技術士取得で国際的に活躍しよう

羽田
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日本の技術士

技術士という資格を日本のみならず国際的な資格として考えてみます。
まず国内において、国家資格であり専門性に応じて21技術部門に分かれています。
技術士法に定められた資格であり、第一条に科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的とすると書かれています。
工学系、すなわち技術に関する最高位の資格であり、国家が技術者として一定の技術力を備えていることを保証しています。
ここ最近の合格率は12%、技術士登録者の45%が建設部門(申込者数は全体の60%)、女性技術士はその内の2%です。

参考情報:日本技術士会

世界における技術士

一方で、世界のエンジニア資格はどうなっているかご存知でしょうか?
日本技術士会のホームページに世界各国の技術者資格制度の概要が掲載されています。
詳細はホームページを確認してもらえればと思いますが、日本以外は合格率が高く(米国35%、英国65%)、合格者平均年齢も若い傾向にあります。
欧米は日本のような職能給ではなく職務給であることから、卒業と同時に実務を担当できる技術者を養成する教育が重視されていることが要因と思います。
さらに、世界的には業務独占資格(資格がない状態で業務を行うと刑事罰の対象)として活用されていますが、日本は名称独占資格(資格がない状態で名称を使用すると刑事罰の対象)です。
米国、台湾、ベトナムの設計図面はエンジニア資格保有者の押印が必須であり、認知度も高いです。
業務独占資格であれば、責任も重大ですよね。

では、技術士を保有しても世界で活躍はできないのでしょうか?
そんなことはありません。
技術士は国際的なエンジニアリング資格を取得する条件として認められています。
コンピテンシーが評価基準となり、国際的な評価基準と整合性が取れたことが大きな要因です。
特に、口頭試験対策でAPECエンジニアとIPEA国際エンジニアについて調べた人も多いと思います。
これらの資格は技術士として登録してなければ審査の対象にもなりません。

APECエンジニア

まず、APECエンジニアですが、APEC加盟国において、有能な技術者が国をまたいで自由に活動できるための資格です。
世界的に工学系の学部教育の最低水準を一定にするため、ワシントンアコードと呼ばれる条約があり、批准国では大学卒業生が同じ能力を有していることを想定しています。
このワシントンアコードがAPECエンジニアの第1番目の条件です。
すなわち、第三者評価機関によって評価されている、または当該国で承認されている大学学部のエンジニアリング課程を修了していること、という条件です。
技術士の受験時にJABEE認定過程修了者という用語が出てくると思いますが、JABEEはワシントンアコードに加盟しているので、第一次試験合格者相当の工学系教育を受けたと認定されます。
APECエンジニアとして登録するためには、APECエンジニア協定に記載されている7つの要件に関して審査を受ける必要があります。
1)定められた学歴要件を満たすこと
2) IEAが標準として示す「エンジニアとしての知識・能力(International Engineering Alliance competency profile for engineers)」に照らし、自己の判断で業務を遂行する能力があると認められること
3) エンジニアリング課程修了後7年間以上の実務経験を有していること
4) 少なくとも2年間の重要なエンジニアリング業務の責任ある立場での経験を有していること
5) 継続的な専門能力開発を満足できるレベルで実施していること
6) 業務の履行に当り倫理的に行動すること
7) プロフェッショナル・エンジニアとして行った活動及び決定に対し責任をもつこと
登録できる分野は11分野あり、日本技術士会が審査業務の一部を行っています。
APECエンジニアに登録されれば、APEC域内において、国際エンジニアとして活躍できます。

IPEA国際エンジニア

次に、IPEA国際エンジニアです。
こちらは資格の部門の区分はなく、国や政府が関わっていません。
国際エンジニア協定に加盟している各エコノミー間で合意された一定の基準を満たす技術者が、各国において国際エンジニア登録簿に登録されます。
登録要件はAPECエンジニアとほぼ同じで、エンジニアリング課程と技術分野の取り扱いが異なります。
1)ワシントンアコード認定またはそれと同等のエンジニアリング課程を修了していること。
2)IEAが標準として示す「エンジニアとしての知識・能力(International Engineering Alliance competency profile for engineers)」に照らし、自己の判断で業務を遂行する能力があると認められること
3)エンジニアリング課程修了後7年間以上の実務経験を有していること
4)少なくとも2年間の重要なエンジニアリング業務の責任ある立場での経験を有していること
5)継続的な専門能力開発を満足できるレベルで実施していること
6)業務の履行に当り倫理的に行動すること
7)プロフェッショナル・エンジニアとして行った活動及び決定に対し責任をもつこと
なお、APECエンジニアは14エコノミー、IPEA国際エンジニアは16エコノミーが対象です。

考情報:日本技術士会

まとめ

海外に目を向ける機会も多くなっており、今年の技術士受験に向けたモチベーションアップにつながりましたでしょうか?
現在では国際的に活躍できる資格にもなっており、世界を見据えた資格としても展開できます。
ただ、最初の一歩として技術士資格が必要になります。
受験勉強と同じですが、独学だと時間がどうしてもかかります。
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この記事を書いた人

横浜すばる技術士事務所専任講師
技術士(土質及び基礎)

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