設問Ⅰー1-9
組織やプロジェクトの管理に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
① マズローは,人間の要求は低次なものから高次なものへ5段階に分かれるとしており,このうち,最も低次な要求は「物質的要求」,最も高次な要求は「安定要求」である。
② 人間の行動には経済的行動,情緒的行動,管理的行動の3通りのパターンがあると言われており,このうち,経済的行動とは,組織の利益を考慮し合理的な思考に従った行動のことである。
③ 代表的な人の行動モデルには,マグレガーによるX理論とY理論があるが,基本的に性悪説に立つものがX理論,性善説に立つものがY理論であり,現代の組織運営ではX理論に基づく管理が適しているとされている。
④ 科学的管理法とは,作業分析や動作分析をもとに効率的な生産方式を考える労働管理の方法論であり,この中では,人間関係論を包含した行動科学的アプローチから人の作業を分析している。
⑤ 人を管理する上で,労働意欲などを引き出す源泉であるインセンティブを与えることが重要であるが,そのうちの1つである理念的インセンティブは,思想や価値観の追求を達成意欲の源泉とするようなインセンティブである。
【解説】正解⑤ 青本70ページ人の行動モデルとインセンティブからの出題です。
毎年のように出題されています。確実に得点しましょう。
① マズローは、人間の欲求には5段階あるとし、それは物質的欲求、安定欲求、連帯欲求、周囲からの尊敬欲求、自己実現欲求であるとしている。安定欲求ではなく自己実現欲求になります。×
② 人間の行動には、経済的行動、情緒的行動、管理的行動の3通りのパターンがあると言われている。経済的行動とは、自分にとって最も有利な行動をとるといった利己的な行動であり、情緒的行動とは、集団の雰囲気に左右されやすく、感情に支配された行動である。最後の管理的行動は、組織の利益を考慮し、合理的な思考に従った行動のことである。×
③ 現代の組織運営ではX理論に基づく管理が適しているとされている⇒Y理論。×
④ 労働管理の方法論ではない。×
⑤ ○
設問Ⅰー1-10
高年齢者雇用安定法(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律)に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。なお,継続雇用制度とは,「現に雇用している高年齢者が希望するときは,当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度」をいう。
① この法律における高年齢者とは,65歳以上の者をいう。
② 事業主は,継続雇用制度を導入すれば,その雇用する労働者の定年を55歳まで引き下げることができる。
③ 事業主は,その雇用する労働者の定年を廃止するか,定年を65歳以上にすれば,継続雇用制度を導入しなくてもよい。
④ 事業主は,継続雇用制度で雇用を希望する高年齢者を,自己の子法人等に定年後引継いで雇用させてはならない。
⑤ 事業主は,労働者の募集及び採用をする場合において,やむを得ない理由により70歳以下であることをその採用条件とするときは,定められた方法により,求職者に対しその理由を示さなければならない。
【解説】正解③ 青本以外から高齢者雇用安定法の出題です。
時代が時代なので今後もこの法令についてはよく勉強する必要がありそうです。
この法律は定年の定めをなくすか、定年年齢を65歳以上に引き上げるもしくは継続して雇用させるものです。
① この法律における「高年齢者等」とは、「高年齢者(55歳以上)」、55歳未満の「中高年齢者(45歳以上)」の求職者、および55歳未満の「中高年齢失業者等(45歳以上65歳未満の失業者その他就職が特に困難な失業者)」をいう。×
② 継続雇用制度を導入すれば、定年制度がなくなるか定年が65歳以上になります。×
③ ○ ④継続雇用制度なので在籍出向等を含むはずです。× ⑤70歳以下⇒65歳以下×
設問Ⅰ-1-11
人事考課に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 多面評価制度とは,従業員の評価を上司だけでなく同僚や部下など多方面から行う制度であり,人材育成や適材適所の達成などの目的で導入される。
② 目標管理制度においては,部下が目的達成度を上げるために意図的に低い業務目標を設定するという行動をとることもあるので,適切に評価を行うためには,上司は部下の業務目標の難易度を正しく判断することが必要である。
③ 人事考課の一般的な評価基準では,能力,姿勢,業績の3つの領域が対象であるが,評価の期間については,変動しやすい姿勢評価と業績評価はやや短期で行い,変動が少ない能力評価はやや長期で行うことが一般的である。
④ 人事考課の実施方法としては,直接の上司による一次査定と,その上の上司が行う二次査定の二段階が一般的であり,業績評価を念頭に置いた場合,通常,一次査定は相対評価で,二次査定は絶対評価で行われる。
⑤ 人事考課に当たっては,そのルールや評価基準を公開し,評価結果を被考課者に伝えることによって,従業員の納得性を高める必要がある。
【解説】正解④ 青本89ページ人事考課管理からの出題です。
人事評価は、社員同士比較する相対評価ではなく、基準と比較する絶対評価で行ないます。
絶対評価を行なうことにより組織全体の能力向上につながります。
相対評価を初期段階で導入すると、社員同士の足の引っ張り合いになる可能性があります。ただし昇進などの場合、すべての人に同じポジションを与えられないため最終的には相対評価になります。一次審査は絶対評価で二次審査は相対評価で行なうことが望ましいでしょう。
設問Ⅰ-1-12
賃金管理に関連する次の式の,(ア),(イ)に入る用語の組合せとして最も適切なものはどれか。
(ア)=賃金総額/付加価値額
(イ)=付加価値額/従業員数
(ア) (イ)
① 労働分配率 労働生産性
② 労働生産性 労務費率
