設問Ⅰー1-1
問題解決法に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 総合技術監理を行う技術者には,個別の技術業務における特定の課題の解決を目的とする場合でも俯瞰的視点から総合的な判断を下せる能力が求められる。
② ブレイン・ストーミング法では,議論を深めるために,あえて他人の意見を批判することも許容される。
③ デルファイ法では,それまでの回答結果をフィードバックし,他の回答者の意見を見てもらいながら同一内容のアンケート調査を繰り返して回答者の意見を収斂させていく。
④ 特性要因図を作成する際には,準備としてブレイン・ストーミングを行っておくことが望ましい。
⑤ 階層化意思決定法(AHP)は複数の人間が連帯して意思決定をする場合であっても使用することができる。
I-1-1 問題解決法に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 総合技術監理を行う技術者には,個別の技術業務における特定の課題の解決を目的とする場合でも俯瞰的視点から総合的な判断を下せる能力が求められる。
② ブレイン・ストーミング法では,議論を深めるために,あえて他人の意見を批判することも許容される。
③ デルファイ法では,それまでの回答結果をフィードバックし,他の回答者の意見を見てもらいながら同一内容のアンケート調査を繰り返して回答者の意見を収斂させていく。
④ 特性要因図を作成する際には,準備としてブレイン・ストーミングを行っておくことが望ましい。
⑤ 階層化意思決定法(AHP)は複数の人間が連帯して意思決定をする場合であっても使用することができる。
【解説】 正解② 青本15ページ、問題解決法に関する出題です。
ブレイン・ストーミング法の要点は①人の意見を批判しない。②自由に意見を述べる。③多くのアイデアを出す。④他人の意見をヒントにしてさらに考えを発展させる。になります。
出題頻度が高い問題なので、確実に得点する必要があります。
設問Ⅰー1-2
生産方式及びそのサプライチェーンマネジメントヘの応用に関する次の(ア)~(オ)の記述のうち,不適切なものの数はどれか。
(ア)生産システム全体にプッシュ型生産方式を採用すると,需要に変動がある場合に効率的となる。
(イ)JIT生産方式の基本システムである「かんばん方式」では,外されている「引き取りかんばん」の数だけ部品を生産することにより,在庫量を最適化する。
(ウ)サプライチェーンマネジメントにおいて管理の対象となる工程は,原材料の調達から生産,出荷,流通までであり,販売は対象とならない。
(エ)制約条件の理論(TOC)によれば,ボトルネックより前の工程ではプッシュ型生産方式により,後の工程ではプル型生産方式により生産を行う。
(オ)JIT生産方式が日本の自動車業界で成功したのは,この生産方式を部品メーカーなど関連する多くの会社にまで普及させることができたからである。
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5
【解説】正解④ 青本44~45ページ、サプライチェーンマネジメントに関する出題です。
出題頻度が高い問題なので、確実に得点する必要があります。
(ア)生産システム全体にプッシュ型生産方式を採用すると,需要に変動がある場合に効率が悪い。⇒×
(イ)JIT生産方式の基本システムである「かんばん方式」では,外されている「生産指示かんばん」の数だけ部品を生産することにより,在庫量を最適化する。⇒×
(ウ)サプライチェーンマネジメントにおいて管理の対象となる工程は,原材料の調達から生産,出荷,流通,販売さらに回収まで対象となる。⇒×
(エ)制約条件の理論(TOC)によれば,ボトルネックより前の工程ではプル型生産方式により,後の工程ではプッシュ型生産方式により生産を行う。⇒×
(オ)○
設問Ⅰー1-3
Webを用いてオンラインで商品を売るビジネスを展開したい。
事業開始に必要なのはWebシステムの構築費用のみであり,年初に200万円を必要とする。 3年間は同じ商品・ビジネスモデルが可能と予測しており,この200万円の資金を3年間で回収したい。 3年とも同額の利益を年末に得ることを条件としたとき,資金回収が可能となる1年間あたりに最小限必要な利益に最も近い値はどれか。ただし年利率は3%であるとする。
