設問Ⅰー1-33
循環型社会形成のための施策に関する次の(ア)~(オ)の記述のうち,適切なものの数はどれか。
(ア)循環型社会形成推進基本法では,i)発生抑制,ⅱ)再使用,ⅲ)再生利用,ⅳ)熱回収,ⅴ)適正処分といった5段階の優先順位に基づき廃棄物処理やリサイクルを行うよう明記している。
(イ)循環型社会形成推進基本法では,循環型社会の形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため,循環型社会の形成に関する基本的な計画の作成を政府に義務付けている。
(ウ)循環型社会形成推進基本法では,循環型社会の形成に向け,国,地方公共団体,事業者のそれぞれの責務を明確化しているが,国民の責務については規定していない。
(エ)廃棄物の処理及び清掃に関する法律では,廃棄物を大きく一般廃棄物と産業廃棄物の2つに区別している。
(オ)廃棄物の処理及び清掃に関する法律では,オフィスや飲食店から発生する事業系ごみはすべて産業廃棄物に分類される。
① 0 ② 1 ③ 2 ④ 3 ⑤ 4
【解説】正解④ 青本180ページ、循環型社会形成からの出題です。
(ウ)~はあるが、~はない→この文言があればほとんどが不適切です。
(環境アセスメントの第1種事業と第2種事業は例外)
(オ)すべて→この文言があればほとんどが不適切です。
設問Ⅰー1-34
LCA(ライフサイクル・アセスメント)に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
① LCAの手法の1つとして,企業全体で環境に与える負荷を物量値で測定・把握する手法がある。
② ISO及びJISの規格では,LCAは大きく分けると,目的と調査範囲の設定,インベントリ分析,影響評価,結果の解釈の4つの要素から構成されている。
③ LCAの手法としては,産業連関法と積み上げ法の2つの方法が広く用いられているが,ISO及びJISの規格は,基本的に産業連関法によっている。
④ LCAはモノである製品を対象として評価する手法であり,サービスには適用できない。
⑤ LCAで対象とする環境負荷としては,熱排出量が用いられることが最も多い。
【解説】正解② 青本200ページ、ライフサイクル・アセスメントからの出題です。
①エコバランスの記述です。
③ISOでは積上げ法による。
④サービスもLCAの対象として捉える。
⑤二酸化炭素排出量を用いる。
設問Ⅰー1-35
環境に関する用語とその説明に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① EPR : 生産者がその生産した製品が使用され,廃棄された後においても,当該製品の適正なリサイクルや処分について一定の責任を負うという考え方である。
② ESCO事業:ビルや工場の二酸化炭素排出量の削減に必要な,技術・設備・人材・資金などを包括的に提供するサービスである。
③ PPP : 廃棄物を排出する事業者は,事業活動によって生じた産業廃棄物を自らの責任において処理しなければならないという考え方の基となった原則である。
④ PRTR : 有害性のある化学物質の環境への排出量及び廃棄物に含まれている移動量を登録して公表する仕組みである。
⑤ SRI : 従来からの株式投資の尺度である企業の収益力,成長性等の判断に加え,各企業の人的資源への配慮,環境への配慮,利害関係者への配慮などの取組を評価し,投資選定を行う投資行動である。
【解説】正解② 青本177ページ、環境に関する用語からの出題です。
ESCO事業とは、ビルや工場の省エネ化に必要な、技術・設備・人材・資金などを包括的に提供するサービスである。
設問Ⅰー1-36
東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染に対処するため,いわゆる放射性物質汚染対処特措法(以下,「法」 という。)に基づいて実施されている除染に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 除染とは,生活する空間において受ける放射線の量を減らすために,放射性物質を取り除いたり,土で覆ったりすることである。
② 生活空間の放射線量は時間とともに減少するが,少しでも早く放射線量を減らすためには除染が必要である。
③ 除染特別地域とは,国が除染の計画を策定し,除染事業を進める地域として,法に基づき指定されている地域である。
④ 汚染状況重点調査地域とは,年間追加被ばく線量が一定値以上の地域を対象に,法に基づき指定されている地域である。
⑤ 健康の保護を第一に考慮し,除染は家の中を優先して行われている。
【解説】正解⑤ 青本外からの出題です。
環境省除染情報サイトには以下のようにあります。
http://josen.env.go.jp/about/tokusohou/summary.html
子どもが安心して生活できる環境を取り戻すことが重要であり、学校、公園など子どもの生活環境を優先的に除染することによって、平成25年8月末までに、子どもの年間追加被ばく線量が平成23年8月末と比べて、放射性物質の物理的減衰等を含めて約60%減少した状態を実現すること。
知らないと解けない問題です
設問Ⅰー1-37