③ 労働分配率 労働費率
④ 労働費率 労働生産性
⑤ 労働費率 労働分配率
【解説】正解① 青本77ページ賃金管理からの出題です。
(1)労務比率=労務費/売上高
労務比率は売り上げにしめる労務費(人件費)の割合です。この率が低いほど効率の良い組織といえます。
(2)労働分配率=賃金総額/付加価値額
労働分配率は付加価値額(利益)にしめる賃金(人件費)の割合です。この率が低いほど効率の良い組織といえます。
(3)労働生産性=付加価値額/従業員数
労働生産性は従業員1人が生み出す付加価値額(利益)です。この率が高いほど効率的な組織だといえます。
計算式を丸暗記するのではなく、キーワードの意味をひとつひとつの正しく理解すれば覚えやすく応用が効くようになります。
設問Ⅰー1-13
労働基準法や,いわゆる育児・介護休業法に基づく労働時間管理に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 法定労働時間は週40時間,1日8時間とする。
② 使用者が従業員に時間外労働をさせる場合には,労使協定を締結し,労働基準監督署に届けることが義務付けられている。
③ 時間外労働の場合には,会社は25%以上の割増賃金を払わなければならない。
④ 使用者はその雇い入れの日から起算して3ヵ月間継続勤務し,全労働日の8割以上出勤した労働者に対して5労働日の有給休暇を与えなければならない。
⑤ 会社は,男女に関わらず子供が1歳に達するまで(両親ともに育児休業を取得する場合は,1歳2か月に達するまでの間に1年間)休業できる育児休業制度を設けなければならない。
【解説】正解④ 青本76ページ労働時間管理からの出題です。
青本からそのままの出題です。覚えてないと解けません。
使用者はその雇い入れの日から起算して6ヵ月間継続勤務し,全労働日の8割以上出勤した労働者に対して10労働日の有給休暇を与えなければならない。
設問Ⅰー1-14
人間関係管理に関する次の(ア)~(エ)の記述について,適切なものと不適切なものの組合せとして正しいものはどれか。
(ア)企業などの組織は,目的に合致した合理的な生産活動を遂行するための技術的組織と,人間関係の複合体としての人的組織との二面性を持っている。
(イ)人的組織には,公式組織と非公式組織があるが,このうち非公式組織へ管理側からアブローチすることは望ましくない。
(ウ)組織において,従業員の生産性を上げることは大きな管理目的であるが,その前提として職場の人間関係の円滑化を重視するのが人間関係管理の考え方である。
(エ)非公式組織は,従業員の,職場の行動規範の決定,組織の力関係の決定,職場の居心地の決定及び育成の環境の決定に影響を与える。
(ア) (イ) (ウ) (エ)
① 不適切 適切 適切 不適切
② 適切 不適切 適切 適切
③ 不適切 適切 不適切 不適切
④ 適切 不適切 適切 不適切
⑤ 適切 不適切 不適切 適切
【解説】正解② 青本83ページ人間関係管理からの出題です。
作業能率を向上させるためには、非公式組織への管理側からの積極的なアプローチなどが必要となります。常識的に考えて人間関係が悪かったらいい仕事はできないでしょう。
設問Ⅰー1-15
組織における教育訓練に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
① OFFjTは,通信教育を受けることや留学など,企業以外の場で個人が主体的に能力開発を行う教育訓練である。
② OJTは,上司や先輩などが職場内のセミナー室等で行う研修のことである。
③ 組織の一員として働く従業員に求められる主な能力として,一般に,課題設定能力,職務遂行能力,対人能力,問題解決能力などがある。
④ 問題解決能力開発では,組織が求める課題を設定する能力や問題解決の能力を養成する。一般的にコミュニケーション・トレーニングが利用されている。
⑤ 知識教育は,知識を活用して仕事に活かす技能を伸ばすことを目的として,実習などの形式で実施される。
【解説】正解③ 青本87ページ教育訓練管理からの出題です。
キーワードとその意味を正しく理解していれば簡単に解ける問題です。
OFF-JT(Off the Job Training)
職場から離れ、外部の教室などで行われる教育訓練である。
OJT(On the Job Training)
上司や先輩などの指導の下で、職場で働きながら行われる教育訓練である。
知識教育
商品や技術に関する専門的な情報や仕事の手続きを知識として理解させることを目的と
して、講義や見学により実施される。
技能教育
知識を活用して仕事に生かす技能を伸ばすことを目的として、実習などの形式で実施される。
問題解決能力開発
組織が求める課題を設定する能力や問題解決の能力を養成する。ケース・スタディや課題研
究法が用いられる。
設問Ⅰー1-16
労使関係に関する次の(ア)~(オ)の記述のうち,不適切なものの数はどれか。
(ア)団体交渉権は,労使が交渉する場合,従業員個人に代わって従業員の間から選ばれた代表者,つまり労働組合が交渉を行うことができることを保障するものである。
(イ)団体行動権は,労使の対立の解決が難しい場合,民間企業の労働組合が争議行動を行うことができることを保障するものである。
(ウ)団体交渉では,主に賃金や労働時間,休暇,休日が交渉される。その他,団体交渉の手続き,就業時間中の組合活動,専従役員の取り扱いなどについて交渉が行われる。
(エ)団体交渉がまとまり,その結果を明文化協定にすれば,それが労働協約となる。
(オ)調停とは,労働委員会が労使の自主交渉を促進するために,非公式に仲介するものである。
① 0 ② 1 ③ 2 ④ 3 ⑤ 4
【解説】正解② 青本78ページ労使関係管理からの出題です。
キーワードとその意味を正しく理解していれば簡単に解ける問題です。
調停労働委員会が調停案を作成し、当事者に受諾を勧告する。
(イ) が×になります。
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