① 63万円 ② 65万円 ③ 67万円 ④ 69万円 ⑤ 71万円
【解説】正解⑤ 青本56ページ、資金回収計画に関する出題です。
200万円を借りてきます。1年後は3%の利息が付くので200×1.03万円の金額になります。利益X万円をすべて返済に充てると200×1.03-X万円になります。
さらにその1年後にはこれに3%の利息が付くので(200×1.03-X)×1.03万円になります。利益X万円をすべて返済に充てると(200×1.03-X)×1.03-X万円になります。
さらに1年後はこれに1.03%の利息が付き利益のX万円を引いた額が0になります。
((200×1.03-X)×1.03-X)×1.03-X=0
この方程式を解くとX=70.70・・・・になります。
慣れたら難しくない問題ですが、時間が掛かるので最後に解くか、思い切って捨てたほうがいい問題かもしれません。
設問Ⅰー1-4
経済性管理で用いられる数理的手法に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
① 数理計画問題において,変数のとりうる値が連続的なものと整数など離散的なものとでは,一般には後者の方が解の候補が制限されるので解くのが容易である。
② 所与の制約条件の下で複数の目的関数を最大化又は最小化するような多目的最適化においてパレート最適解を考える場合,最良解の決定は意思決定者の選好によらざるを得ない。
③ シミュレーションのためのモデルを構築する際には,スピーディーに意思決定できるよう,極力精緻なモデルを作成した上でモデルから得られた解答をそのまま実務に使うことが望ましい。
④ 日程計画におけるスケジューリングは,作業部署ごとの日程計画や作業順序の決定を通じて,納期日を決めるためのものである。
⑤ 数理計画問題をはじめとする最適化手法は,問題の構造など理論的な背景を理解するために必要な一方,現実の問題を解くために使用されることはなく,実用に供する解を得たい場合にはシミュレーションを用いる。
【解説】 正解② 青本59ページ、計画管理の数理的手法に関する出題です。
①解くのが容易である。⇒解くのが難しい。×(青本63ページ)
②○(青本63ページ)
③モデルから得られた解答用いて現実の問題解決や意思決定を行う際は、モデルの妥当性や正当性の検証を含め、慎重に行う。×(青本62ページ)
④スケジューリングは作業部署毎の工程を検討するために用いられる手法である。×
(青本60ページ)
⑤最適化手法とは、システムの設計や運転を行うにあたり、最も適切な決定を行うこと、或いはいくつかの選択肢の中から最善なものを選択する手法である。×(青本63ページ)
設問Ⅰー1-5
つぎのPERTにおける図で,線の上のA~Gの記号は作業を,括弧内の数値は作業時間を示している。いま,総所要時間(最終作業の最早終了時間)を3時間短縮する必要がある。短縮することが可能な作業は,B,C,Gであり,それぞれ1時間の短縮当たり5万円,4万円,6万円の費用がかかる。このとき最も短縮費用を安くする方法として適切なものはどれか。
① Bを1時間,Cを1時間,Gを1時間短縮する。
② Bを1時間,Cを2時間,Gを1時間短縮する。
③ Bを0時間,Cを0時間,Gを3時間短縮する。
④ Bを1時間,Cを3時間,Gを0時間短縮する。
⑤ Bを1時間,Cを2時間,Gを0時間短縮する。
【解説】正解④ 青本60ページ、PERTとCPMに関する出題です。
まず現行の作業の最早終了時間を計算します。
A+B=4+5=9時間
C+D=9+1=10時間
C→D作業のほうが時間が掛かるため、Eの作業に入るにはこの作業が終わってからになります。
C+D+E=10+7=17時間
C+F+G=9+4+5=18時間
3時間の時間短縮を求められているので、最早終了時間は18-3=15時間になる必要があります。
作業工程がA→B→E、C→D→E、C→F→Gの3工程あります。この全ての工程が15時間以内になる必要があります。
選択肢を見るとBについては1時間短縮する案①②④⑤と0時間短縮する案③があります。A→B→E工程について終了時間を検討します
選択肢 | 工程A+B+E | 終了時間 | 判定 |
①②④⑤ | 4+4+7 | 15時間 | ○ |
③ | 4+5+7 | 16時間 | × |
③が間違いだと分かります。同様にC→D→E工程について検討します。
