を勉強しなさいという連絡になります。
受験対策をする時間を作り、何度も読んでください。
解答は作成する必要はありません。
1~2カ月くらいは過去問を何度も読んで解答すべきことを理解してください。
自分の受験する選択科目だけでなく、他の選択科目の問題も読んでください。

次に過去問題に対する模範解答を入手しましよう。
過去問題に対してどのように解答しているか、よく読んで理解します。
そして自分も試験本番で模範解答と同レベルの解答を書ければ合格することを認識してください。
模範解答を読んで理解できるようになれば、文章を暗記します。
ここでは文章の文字を一字一句丸暗記するのではなく、文章の流れを暗記します。
文章の流れが理解できれば、覚えることはそんなに難しくはありません。

そしてこの解答の暗記の量がある一定以上になれば、たいていの問題は解けるようになります。
ただし試験では同じような問題は出題されますが、全く同じ問題は出題されません。
暗記した論文をそのまま書いても合格はしません。
問題文の題意に合うように、覚えた論文を加工してください。
これをカレーライス理論と言います。

問題に対する解答の考え方

それでは具体的に問題に対する解答の組み立てを考えてみます。
令和6年度建設部門必須問題Ⅰー2について考察してみます。

Ⅰー2
我が国では,年始に発生した令和6年能登半島地震を始め,近年,全国各地で大規模な地震災害や風水害等が数多く発生しており,今後も,南海トラフ地震及び首都直下地震等の巨大地震災害や気候変動に伴い激甚化する風水害等の大規模災害の発生が懸念されているが,発災後の復旧・復興対応に対して投入できる人員や予算に限りがある。そのような中,災害対応におけるDX (デジタル・トランスフォーメーション)への期待は高まっており,既に様々な取組が実施されている。
今後, DXを活用することで,インフラや建築物等について,事前の防災・減災対策を効率的かつ効果的に進めていくことに加え,災害発生後に国民の日常生活等が一日も早く取り戻せるようにするため,復旧・復興を効率的かつ効果的に進めていくことが必要不可欠である。
このような状況下において,将来発生しうる大規模災害の発生後の迅速かつ効率的な復旧・復興を念頭において,以下の問いに答えよ
( 1 )大規模災害の発生後にインフラや建築物等の復旧・復興までの取組を迅速かつ効率的に進めていけるようにするため, DXを活用していくに当たり,投入できる人員や予算に限りがあることを前提に,技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し, それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。( ※ )
( ※ )解答の際には必ず観点を述べてから課題を示せ。
( 2 )前問( 1 )で抽出した課題のうち,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
( 3 )前問( 2 )で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。
( 4 )前問( 1 ) ( 3 )を業務として遂行するに当たり,技術者としての倫理,社会の持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。

解説
まず序文を読んでみます。
自然災害に対する復旧・復興に対する問題です。それに合わせて防災・減災の取組みにつても述べられています。これらについていかに「DX」を活用するかが設問としてあります。
続いて設問(1)を読んでみます。

( 1 ) 規模災害の発生後にインフラや建築物等の復旧・復興までの取組を迅速かつ効率的に進めていけるようにするため, DXを活用していくに当たり,投入できる人員や予算に限りがあることを前提に,技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し, それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。( ※ ) ( ※ )解答の際には必ず観点を述べてから課題を示せ。

問題文には「DXを活用していくに当たり,投入できる人員や予算に限りがある」とあるので、必ずこれに言及しないといけません。
「限られた予算と人員でDXを活用した○○○○の構築が課題である。」というような記述をしないと大きく減点される可能性があります。

