設問Ⅰー1-1
問題状況とそこで用いられる問題解決手法に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
① いくつかの案について,複数の評価基準に対し一対比較行列を作成し,その重要度を数値化して最も望ましい代替案を決めるために,階層化意思決定法を用いる。
② 問題解決のための手順を有向グラフの形式に示し,将来起こり得る局面とその結果を想定し,的確な判断ができるようにするために,親和図を用いる。
③ ある事象に対し,その結果に影響を及ぼすと思われる根元的な原因を列挙し,定性的な因果関係を整理・分類するために,過程決定計画図を用いる。
④ 少人数のグループで問題解決のアイデアを自由奔放に引き出すために,デルファイ法を用いる。
⑤ 同一内容のアイデアに関するアンケートを繰り返し行い,回答者の意見を収れんさせていくために,集団情報構造化法を用いる。
【解説】正解① 青本15ページ、問題解決法に関する出題です。
基本的な項目なので得点する必要があります。
② 過程決定計画図(PDPC)の説明です。
③ 特性要因図の説明です。
④ ブレイン・ストーミング法の説明です。
⑤ デルファイ法の説明です。
設問Ⅰー1-2
製品製造における原価企画に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 製品企画段階では,製品のコンセプトと目標利益を明確にする。
② 製品の定められた目標利益から,それを実現するための目標原価を設定する。
③ 目標原価の設定は,製品の機能を構成する単位としての構造毎,部品毎に行う。
④ 設計段階では,原価低減のための検討を行い,設計変更・修正を繰り返す。
⑤ 製造へ移行した時点で原価企画の活動は終了し,それ以降は原価維持の活動を行う。
【解説】正解⑤ 青本50ページ、原価企画に関する出題です。
原価企画のプロセス
(1)製品企画
(2)目標原価の設定
(3)目標原価の構造毎の展開
(4)目標原価の部品毎の展開
(5)設計上の原価低減検討
(6)製造への移行
(7)原価企画活動の改善
製造開始後の活動は改善策を取りまとめる活動になります。
上記(1)~(7)のプロセスを理解していれば解ける問題です。
設問Ⅰー1-3
I-1-3 ある会社では,ある機械を買取りとするか,レンタルとするかについて検討している。以下に示す条件の場合,買取りによる現在価値に最も近くなる毎年のレンタル費用はどれか。
・考慮する期間:3年
・年利率:10%
・買取りの場合:1年目の初めに1,000万円支払い,3年目の末に200万円で引き取ってもらえる。
・レンタルの場合:3年間,毎年の初めに均等に支払う。
① 242万円 ② 267万円 ③ 293万円 ④ 311万円 ⑤ 342万円
【解説】正解④ 青本51ページ、原価企画に関する出題です。
計算問題なので最後回して時間が余れば解きましょう。
原価を現在の価値(1年目のはじめ)に換算します。
買い取りの現在価値
3年目末に200万円支払うので現在の価値は、
200=P×1.1×1.1×1.1 P=150.26
1,000万円支払って現在価値で150万円返ってくるので現在価値は
1,000-150=850万円になります。
レンタルの場合
2年目、3年目に支払う金額を現在価値に換算し、その合計を計算する
①242+242/1.1+242/1.1/1.1=662
②267+267/1.1+267/1.1/1.1=730
③293+293/1.1+293/1.1/1.1=801
④311+311/1.1+311/1.1/1.1=850
⑤342+342/1.1+342/1.1/1.1=934
④がもっとも近い数値になります
設問Ⅰー1-4
あるプロジェクトの各作業の所要時間と先行作業(その作業を開始する前に完了しているべき作業)が下表のように与えられている。 PERTにより,全体の作業が最短期間で完了するよう作業日程を組むとき,このプロジェクトに関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
作業名 所要時間 先行作業
A 2 なし
B 5 なし
C 7 A,B
D 4 A,B
E 1 D
F 6 B
① 作業Aはクリティカル・パス上にある。
② 作業Bの最遅終了時刻は6である。
③ 作業Dの最早終了時刻は9である。
④ 作業Eの最早開始時刻は11である。
⑤ 作業Fのトータル・フロートは2である。
【解説】正解③ 青本60ページ、PERTとCPMに関する出題です。
試験時間に問題用紙の隅に下のような図を書きます。
落ち着いて正しく書けば正解はすぐに分かります。
時間が掛かるので、解くのは最後に回しましょう。
クリティカル・パスは作業B→Cで12日間だと分かります。
設問Ⅰー1-5
需要変動に対する生産計画の調整には,生産能力調整と需要平滑化がある。次の(ア)~(オ)のうち,生産能力調整に該当するものの数はどれか。
