総監択一高得点シリーズ:令和元年度解答と解説【情報管理】

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設問Ⅰー1-17

平成27年4月1日より出願受付が開始された,新しい5タイプの商標に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 鎮痛消炎用の湿布薬に付けられた香りなどの,香り商標
② 見る角度によって変化して見える文字や図形などの,ホログラム商標
③ 商品の包装紙や広告用の看板に使用される色彩などの,色彩のみからなる商標
④ CMなどに使われるサウンドロゴやパソコンの起動音などの,音商標
⑤ ジーンズの後ろポケットに付けるロゴが入った赤ラベルの取付け位置などの,位置商標

【解説】 正解①  総監キーワード集15ページ4.3知的財産権(商標権)からの出題です。
知らないと分からない問題ですが、香りを識別化するのは難しいことは常識的に考えて分かると思います。一番識別の難しい香り商標が不適切だと気がつくと思います。
音商標:テレビ、ラジオ等のCMにおいて流されるサウンドロゴ、コンピューター起動時に流される音等が該当します。CMであれば、メロディーを聴いただけでその企業又は商品が思い浮かぶものもあります。
ホログラム商標:視覚角度に応じて変化して視認される文字又は図形等です。身近な例としては、クレジットカード又は商品券に付されているホログラムが該当します。
動き商標:テレビ、パソコン、スマートフォンの画面上で変化する文字又は図形等です。例えば、パソコンのスクリーンセイバーには、文字又は図形が経時的に変化するものがありますが、その他、テレビCMにも動物等のアニメ画像が画面上を移動するものがあります。
色彩のみからなる商標:文字、図形等の構成を有しない色彩のみを構成とする商標です。従来は色彩だけでは商標として認められず、文字や図形等と色彩の組み合わせた商標でなければなりませんでしたが、色彩のみを構成とする商標でも登録が認められることになりました(ただし、このタイプの商標は、事前に予想されたとおり、最も商標登録されにくい商標となっています。色彩は単色でもOKなのですが、登録される可能性は極めて低いでしょう)。
位置商標:文字・図形の標章を商品に記載する位置が特定される商標です(商品等の特定部分に、特定の模様又は記号等を付す)。

設問Ⅰー1-18

試験を行ったところ,得点の度数分布は下表のようになった。この得点分布の平均値,中央値,第3四分位数の大小関係として,次のうち最も適切なものはどれか。

① 平均値<中央値<第3四分位数
② 第3四分位数<中央値<平均値
③ 中央値<平均値<第3四分位数
④ 第3四分位数<平均値<中央値
⑤ 表の情報だけからでは大小関係が一意に決まらない。

【解説】 正解①  総監キーワード集13ページ4.1情報と意思決定からの出題です。
平均値  O点以上9点以下を4.5点とすると
(4.52+14.57+24.59+34.510+44.513+54.514+64.519+74.521+84.551+94.54)÷150=63.28点
中央値
150人÷2=75人 70点以上79点以下
第3四分位数
150人×3÷4=112.5人 80点以上89点以下

設問Ⅰー1-19

標準化に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 「デファクト標準」とは,公的な標準ではなく,パーソナルコンピュータの基本ソフトウェア(OS)であるMS-Windowsのように,市場で多くの人に受け入れられることで事後的に標準となったものである。
② 「デファクト標準」では,通常,その標準に包含される知的財産を誰にでもライセンスすることが求められるが,ライセンス料率は自由に設定できる
③ 「フォーラム標準」とは,ある特定の標準の策定に関心のある複数の企業などが自発的に集まって結成したフォーラムと呼ばれる組織の合意によって作成される標準である。
④ 「フォーラム標準」では,通常,その標準に包含される知的財産はリーズナブルな価格で誰にでもライセンスすることが求められる。
⑤ 「デジュール標準」とは,ISOやITUなどの公的位置付けの標準化機関において制される標準である。

【解説】 正解②  総監キーワード集16ページ4.3情報の保護からの出題です。
②知的財産を誰にでもライセンスすることが求められるが⇒知的財産権は開発一社が占有している
デファクト標準
売り手の作る製品が市場で広く受け入れられて、事実上の標準となっている場合の品質をデファクト標準と言います。デファクト標準は、一社が独占状態の場合、あるいは、市場で競争が行われて最終的に勝利した製品が結果として標準の地位を占めた場合の規格のことです。例えば、パソコンのWindowsやビデオデッキのVHSなどがデファクト標準の典型と言われています。経済原則で標準が決まることを原則としますが、一旦市場に製品が投入されてから競争が起きて標準が決まるのでは、企業にとって既に設備投資を終えていますので、大きなリスクになります。消費者にとっても、ビデオのベータ方式を購入した人が、少し経つと市場にはVHS方式しか並んでおらず、それまでの取りためたカセットが全く使えなくなってしまうというようなことになるので困ります。そこで、一般には、複数の企業がグループを作り、それぞれのグループが競争して優劣を決めることでリスクを少なくしようとするケースが現実です。ただし、マイクロソフト社のように、ある一社が独占状態を構築した場合は、その企業の標準が市場のデファクト標準となります。

