技術士受験を考えたら
技術士の受験を考えたら、まず一次試験を受験して合格することです。
実際のところ技術士は難関資格ですが、一次試験は比較的簡単に合格できます。
もしくは文部科学大臣が指定したJABEE認定課程を修了することです。
技術士になるのには、下図の試験の仕組みを理解しましょう。

技術士一次試験は以下のように行われます。
■受験資格
年齢、学歴、業務経歴等による制限はない。
■試験の方法
試験は、筆記試験により行う。
■試験科目
試験は、総合技術監理部門を除く20の技術部門について行う。
(1) 基礎科目として、科学技術全般にわたる基礎知識。
(2) 適性科目として、技術士法第4章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性。
(3) 専門科目として、受験者があらかじめ選択する1技術部門に係る基礎知識及び専門知識。
なお、一定の資格を有する者については、技術士法施行規則第6条に基づいて試験の一部を免除する。
■正答の発表
1週間後に技術士会ホームページで正答を公表する。
■試験の日時、試験地及び試験会場
試験日 11月下旬の日曜日
試験地及び試験会場
次の都道府県において行い、試験会場は、10月下旬頃の官報に公告する。
北海道、岩手県、宮城県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県、広島県、香川県、愛媛県、福岡県、鹿児島県及び沖縄県。
なお、試験会場については、受験者があらかじめ選択する試験地における会場を本人宛てに別途通知する。
■受験申込書等配布期間
6月上旬~下旬
■受験申込受付期間
6月上旬~下旬
郵送もしくはWebによる申込のいずれかによる。
■合格発表
2月
参考:日本技術士会
日程に関しては技術士会ホームページ「技術士一次試験の実施について」で確認します。
この案内は毎年11月中旬頃に公表されます。
必ずご自身でホームページを確認しましょう。
そして手帳に予定を記入して、日程を空けておきます。
試験の受験地は自分で選べます。
なるべくお住まいの近くの受験地で受験することをお勧めします。
1年間を通しての試験のイメージを頭の中に入れておきます。
技術士一次試験は技術士二次試験を受験するためのパスポートです。
試験は年に1回しか実施されません。
不合格になったり受験しなかった場合は、来年また受験をすることになります。
択一式試験なので、まぐれで合格する可能性もあります。
技術士受験を考えたら、技術士一次試験は必ず申込みましょう。
試験科目と内容
技術士一次試験は「専門科目」「適正科目」「基礎科目」から構成されています。
各々の正解が50%以上で合格になります。
択一式試験で5つの選択肢の中から正解の1つを選ぶ試験です。
専門科目
内容
選択した技術部門に係る基礎知識及び専門知識に関する問題
下記の20技術部門の中から1技術部門を選択
表-1:技術士の技術部門
| 技術部門 | 専門科目 | 専門科目の範囲 |
|---|---|---|
| 01.機械部門 | 機械 | 材料力学/機械力学・制御/熱工学/流体工学 |
| 02.船舶・海洋部門 | 船舶・海洋 | 材料・構造力学/浮体の力学/計測・制御/機械及びシステム |
| 03.航空・宇宙部門 | 航空・宇宙 | 機体システム/航行援助施設/宇宙環境利用 |
| 04.電気電子部門 | 電気電子 | 発送配変電/電気応用/電子応用/情報通信/電気設備 |
| 05.化学部門 | 化学 | セラミックス及び無機化学製品/有機化学製品/燃料及び潤滑油/高分子製品/化学装置及び設備 |
| 06.繊維部門 | 繊維 | 繊維製品の製造及び評価 |
| 07.金属部門 | 金属 | 鉄鋼生産システム/非鉄生産システム/金属材料/表面技術/金属加工 |
| 08.資源工学部門 | 資源工学 | 資源の開発及び生産/資源循環及び環境 |
| 09.建設部門 | 建設 | 土質及び基礎/鋼構造及びコンクリート/都市及び地方計画/河川、砂防及び海岸・海洋/港湾及び空港/電力土木/道 路/鉄 道/トンネル/施工計画、施工設備及び積算/建設環境 |
| 10.上下水道部門 | 上下水道 | 上水道及び工業用水道/下水道/水道環境 |
| 11.衛生工学部門 | 衛生工学 | 大気管理/水質管理/環境衛生工学(廃棄物管理を含む。)/建築衛生工学(空気調和施設及び建築環境施設を含む。) |