(ア)生産率の調整
(イ)補完製品開発による調整
(ウ)在庫水準の調整
(エ)外注対応による調整
(オ)労働力水準の調整
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5
【解説】正解④ 青本26ページ、生産能力調整と需要平滑化に関する出題です。
出題頻度が高い基本問題です。確実に覚えましょう。
(イ)が生産能力調整に該当しません。
設問Ⅰー1-6
製品安全については「開発・設計段階」,「生産段階」,「販売・サービス段階」それぞれで検討するべきものがある。次の(ア)~(カ)のトラブルと,その予防措置を行う段階の組合せとして最も適切なものはどれか。
(ア)製品が使われる環境の検討が十分でなかったため一部ユーザの機器に故障が発生した。
(イ)使用部品が設計規格から外れたため機器が作動不良となった。
(ウ)倉庫に保管してある部品を使用したところ新しい物と古くて性能劣化した物が混在していた。そのため不良部品を組み込んだ製品が市場に出荷されてしまった。
(エ)部品の交換方法が取扱説明書に示されていなかったため,誤って取り付けたことによる機器故障が発生した。
(オ)機器の使用中に部品の劣化が進行し,人命に関わる事故が発生した。
(カ)機器点検中,作業者が怪我をした。調べたところ,触れると危険な部位に注意表示がなく,マニュアルにも記載されていなかった。
開発・設計段階 生産段階 販売・サービス段階
① (ア),(イ) (エ),(オ) (ウ),(カ)
② (ア),(オ) (イ),(ウ) (エ),(カ)
③ (イ),(カ) (ア),(ウ) (エ),(オ)
④ (イ),(オ) (ア),(カ) (ウ),(エ)
⑤ (ア),(ウ) (イ),(オ) (エ),(カ)
【解説】正解② 青本38ページ、製品安全に関する出題です。
常識的に分かるものが多いです。
是非とも正解したい問題です。
(1)開発・設計段階
①消費者がどのような環境でどのような使い方をするかの検討・予測
②製品安全にかかわる事故の予測(被害規模と発生確率)
③事故のメカニズムの解明と製品ライフサイクルでの安全性評価の実施
(2)生産段階
①作業標準に基づく工程管理と検査
②量産試作品や量産品についての試験・評価の実施
③製品保管中の劣化防止のための、先入れ・先出しを原則化
(3)販売・サービス段階
①警告表示(製品本体や取扱説明書など)
②表現の検討(取扱説明書、カタログ、広告など)
設問Ⅰー1-7
進行管理に関する次の(ア)~(エ)の記述のうち,適切なものの数はどれか。
(ア)「作業手配」は,作業準備と作業割当てを行い,作業指示を与えることである。
(イ)「進度管理」は,日程計画に基づいた作業の進捗を調査して判定し,遅れが生じている場合は対策を講じるものである。
(ウ)「余力管理」の目的は,作業者や設備の能力と負荷を調整して待ち時間を減らし,過負荷を防止することにある。
(エ)「現品管理」の目的は,現状の完成品数量を把握し生産日程を維持することにある。
① 0 ② 1 ③ 2 ④ 3 ⑤ 4
【解説】正解④ 青本43ページ、進行管理に関する出題です。
現品管理は仕掛け品の所在と数量の管理のことである。つまり、現品の不良・変質・破損、紛失による数量不足の防止、運搬作業や保管作業の容易化を意図した管理になる。
(エ)が不適切です。
設問Ⅰー1-8
次の(ア)~(エ)に示す設備保全の管理方式と,(A)~(D)に示す生産上の事例の組合せとして最も適切なものはどれか。
設備保全の管理方式
(ア)日常保全
(イ)定期保全
(ウ)予知保全
(エ)保全予防
生産上の事例
(A)毎始業時,設備の作動を点検し,給油を行った後に本作業に入る。
(B)設備の劣化傾向を診断技術によって管理し,保全時期や修理方法を決める。
(C)設備の故障データに基づいて一定運転時間ごとに部品の交換を行う。
(D)使用中の設備に故障が多発したため,設備を新しく計画する段階で故障対策やメンテナンス性の改善策を適用した設備の導入を図る。
ア イ ウ エ
① A C B D
② A C D B
③ A D C B
④ C A B D
⑤ C B D A
【解説】正解① 青本57ページ、設備保全に関する出題です。
出題頻度の高い問題なので得点する必要があります。
保全とは、保護して安全であるようにすることです。
予防とは、予(あらかじ)め防ぐことです。
予防保全
設備点検などによる予防に重点をおいた保全方法
事後保全
故障停止または有害な性能低下に至ってから修理を行う保全方法
改良保全
同種の故障が再発しないように改善を加え、設備上の弱点を補強すること
保全予防
設備の調査研究・設計段階から保全活動の経験を反映させ,最初から信頼性の高い設備にすること
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