設問Ⅰー1-20

生体認証に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 生体認証は,身体の形状に基づく身体的特徴や,行動特性に基づく行動的特徴を用いて認証を行う。
② 生体認証は,パスワードの文字数や文字種のような認証強度に関するパラメータが存在しないため,運用者がシステム全体の目的に合わせて安全性と利便性のバランスを調整することができない。
③ 生体認証では,誤って他人を受け入れる可能性と,誤って本人を拒否する可能性とを完全に無くすことはできない。
④ 生体認証は,パスワードなどのように忘れてしまったり,ICカードなどのように無くしてしまったりすることがなく,利用者にとって利便性の高い本人確認方法である。
⑤ 生体認証は,銀行のATMや空港の出入国管理システムなど,様々な分野で実用化されている。

【解説】 正解②  総監キーワード集17ページ4.5情報セキュリティからの出題です。
②認証強度を調整できないのであれば、生体認証は使えないセキュリティになります。そんなことはないはずです。認証強度を高くすれば誤って本人を拒否する可能性があり、認証強度を低くすれば誤って他人を受け入れる可能性があります。③の設問とリンクしてきます。

設問Ⅰー1-21

マーケティング分析についての次の(ア)~(エ)の記述に対応する手法の組合せのうち,最も適切なものはどれか。
(ア)直近購買日,購買頻度,購買金額の3変数を用いて,顧客をいくつかの層に分類し,それぞれの顧客層に対してマーケティングを行うための手法である。
(イ)企業の内部環境としての自社の強み・弱みと企業をとりまく外部環境における機会・脅威の組合せの4領域に対して,社内外の経営環境を分析する手法である。
(ウ)自社,顧客,競合の3つの視点から,自社の現状と課題,進むべき方向性などを分析する手法である。
(エ)市場成長率と相対的な市場占有率の高低の組合せの4領域に対して,扱っている製品やサービスを位置付け,どのように経営資源を配分するかなどの戦略を分析する手法である。
     (ア)       (イ)    (ウ)    (エ)
①   3C分析    SWOT分析   RFM分析  PPM分析
②  RFM分析    SWOT分析   3C分析   PPM分析
③  RFM分析    PPM分析   3C分析   SWOT分析
④ アクセスログ分析  PPM分析   3C分析   SWOT分析
⑤ アクセスログ分析  PPM分析   RFM分析  SWOT分析

【解説】 正解②  総監キーワード集14ページ4.5マーケティング分析からの出題です。
他の設問とのからまり具合からして、一番出題数の少ないアクセスログ分析は間違いだと判断出来ます。(イ)はRFM分析の可能性が高くなります。②か③が正解になります。
強み(Strength) 弱み(Weakness) 機会(Opportunity) 威嚇(Threats)の頭文字を取ってSWOT分析になります。
      (ア)       (イ)    (ウ)    (エ)
①   3C分析    SWOT分析   RFM分析  PPM分析
②  RFM分析    SWOT分析   3C分析   PPM分析
③  RFM分析    PPM分析   3C分析   SWOT分析
④ アクセスログ分析  PPM分析   3C分析   SWOT分析
⑤ アクセスログ分析  PPM分析   RFM分析  SWOT分析
RFM分析:Recency (直近いつ)、Frequency (頻度)、Monetary (購入金額)の3つの指標で顧客を並べ替え段階的に分け、顧客をグループ化した上で、それぞれのグループの性質を知り、マーケティング施策を講じる手法です。
3C分析:Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)という3つの「C」について分析する方法で、事業計画やマーケティング戦略を決定する際などに用いられます。
PPM:コンサルティング会社のボストン・コンサルティング・グループが考案した事業ポートフォリオを考えるフレームワークで、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの略です。PPMに基づいて資源配分を検討することをPPM分析といいます。
PPMでは2つの軸を取り、縦軸に市場成長率、横軸に相対マーケットシェアを取って、マトリックスを作り、事業を4つの象限に分類します(下図参照)。