解答
(1)大規模災害復旧・復興におけるDX活用の課題
①令和6年度能登半島地震は元旦に発生しており、復旧活動に携わる関係者は休暇中であった。そのため安否確認や初動連絡などに遅れが出た。また通信施設の被災や電気の断線、パソコンなどの端末の被災などで復旧に至るまでの時間を要した。BCP(事業継続計画)の観点から、限られた予算と人員でDXを活用した初動連絡体制の構築が課題である。
②大規模震災の復旧・復興は迅速な災害査定書を作成する必要がある。これらの計画書を作成するためには、被害状況の把握、被害範囲の選定、被害規模の調査などの作業が必要である。これらの作業は多くの人員を要し大量の計測機器を所持し被災直後の現地を移動・調査する必要がある。二次災害の危険性が高い。また、災害査定書の作成は短時間で大量のデータを処理する必要がある。安全・迅速で正確な災害査定書の作成の観点から、限られた予算と人員でDXを活用した災害調査手法の構築が課題である。
③大規模災害が発生した場合、被害状況の把握と並行して、早期復旧のための資機材調達や作業員の確保が必要となる。大規模な震災を想定した場合、工事範囲および資機材の物量が増大することが予想される。この場合資機材の調達は全国規模になることも考えられる。資機材調達及び人員確保の観点から、限られた予算と人員でDXを活用した調達ネットワークの構築が課題である。
(2)(1)で抽出した課題のうち一番大事なものは②DXを活用した災害調査手法の構築である。
解決策①:初期段階の被害状況の把握、被害範囲の選定、被害規模の調査には衛星・ドローンの映像データを活用する。具体的には360度画像を活用し被災施設を特定する。被害施設の特定についてはGPS機能を利用して、被災した現場の起終点、縦断、横断、寸法情報などをまとめる。これらにより迅速で安全な被害状況の把握が可能である。
②被害箇所や範囲を特定したら、被害規模を数値換算する必要がある。ドローン撮影データから点群データを活用する。このデータを被災する前の構造物のCADデータに入力する。これにより撤去箇所や復旧個所の縦断図や断面図を作成し、査定に必要な数量を算出する。これらのDX機能の購入には初期コストが掛かるため、費用対効果を十分に検討して長期のビジョンで導入計画を立てる必要がある。
③被害規模を数値換算したら、積算業務を行い、工事金額を算出する。積算業務は採用する代価や現場条件の選定に手間と経験が必要になる。DXを活用してドローン映像から入力を自動で行えるシステムを開発する。これらの業務に携わる技術員は、自身が被災した場合や通勤ルートが不通になる場合も想定される。遠隔操作ができるようにDX活用の整備を行うことが望ましい。
(3)新たに生じうるリスクとそれへの対策
近年、全国各地で大規模な災害が数多く発生している。災害はいつ何時起こるかは想定できない。大規模災害が同時多発的に発生した場合、上記の解決策のリソースが不足することが考えられる。迅速かつ効率的な復旧・復興が行えない可能性がリスクとして生じる。
このリスクへの対策については、普段からインフラの耐震化・老朽化、ハザードマップの利活用、避難指示、避難場所の選定など災害に強いまちづくりの社会資本を整備することである。
特に新規の社会資本を整備する場合には、被災した施設の復旧・復興の労力やコストと比較してより災害に強いインフラを整備することが望ましいと考える。
(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するにあたり、技術者として倫理、社会の持続性の観点から国民経済の発展に大きく寄与しているという自覚が必要となる要件だと考える。科学技術は専門性が高く、取り扱いを間違えると国民の生命や財産を脅かすことがある。この論文にある解決策は取り扱いを間違えると将来への負の遺産になる可能性がある。また社会資本整備は現世代だけでなく、次世代にも利益を与え、持続性のあるものとして整備する必要がある。我々技術者は高い倫理観を持ち国民の生命と財産を預かり、次世代へ持続可能な社会整備をすることを留意する。以上。

