技術士二次試験の合格を目指す受験生の皆さん、こんにちは。Yokosuba技術士受験講座を主宰している横浜すばるです。
受験申込を終え、いよいよ本格的な筆記試験対策(論文対策)に乗り出す時期になると、「どのように勉強を進めればいいのか分からない」「合格基準を満たす論文の具体的なイメージが湧かない」といった壁にぶつかる方が非常に多くなります。
実は、技術士二次試験の筆記試験対策において、準備すべきことは極めてシンプルです。
1.過去問題の入手
2.信頼できる模範解答の入手
基本的には、この2つを正しく活用できれば受験対策のベースは完了します。日本技術士会のホームページで公表されている過去問を何度も読み込み、それに対する質の高い模範解答を徹底的に理解・分析することが、合格への最短ルートです。
本記事では、多くの受験生が苦戦する令和2年度の建設部門「必須科目Ⅰ-2」(社会インフラの老朽化と戦略的なメンテナンス)を題材に、試験官から高く評価される「A判定模範解答例」を公開します。さらに、論文を本番で使いこなすための応用テクニック「カレーライス理論」や、合格のための論文構成ポイントについても詳しく解説します。
技術士筆記試験の基本攻略:過去問と模範解答の使い方
「模範解答を入手したら、一字一句丸暗記しなければいけないのか?」と不安に思う必要はありません。大切なのは、「文章の流れ(論理構成)」を理解して暗記することです。
なぜ「文章の流れ」の暗記が重要なのか?
技術士試験では、過去問と全く同じ問題が出題されることはありませんが、「問われる本質(テーマや論理の組み立て方)」は繰り返し出題されます。
構成の流れが頭に入っていれば、たとえ本番で少し切り口の違う問題が出されても、覚えた知識を柔軟にカスタマイズして合格論文を書き上げることができるようになります。
応用力を高める「カレーライス理論」とは?
当講座では、この合格テクニックを「カレーライス理論」と呼んでいます。
| 料理の要素 | 技術士論文での例え | 説明 |
| ベース(カレーのルー) | 暗記した模範解答の骨組み | どのような問題にも対応できる普遍的な論理構成。 |
| 具材の調整 | 問題文の「題意」に合わせた加工 | 出題されたキーワードや制約条件に合わせて、表現や具体例を入れ替える。 |
どれだけ美味しいカレーのルー(優れた論文構造)を用意していても、具材(問題文への対応)が合っていなければ評価されません。暗記した論文をそのまま吐き出すのではなく、問題文の題意に合うように、覚えた論文をその場で「加工」する意識を持ちましょう。
技術士建設部門|必須科目Ⅰ-2|問題(令和2年度)
Iー2我が国の社会インフラは高度経済成長期に集中的に整備され,建設後50年以上経過する施設の割合が今後加速度的に高くなる見込みであり,急速な老朽化に伴う不具合の顕在化が懸念されている。また,高度経済成長期と比べて,我が国の社会・経済情勢も大きく変化している。
こうした状況下で,社会インフラの整備によってもたらされる恩恵を次世代へも確実に継承するためには,戦略的なメンテナンスが必要不可欠であることを踏まえ,以下の問いに答えよ。
( 1 )社会・経済情勢が変化する中,老朽化する社会インフラの戦略的なメンテナンスを推進するに当たり,技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し,その内容を観点とともに示せ。
( 2 ) ( 1 )で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1っ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
( 3 ) ( 2 )で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれの対策について述べよ。
( 4 ) ( 1 ) ( 3 )を業務として遂行するに当たり必要となる要件を,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から述べよ。
参考:日本技術士会
出題背景の分析
この問題は、国土交通省の「インフラメンテナンス情報」や「国土交通白書」等で毎年大きく取り上げられる「インフラの老朽化」と「戦略的メンテナンス」がテーマです。 少子高齢化や労働力不足、厳しい財政制約といった「社会・経済情勢の変化」を念頭に置きつつ、いかに効率的かつ持続可能な維持管理体制を構築できるかが問われています。
技術士|建設部門|必須科目Ⅰー2|模範解答|令和2年度
(1) 戦略的メンテナンスに関する課題の抽出と分析
1)メンテナンスの生産性向上(制度・技術面の観点)
労働力人口が減少する中、高度経済成長期に整備されたインフラが今後一斉に老朽化を迎える。
膨大な老朽化インフラが存在するため、効率的かつ効果的なインフラの維持管理・更新が求められる。
したがって、アセットマネジメント導入、機械化、情報化など新しい制度や技術を総動員して、インフラメンテナンスの生産性向上が必要である。
2)担い手の育成・技術継承( 人材面の観点)
今後、高齢化に伴い多くの熟練の技術者・技能者の退職が見込まれている。
メンテナンス技術の空洞化防止、また膨大な老朽化対策に対応できる人員体制を確保するため、熟練者の持つ技術の継承が求められる。
したがって、知識や経験のデータ化、共有化など、高度化した担い手の育成・技術継承が必要である。
3)安定的・継続的な予算確保( 費用面の観点)
中長期的に、少子高齢化に伴う税収減や社会保障関係費の増加が予想される。
膨大なインフラを今後も維持管理・更新していくため、財政制約下の中で事業費の捻出が求められる。 したがって、LCC低減や長寿命化、予防保全への本格転換によるトータルコスト縮減や予算を平準化して、安定的・継続的な予算の確保が必要である。
(2) メンテナンスの生産性向上に向けた解決策
国民の社会的利益に最も資する課題1)を挙げる。
1)点検・診断の生産性向上
