総監択一高得点シリーズ:平成27年度解答と解説【経済性管理】

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設問Ⅰ-1-1

プロジェクトマネジメント及びPMBOKに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。なお,PMBOK( Guide to the Project  Management  Body of Knowledge)とは,米国プロジェクトマネジメント協会により作成されたプロジェクトマネジメントのガイドブックであり,事実上の国際標準である。

①プロジェクトは,一連の調整管理された,開始日と終了日のある活動からなる。
②プロジェクトは,時間,コスト及び経営資源の制約を含む,特定の要求事項に適合するために実施される特有のプロセスである。
③PMBOKのプロジェクトマネジメントには,Work Break downStructureの思想に基づき,プロジェクト全体を小さな部分的な仕事に分割していくという特徴がある。
④個々の仕事に対する時間やコストの管理には,過程決定計画図が用いられる。
⑤プロジェクトマネジメントでは,スコープ・マネジメント,品質マネジメント,人的資源マネジメント,リスクマネジメントなども考慮される。

【解説】正解④ 青本19ページ、プロジェクトマネジメントに関する出題です。
仮定決定計画図については出題頻度の高い問題です(青本16ページを参照)。
正しく理解し確実に得点する必要があります。
仮定決定計画図とは問題解決のための手順を有向グラフの形に表したもので、危機的状況に陥ったとき、将来起こり得るであろう重要な局面とその結果を可能な範囲で想定し、それらの局面や結果が生じる過程を矢印線で示すことによって、要所要所で的確な判断ができるようにあらかじめ準備するための手法である。

設問Ⅰー1-2

ある職場では,負荷と能力の調整のために来月の工数の計算を行い,残業の予定を見積もっている。以下に示す来月の<条件>のもとで,負荷工数(時間)から能力工数(時間)を引いた値(総残業時間)として最も近いものはどれか。
<条件>
職場の情報: 25名の作業者がおり,そのうち2名は間接作業を行う。定時では1日8時間の就業時間である。
作業の情報:作業日数20日で平均出勤率は95%である。総段取り時間として200時間を計画している。
製品の情報:1個を生産するための標準時間は3.6時間であり,1,000個の良品を生産する予定である。なお,不良率は0%とする。

①  -200時間  ② 0時間  ③ 100時間  ④ 120時間  ⑤ 300時間

【解説】正解⑤ 青本41ページ、負荷計画に関する出題です。
計算の仕方が分っていれば簡単な問題ですが、時間が取られるため解くのはすべての解答が終わってからにしましょう。
負荷工数=標準時間×生産数+段取り時間
    =3.6時間×1,000個+200時間
    =3,800時間
能力工数=就業時間×(1-間接作業率)×作業者数×出勤率
    =8時間×20日×(1-2/25)×25名×95%
    =3,496時間
負荷工数-能力工数=3,800時間-3,496時間=304時間

設問Ⅰー1-3

PFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
① PFI法では,民間の資金,経営能力及び技術的能力の3つを活用しようとしている。
② PFI法で対象とする公共施設等には,船舶,航空機等の輸送施設は含まれていない。
③ 公共施設等の整備等に関する事業を国又は地方公共団体が民間事業者へ委ねる際には,当該事業により生ずる収益が考慮されることはない。
④ 民間事業者に委ねた事業に対して,国及び地方公共団体は民間事業者への関与を最大限行うことを旨とする。
⑤ PFI法に基づいて,公共施設等の管理者等が委ねる事業を実施する民間事業者の募集に対しては,法人でない者でも応じることができる。

【解説】正解①  青本以外からPFI法についての出題です。
内閣府のHPには以下のような説明があります。
http://www8.cao.go.jp/pfi/index.html


「PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う新しい手法です。 民間の資金、経営能力、技術的能力を活用することにより、国や地方公共団体等が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供できる事業について、PFI手法で実施します。 PFIの導入により、国や地方公共団体の事業コストの削減、より質の高い公共サービスの提供を目指します。

① ○
② 船舶,航空機等の輸送施設は含まれていない⇒羽田空港などの事例があります。×
③ 当該事業により生ずる収益が考慮されることはない⇒収益が確保できないと民間業者は倒産してしまいます。常識的に考えて収益は何らかの考慮はあるでしょう。×
④ 国及び地方公共団体は民間事業者への関与を最大限行うことを旨とする⇒関与をすると民間の資金・技術能力を活用できなくなる可能性があるでしょう。×
⑤ 法人でない者でも応じることができる。⇒個人でこのような活動は常識的に考えてできないでしょう。×

設問Ⅰー1-4

JIS Q 9001 「品質マネジメントシステム-要求事項」におけるプロセスアプローチでは,プロセスにおけるPDCAの適用を考慮し,下図に示す「プロセスを基礎とした品質マネジメントシステムのモデル」によりプロセスのつながりを説明している。図中の(ア)~(オ)には以下の記述のいずれかが入るが,(ア)に入る記述として最も適切なものはどれか。
 ① 製品
 ② 経営者の責任
 ③ 測定,分析及び改善
 ④ 製品実現
 ⑤ 資源の運用管理