Cを0時間短縮する案③、1時間短縮する案①、②時間短縮する案②⑤、③時間短縮する案④があります。
選択肢 | 工程A+B+E | 終了時間 | 判定 |
③ | 9+1+7 | 17時間 | × |
① | 8+1+7 | 16時間 | × |
②⑤ | 7+1+7 | 15時間 | ○ |
④ | 6+1+7 | 14時間 | ○ |
新たに①が間違いだとわかりました。同様にC→F→G工程について検討します。
選択肢 | 工程A+B+E | 終了時間 | 判定 |
② | 7+4+4 | 15時間 | ○ |
④ | 6+4+5 | 15時間 | ○ |
⑤ | 7+4+5 | 16時間 | × |
②と④が3時間短縮できる選択肢です。
値段の検討をします。
② 5万円×1時間+4万円×2時間+6万円×1時間=19万円
④ 5万円×1時間+4万円×3時間+6万円×0時間=17万円
総所要時間を3時間短縮して最も短縮費用が安いのは④になります。
そんなに難しい問題ではありませんが、時間が掛かるので最後に解くべき問題です。
設問Ⅰー1-6
品質管理に関する次の文章中の (ア) に入る用語を説明する記述として,次のうち,最も適切なものはどれか。
品質管理では,「品質方針」に基づいた「品質計画」「品質管理(QC)の実践」
「 (ア) 」「品質改善」といったステップがあり,通常はPDCAサイクルとして運用されている。
① このステップでは,品質の不良をなくし,よりよい品質の製品を生み出していくための能力を高めることに焦点を合わせた活動が行われる。
② このステップでは,品質要求事項が満たされるという確信を顧客に与えることに焦点を合わせた活動が行われる。
③ このステップでは,種々のQC手法や仕組みを利用しながら,品質要求事項を満たすことに焦点を合わせた活動が行われる。
④ このステップでは,品質目標を設定し,品質目標を達成するために必要な運用プロセス及び関連する資源を規定することに焦点を合わせた活動が行われる。
⑤ このステップでは,品質に関する組織の全体的な意図及び方向づけの内容について,経営層から正式に表明する活動が行われる。
【解説】正解② 青本35ページ、品質保証に関する出題です。
(ア)は品質保証になります。①は品質改善、③は品質管理の実践、④は品質計画
設問Ⅰー1-7
財務諸表作成の基となる企業会計原則に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 組織活動を秩序正しく,細大漏らさず,確実な帳簿記録に基づいて財務諸表を作成する。
② 財務諸表により結果報告するだけでなく,その導出において採用した処理の原則,手続,方法をも公開する。
③ 一度採用した処理の原則,手続,方法を毎期継続して適用し,みだりに変更しない。
④ 重要な処理・表示は厳密な報告を必要とし,重要でない処理・表示は簡便な方法による報告が容認される。
⑤ 予想の損失は計上せず,予想の利益は計上する。
【解説】正解⑤ 青本52ページ、に関する出題です。
企業会計原則は、(1)真実性の原則、(2)正規の簿記の原則、(3)資本取引損益取引区分の原則、(4)明瞭性の原則、(5)継続性の原則、(6)保守主義の原則、(7)単一性の原則、(8)重要性の原則
⑤は真実性の原則に反します。常識で考えても不適切だと判断出来ます。
設問Ⅰー1-8
活動基準原価計算(Activity Based Costing : ABC)に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 活動基準原価計算は,活動ごとに発生した原価を正しく把握して振り分ける原価計算の方法である。
② 活動基準原価計算を行う時の生産活動の単位を,アクティビティと呼ぶ。
③ 活動基準原価計算では,コストを発生させる要因を,資源の消費量と活動の消費量とに分類する。
④ 活動基準原価計算は,製造部門だけでなくサービス部門にも適用が可能である。
⑤ 活動基準原価計算が開発された背景として,製造業における直接費の増大があげられる。
【解説】 正解⑤ 青本49ページ、活動基準原価計算に関する出題です。
直接費⇒間接費
覚えていないと解けない問題になります。
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