設問Ⅰー1-22

企業などの組織で利用されるデジタル・コミュニケーション・ツールに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
 ① ファイル共有とは,組織内で電子ファイルを共有するためのシステムを指す。ファイルの保存先としての機能に加え,ファイルの版管理やアクセス権限の設定などの付加機能を持つものもある。
 ② テレビ会議(ビデオ会議)とは,複数の遠隔地を結んで双方向の映像及び音声により会議を行うシステムを指す。テレワークのためのコミュニケーション手段として導入が進んでいる。
 ③ ビジネスチャットとは,ネットワークで繋がれたメンバーとメッセージをやりとりするツールを指す。電子メールのシステムを基盤としており,メールと同程度のシステム上の遅延はあるものの,ビジネス向けの確実なメッセージ送達を実現している。
 ④ 社内SNSとは,企業などの組織が所属メンバーを対象に運用するソーシャルネットワーキングサービスを指す。業務上の連絡や情報共有のためだけでなく,業務とは切り離して参加者間の交流の促進のためにも利用されることがある。
 ⑤ グループウェアとは,組織内での情報共有やコミュニケーションを図るため,所属メンバーが効率的に共同作業できるよう設計されたシステムを指す。メンバー間のスケジュール調整機能などの複数の機能を有するものが一般的である。

【解説】 正解③  総監キーワード集15ページ4.2コミュニケーションからの出題です。
メールと同程度のシステム上の遅延⇒遅延は無くリアルタイムで活用できる
社内でのやりとりにメールを使うのはもう時代遅れになりつつあります。迷惑メールの中で重要なメールを見落としたり、操作ミスで情報漏えいしたり、話のつながりが把握できず時間を浪費したりすることが増えています。これらメールの不備を補うためにデジタル・コミュニケーション・ツールが改良されてきています。そのため電子メールよりも優れている機能をもっていることが前提となっています。

設問Ⅰー1-23

情報セキュリティの脅威に留意した行動に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
 ① 重要情報を取引先にメールや送付する際に,インターネット上でのデータの機密性を確保するため,送信データに電子署名を施した。
 ② 職場のパソコンがランサムウェアに感染するのを予防するため,常にパソコンに接続している外付けハードディスクにパソコン内のデータをバックアップした。
③ 振込先の変更を求めるメールが取引先から届いたため,ビジネスメール詐欺を疑い,メールへの返信ではなく,メールに書かれている番号に電話して確認した。
④ 公衆無線LANを用いてテレワークをする際に,通信傍受を防ぐため,WPA2より暗号化強度が強い「WEPで保護」と表示されているアクセスポイントを利用した。
⑤ 委託先から最近のやりとりの内容と全く異なる不自然なメールが届いたため,標的型攻撃メールなどを疑い,添付ファイルは開かず,情報管理者にすぐに報告・相談した。

【解説】 正解⑤  総監キーワード集17ページ4.5情報セキュリティからの出題です。
①電子署名とは、電磁的記録に付与する、電子的な徴証であり、紙文書における印章やサイン(署名)に相当する役割をはたすものである。主に本人確認や、改竄検出符号と組み合わせて偽造・改竄(かいざん)の防止のために用いられる。機密性の確保はできない。
②常にパソコンに接続されているのであれば感染します。
③メールに書かれている番号に電話するのではなく、取引先に確認するべきです。
④WPAはWEP2よりも暗号化強度が弱くなります。それ以前にだれでも使える公衆無線LANを用いる自体危険な行為です。

設問Ⅰー1-24

下図は,企業が抱える主な経営課題に対して,情報通信技術(ICT)により生産性を向上させる方策を整理したものである。図の(ア)~(エ)の生産性向上方策に,以下の(A)~(D)に示す事例を1つずつ当てはめた次の組合せのうち,最も適切なものはどれか。

生産性向上方策の事例
(A)手作業に頼っていたプラスチック製品の面取り加工工程において,繊細な手作業の動きを再現する垂直多関節ロボットを導入する。
(B)ドライブレコーダからの自動車の利用データに基づき,加入者ごとに保険の割引率を算出し,顧客のニーズや実態に見合った保険メニューや保険料を提案する。
(C)ホテルに導入したサービスロボットの活用に関するデータやノウハウを蓄積し,それに基づき,同業他社や他業種の企業に向けた事業を開発する。
(D)建設現場をドローンで撮影し,その映像や測量データに基づく設計をAIにより自動化することで,測量と設計・施工計画の業務を一体化する。
   (ア)  (イ)  (ウ)  (エ)
①  A   D   B   C
②  A   D   C   B
③  D   A   C   B
④  D   C   B   A
⑤  D   A   B   C

【解説】 正解①  総監キーワード集16ページ4.4情報通信技術動向からの出題です。
(A)人間の手間を省くので省力化になります
(B)既存のサービスの質を向上させるので高付加価値化になります
(C)他の事業等に情報を生かすので、新規製品・サービスの展開になります
(D) 測量と設計・施工計画の業務を一体化するので効率化になります

参考:日本技術士会HP

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