環境基準に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 環境基本法における環境基準は,大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について定められている。
② 環境基本法における環境基準は,人の健康の保護及び生態系の保全を目標としている。
③ 環境基本法における環境基準は,維持されることが望ましい基準であり,行政上の政策目標である。
④ 環境基本法における環境基準は,常に新しい科学的知見の収集により,適切な科学的判断を加え,必要な改定をすることが求められる。
⑤ 環境基本法に基づく以外の環境基準として,ダイオキシン類の環境基準がある。
【解説】正解② 青本外からの出題です。
環境省の環境基準には以下のようにあります。http://www.env.go.jp/kijun/
環境基準について
人の健康の保護及び生活環境の保全のうえで維持されることが望ましい基準として、終局的に、大気、水、土壌、騒音をどの程度に保つことを目標に施策を実施していくのかという目標を定めたものが環境基準である。 環境基準は、「維持されることが望ましい基準」であり、行政上の政策目標である。これは、人の健康等を維持するための最低限度としてではなく、より積極的に維持されることが望ましい目標として、その確保を図っていこうとするものである。また、汚染が現在進行していない地域については、少なくとも現状より悪化することとならないように環境基準を設定し、これを維持していくことが望ましいものである。 また、環境基準は、現に得られる限りの科学的知見を基礎として定められているものであり、常に新しい科学的知見の収集に努め、適切な科学的判断が加えられていかなければならないものである。知らないと解けない問題です
設問Ⅰー1-38
環境影響評価法に基づいて行われる手続きについて,第二種事業における実施手順を時系列的に並べたときに,順序の最も適切なものはどれか。
① スコーピング⇒環境影響評価準備書の作成⇒スクリーニング⇒調査・予測等の実施⇒環境影響評価書の作成⇒事後調査
② スコーピング⇒スクリーニング⇒環境影響評価準備書の作成⇒調査・予測等の実施⇒環境影響評価書の作成⇒事後調査
③ スコーピング⇒スクリーニング⇒調査・予測等の実施⇒環境影響評価準備書の作成⇒環境影響評価書の作成⇒事後調査
④ スクリーニング⇒スコーピング⇒調査・予測等の実施⇒環境影響評価準備書の作成⇒環境影響評価書の作成⇒事後調査
⑤ スクリーニング⇒スコーピング⇒環境影響評価準備書の作成⇒調査・予測等の実施⇒環境影響評価書の作成⇒事後調査
【解説】正解④ 青本196ページ、環境アセスメントの評価対象と手続きからの出題です。
出題頻度が高い問題なので、この順番をよく理解して確実に覚えてください。
設問Ⅰー1-39
環境の経済的価値の評価手法の内容と特徴を整理した下表のA~E欄に入るべき用語・説明として,最も適切なものはどれか。
評価手法 | 顕示選好型評価 | 表明選好型評価 | |||
代替法 | トラベルコスト法 | A | B | コンジョイント分析 | |
内容 | C | 対象地までの旅行費用をもとに評価 | 環境資源の存在が地代や賃金に与える影響をもとに評価 | 環境変化に対する支払意思額や受入補償額を尋ねることで評価 | D |
長所 | 必要な情報が少ない置換する市場財の価値のみ | 必要な情報が少ない旅行費用と訪問率などのみ | 情報の入手コストが小さい地代,賃金などの市場データから得られる | 適用範囲が広い存在価値やオプション価値などの非利用価値も評価可能 | 適用範囲が広い存在価値やオプション価値などの非利用価値も評価可能 |
短所 | 環境財に相当する市場財が存在しないと評価できない | E | 適用範囲が主として地域的なものに限られる | アンケート調査の必要かおり,情報入手コストが大きい | アンケート調査の必要があり,情報入手コストが大きい |
① A:仮想評価法
② B:ヘドニック法
③ C:複数の代替案を回答者に示して,その好ましさを尋ねることで評価
④ D:環境財を市場財で置換するときの費用をもとに評価
⑤ E:適用範囲が主としてレクリエーションに関係するものに限られる
【解説】正解⑤ 青本188ページ、環境の経済的価値の評価手法からの出題です。
AとBが逆、CとDが逆になります。
設問Ⅰー1-40
我が国の温室効果ガス排出量のうち,エネルギー起源二酸化炭素排出量の近年の推移を,エネルギー転換部門,産業部門,業務その他部門,家庭部門,運輸部門の5つの部門に区分して示した下図について,(ア),(イ),(ウ)に該当する部門の組合せとして正しいものはどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | |
① | 産業部門 | 家庭部門 | 業務その他部門 |
② | 産業部門 | 運輸部門 | 家庭部門 |
③ | 運輸部門 | エネルギー転換部門 | 家庭部門 |
④ | 運輸部門 | 業務その他部門 | エネルギー転換部門 |
⑤ | エネルギー転換部門 | 産業部門 | 業務その他部門 |
【解説】正解② 青本外から部門別の温室ガス排出量の出題です。
基本的に知らないと解けませんが、常識的な感覚で解けると思います
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