すべてを人力で行うことは非効率なため、機械化、情報化による省力化・省人化への取組が必要である。 この解決策として以下を提案する。調査・測量は、近接目視点検を補助するロボットや高精度計測および点群データが取得可能な3D測量を導入する。損傷把握は、AI画像診断や常時モニタリングを推進する。また収集データ類は、次段階へ利活用していく。
本提案は、安全かつ高精度、また効率化も図れることから、点検・診断の生産性向上が期待される。
2)修繕・更新の生産性向上
複雑かつち密さが要求される工事のため、手戻り、品質不良、公衆・労働災害防止への取組が必要である。 この解決策として以下を提案する。設計・施工計画は、BIM/CIMやフロントローディングを活用し、成果物の高度化・最適化を図る。実施工は、引き継いだ成果物を安全・品質・工程・施工の一元的な管理に活用し、機械化や情報化施工・検査にも役立てる。
本提案は、高品質化、安全性向上、省力化が推進されるため、修繕・更新の生産性向上が期待される。
3)インフラストックの適正化
維持管理・更新の対象となる施設が膨大なため、管理施設数の低減への取組が必要である。
この解決策として以下を提案する。社会・経済情勢や将来のまちづくり計画等を考慮した国土のコンパクト+ネットワーク化を推進する。また国勢調査やビッグデータなどエビデンスに基づく必要性や利用者・地域ニーズに応じたインフラの集約や再編に取り組む。
本提案は、管理施設の選択と集中が推進されるため、インフラストックの適正化が期待される。
(3)初期導入リスクと対策
新たな共通リスクは、初期導入時の人員・設備・情報などリソース確保に向けたコスト負担、新しい制度や技術に対応できる人材の確保・育成、また国民や利用者への理解浸透の促進が課題である。
対策は、積算基準や工事評点を含めた入札契約制度の改善、予算編成や税制の優遇措置、教育訓練や講習会の開催、また情報発信の高度化など、公的支援の拡充が必要と考える。
(4) 業務遂行に必要な要件・留意点
倫理の観点として、要件は、法令遵守、説明責任を果たし、常に公益を最優先にする。留意点は、資格取得や継続研さんの実施、また技術的根拠、公正な入札制度のもとで社会経済の発展に貢献する。
持続性の観点として、要件は、次世代にわたり国民の生命や財産を保護し、地球環境を保全する。留意点は、国内外の後進育成、多様な人材活用、技術革新の推進、財政の健全化など、SDGsの理念を遵守する。以上
この模範解答から学ぶ!論文作成の「合格ポイント」
上記の模範解答が、なぜ高い評価(A判定)を受けるのか、その理由を技術士試験の採点基準に照らし合わせて解説します。
| 評価項目 | 模範解答でのアプローチ | 合格のためのアドバイス |
| 多面的なアプローチ | 課題抽出において「制度・技術」「人材」「費用」という異なる3つの観点から論理的に記述している。 | 「技術の課題」ばかりに偏らず、必ず「人」「お金」「仕組み」などの異なる切り口を混ぜる。 |
| 論理の一貫性 | (1)で挙げた「生産性向上」を(2)の最重要課題とし、(2)の解決策から共通するリスクを(3)で抽出している。 | 設問(1)〜(4)のストーリーが一本の線でつながっているか、何度も読み直して確認する。 |
| 専門知識の具体性 | BIM/CIM、フロントローディング、コンパクト+ネットワーク、AI画像診断など、現代のトレンドキーワードが適切に盛り込まれている。 | 国土交通省の最新施策や白書のキーワードを、単なる流行語ではなく「解決策の手段」として正しく使う。 |
技術士の筆記試験は、知識の量を問う「暗記テスト」ではなく、「与えられた課題に対して、エンジニアとして論理的な思考を展開できるか」を測るコンサルティング能力のテストです。この論文構成パターンを自分のものにすることが、合格への第一歩です。
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当講座の代表である私、横浜すばるは、技術士一次試験、二次試験(建設部門)、総合技術監理部門のすべてを「1回(一発)」で合格しました。これは単に運が良かったわけではなく、「試験に合格するための技術(ノウハウ)」を完全に体系化し、それを実践したからです。
講座の3つの柱
- 受験対策資料【合格する論文の黄金法則】演繹法・帰納法を用いた論理的思考法から、業務経歴票の作成、記述式試験の採点基準まで、一発合格のノウハウを凝縮したPDF資料をお渡しします。
- 全7回のオンライン講座&無料メルマガモチベーションを維持しながら、受験生が勘違いしやすいポイントや最新の試験傾向、論文の書き方を動画とテキストで分かりやすく指導します。
- 回数無制限の「個別指導講座(論文添削)」実際に過去問を使って書いていただいた論文を、徹底的に査読・講評します。受講期間内であれば添削回数に制限はありません。納得がいくまで何度でもブラッシュアップに付き合います。
こんな方におすすめです
- 合格する論文の具体的な書き方が分からず悩んでいる方
- 仕事が忙しく、通学制のスクールに通う時間がない方
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- 将来的に技術士の資格を活かしたキャリアアップや副業を考えている方
開講以来17年、これまでに500名以上の受講生を指導し、多くの技術士を輩出してきた確かな実績があります。次はあなたの番です。
まとめ
令和2年度の必須科目Ⅰ-2を例に、インフラ老朽化と戦略的メンテナンスに関するA判定論文の構成を解説しました。
何度も繰り返しますが、論文対策は「優れた模範解答の論理構成を理解し、頭の中に引き出し(パターン)を作ること」から始まります。その引き出しが一定数を超えたとき、どんな初見の問題に対しても、題意に沿った合格論文を制限時間内に組み立てられるようになります(カレーライス理論)。
効率的に学び、少ない勉強時間で確実に合格を勝ち取りたい方は、ぜひ「Yokosuba技術士受験講座」の扉を叩いてみてください。まずは無料のメルマガ登録から、合格への一歩を踏み出しましょう!