合格する論文とは

合格する論文を書くことは難しいことではありません。
基本的に減点されることをしなければいいのです。
減点されないためには次のことを守ってください。

①問題文を読んで、問題文で要求されていることを書くこと
②その内容が間違ってないこと
③内容が読んで理解できること
④文字数を満たしていること

基本的にこれを守れば点数を引くことはできません。

点数を稼ぐのではなく、減点されるようなことをしなければいいのです。
この4つを念頭に置いてください。
不合格になる人はこの4つを念頭に置いていません。

不合格者の論文の共通点は次の3つです。

①論文の内容は技術的に高いことを書かなければならない
②国土交通白書の内容を加味しないといけない
③自分の書きたいことを書く

技術士二次試験は決して難しい試験ではありません。
出題者が要求していることを書けば合格します。
出題者が要求していることを書いていなければ不合格になります。
単純にこれだけの試験です。

勉強時間

合格するためには、過去問題と模範解答の熟読を繰り返すことです。
これを平日毎日最低30分程度おこなってください。
可能であれば1時間勉強してください。

勉強する時間帯は自分で決めます。
たとえば
「片道30分の通勤電車の中で勉強する。」
「お昼の休憩時間に勉強する。」
「朝30分会社に早出して勉強する。」
というような感じになります。

平日毎日30分勉強すれば、1か月で20日×0.5時間=10時間勉強することになります。
1年だと10時間×12カ月=120時間勉強したことになります。
仮に毎日平日1時間勉強すれば1年で240時間です。
これを3年程度続ければ720時間になります。
技術士に限らずたいていの試験は合格するでしょう。

まず平日毎日30分勉強する時間を確保してみてください。

まとめ

技術士二次試験は決して難しい試験ではありません。
正しい試験対策をすれば必ず合格する試験です。
合格しないのは、受験対策が間違っているからです。
そのことに気がつき、地道な努力を続ける人が合格する試験なのです。

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技術士受験といえば「横浜すばる技術士事務所」
これを読むだけで、
合格する論文が
書けるようになる!

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この記事を書いた人

横浜すばる技術士事務所
代表:横浜すばる
技術士(建設部門ー施工計画、施工設備及び積算) (総合技術監理部門)

技術士一次試験、技術士二次試験、技術士総合技術監理部門とすべて1回で合格しました。
これは運や努力もありますが、試験に合格する技術(ノウハウ)を習得していたからすべての試験を1回で合格しました。
仕事をしながら勉強時間を確保することは大変なことです。
少ない勉強時間で効率的に学び合格するには、合格する技術を習得する必要があります。
その合格する技術を講座ではご指導させていただきます。

■当講座のポイント
当講座は「受験対策資料」「オンライン講座」「個別指導講座」の3つから構成しています。
また多様な要望にお応えするため「口頭試験講座」「無料メルマガ」「技術士副業講座」も併せて運営しています。

まず「受験対策資料」で合格する論文の書き方を習得してください。
「オンライン講座」や「無料メルマガ」でモチベーションの維持が図ります。
資料だけではわかりにくいところ、受験生が勘違いしそうな情報、試験問題の解説と論文の書き方「オンライン講座」で指導していきます。
あわせて事前にメールで頂いたご質問についても回答をさせていただきます。

合格する論文の書き方を理解したら、実際に過去問題を使用して論文を書いてみます。資料の通りに書ければ問題ありません。念のため自分の書いた論文が正しいか否かを判定するためには「個別指導講座」を受講することをお勧めします。
ここで指摘する項目をよく理解し、認知して論文を書けば合格する論文が必ず書けます。
論文の添削に回数制限はありません。
期間内であれば何度でも添削を行います。
このような講座は他に類を見ないと思います。

効率的に合格する論文を書く技術をご指導させていただきます。

■こんな方にお勧め
・合格する論文の書き方が分からない方
・仕事が忙しく遠方で対面の講座に参加できない方
・オンライン講座やオンライン面談で効率的に勉強したい方
・資格取得後の自己キャリアについて考えていきたい方
・他社の講座で成果が出なかった方
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・総合技術監理部門を受験される方
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総合技術監理部門とはどのような部門でしょうか。この問いに正確に回答できる人はほとんどいません。またこの問いに対して回答を教えている講座もありません。
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2009年に技術士講座を開講して、2024年で15年になりました。
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