【解説】正解② 青本以外から品質マネジメントシステムについての出題です。
(ア) 経営者の責任
(イ) 資源の運用管理
(ウ) 製品実現
(エ) 製品
(オ) 測定、分析及び改善

設問Ⅰー1-5

製造物責任法(PL法)に関する次の(ア)~(オ)の記述のうち,適切なものの数はどれか。
(ア)製造業者等が製造,加工を行い,引き渡したものの欠陥により他人の生命,身体又は財産を侵害したときは,過失の状況により,損害を賠償する責任の有無が判断される。
(イ)この法律では製造物を,製造又は加工された動産と定義しており,単体のソフトウェアは該当しない。
(ウ)安全性にかかわらない単なる品質上の不具合は,この法律で賠償責任の根拠とされる欠陥には該当しない。
(エ)欠陥による被害がその製造物自体の損害にとどまった揚合も,この法律の対象となる。
(オ)この法律に基づいて損害賠償を受けるために消費者は「製造物に欠陥が存在していたこと」,「その欠陥によって損失を受けたこと」を証明すればよい。

①  1  ② 2   ③ 3  ④ 4  ⑤ 5

【解説】正解③  青本37ページ製造物責任法(PL法)からの出題です。
PL法は出題頻度が高いので正しく理解してください。
PL法により消費者が証明すべきことは次の2つに限定されます。
(1) 製品に欠陥があったこと。
(2) その欠陥によって損失を受けたこと。つまり、生産者などにより大きな責任と負担が求められることになっている。
(ア) 過失の状況には関係なく損害を賠償する責任が生じる。×
(イ) ○
(ウ) ○
(エ) この法律では、製品の購入者が製品の欠陥により身体的・財産的な損失を受けた場合である。製品自体の損害の場合は適用されない。×
(オ) ○

設問Ⅰー1-6

品質管理活動をする際,現場で覚えやすい標語がしばしば利用される。現場で徹底すべき基本的な内容を表現したものに「5S」がある。「5S」の内容として最も適切なものはどれか。
 ① 整頓,清潔,整備,集中,相談
 ② 整理,整頓,清掃,再確認,しつけ
 ③ 整頓,清掃,正確,作法,推進
 ④ 整理,清掃,清潔,正確,相談
 ⑤ 整理,整頓,清掃,清潔,しつけ

【解説】正解⑤ 青本33ページ品質管理の実践からの出題です。
サービス問題なので確実に覚えておきましょう。
5S以外にも3ム(ムリ、ムラ、ムダ)、ホウ・レン・ソウ(報告、連絡、相談)なども合わせて覚えておきましょう。

設問Ⅰー1-7

原価計算に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
①  原価計算とは,企業などにおける組織活動で消費される経営資源の消費額を計算することである。
②  原価計算は,大別して3つのステップに分類でき,製品別計算→部門別計算→費目別計算の順に行う。
③  原価計算には,実績を基に計算する実際原価計算と呼ばれるものがある。
④  予定原価計算を行うときは,標準原価を設定する。
⑤  標準原価を設定するプロセスでは,実際に達成可能で,かつ具体的な原価低減が期待できる範囲内であることが大切である。

【解説】正解② 青本47ページ原価計算と標準原価からの出題です。
原価計算は、大別して以下の3つのステップに分類できる。
(1)費目別計算
  原材料費、労務費、経費などの形態別の原価要素に分類すること
(2)部門別計算
  費目別計算により把握された原価要素を、組立部門、管理部門などの組織上の区分毎に集計すること
(3)製品別計算
  原価要素を製品単位に集計し、製造にかかる製品原価を算定すること
費目別計算→部門別計算→製品別計算の順になります。順番が逆です。

設問Ⅰー1-8

資材所要量計画に関する次の(ア)~(オ)の記述のうち,適切なものの数はどれか。
(ア)製品を構成する部品や原材料の生産,調達を先ず決定し,その結果を用いて基準生産計画を立てる。
(イ)資材所要量計画による個々の部品や原材料の生産量や購入量の決定を行うための情報として,製品構成,リードタイム,手持在庫量,受入確定量などがある。
(ウ)必要な量だけをタイムリに生産するため,通常コンピュータ化されたシステムにより管理される。
(エ)統合業務システム(ERP)は受注・発注から納入までの一連の生産業務を統合管理するものであり,会計や財務は別の専用システムで管理する。
(オ)CALSは供給業者,系列製造業者,流通業者,販売業者などを情報で結び,製品開発から市場への流通といった一連の業務を効率化するものである。

①  1  ② 2  ③ 3  ④ 4  ⑤ 5

【解説】正解③ 青本24ページ資材所要量計画からの出題です。
出題頻度の高い問題なので正しい理解が必要です。
(ア) 基準生産計画を立てて、それに基づいて原材料の生産、調達を決定するので順番が逆です。常識的に考えて間違いになります。×  (イ)○  (ウ)○
(エ)青本28ページ統合業務システムからの出題です。会計・財務・販売・人事なども含んで管理します。×  (オ)○

参考:日本技術士会

太陽です

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この記事を書いた人

横浜すばる技術士事務所代表
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