| 12.農業部門 | 農業 | 畜 産/農芸化学/農業土木/農業及び蚕糸/農村地域計画/農村環境/植物保護 |
| 13.森林部門 | 森林 | 林 業/森林土木/林 産/森林環境 |
| 14.水産部門 | 水産 | 漁業及び増養殖/水産加工/水産土木/水産水域環境 |
| 15.経営工学部門 | 経営工学 | 経営管理/数理・情報 |
| 16.情報工学部門 | 情報工学 | コンピュータ科学/コンピュータ工学/ソフトウェア工学/情報システム・データ工学/情報ネットワーク |
| 17.応用理学部門 | 応用理学 | 物理及び化学/地球物理及び地球化学/地 質 |
| 18.生物工学部門 | 生物工学 | 細胞遺伝子工学/生物化学工学/生物環境工学 |
| 19.環境部門 | 環境 | 大気、水、土壌等の環境の保全/地球環境の保全/廃棄物等の物質循環の管理/環境の状況の測定分析及び監視/自然生態系及び風景の保全/自然環境の再生・修復及び自然とのふれあい推進 |
| 20.原子力・放射線部門 | 原子力・放射線 | 原子力/放射線/エネルギー |
時間
10:30~12:30(2時間)
配点
35問題のうち25問題を選択 1問題2点 50点満点
合格基準
50%以上(25点以上)
適性科目
内容
技術士法第4章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性
時間
13:30~14:30(1時間)
配点
15問題すべてに解答 1問題1点 15点満点
合格基準
50%以上(8点以上)
基礎科目
内容
科学技術全般にわたる基礎知識に関する問題
次の(1)~(5)のとおり
(1) 設計・計画に関するもの(設計理論、システム設計、品質管理等)
(2) 情報・論理に関するもの(アルゴリズム、情報ネットワーク等)
(3) 解析に関するもの(力学、電磁気学等)
(4) 材料・化学・バイオに関するもの(材料特性、バイオテクノロジー等)
(5) 環境・エネルギー・技術に関するもの(環境、エネルギー、技術史等)
時間
15:00~16:00(1時間)
配点
15問題すべてに解答 1問題1点 15点満点
合格基準
50%以上(8点以上)
合格率
技術士一次試験の合格率は30~50%程度になります。
受験年度により合格率は変わりますが、おおむね40%程度になります。
合格者の最年少は小学三年生のになります。
技術士一次試験に関しては、理系の学校を卒業している社会人であれば、勉強さえすれば合格は確実にできると考えられます。
技術士二次試験の合格率が10%以下なので、一次試験は技術士という資格に興味をもったのならばなるべく早く受験して合格したほういが賢明だといえるでしょう。
受験対策
受験対策の準備
技術士一次試験を受験すると決めたら、受験科目を決めます。
受験部門はどの部門でも構いません。
技術士二次試験を受験するためのパスポートになるため、一次試験の合格部門に関係なく技術士二次試験の部門を決められます。
受験対策の準備は簡単です。
■過去問題の入手
■過去問題解答
基本的にこの2つを入手すれば受験対策の準備は完了です。
この2つは技術士会のホームページで公表されています。
技術士会のホームページに公表しているということは、事前にこの過去問題を勉強しなさいという連絡になります。
まずは過去問題を解いてみます。
合格基準が50%以上になります。
得点が40%以上であれば、基礎的な知識や考察ができていると考えていいでしょう。
過去問題とその解説が書いてある問題集を探して購入します。
得点が40%以下であれば、基礎的な知識や考察が足りないと考えてください。
基本的な考え方をみにつけるための参考書を探して購入します。
基本的に事前に準備するものはこれだけです。
参考書や問題集は何冊も購入しすべて中途半端に読むよりも、1冊を熟読したほうが学力は確実につきます。
過去問題を解くうえで特に大事なことは「自分がどの分野が得意」で「どの分野が不得意」かを認識することです。
得意な分野は現状維持、不得意な分野は時間を費やし得点できるように勉強します。
たとえば建設部門では以下の科目から出題されます。
表ー2:建設部門の専門科目
1.土質及び基礎
2.鋼構造及びコンクリート
3.都市及び地方計画
4.河川、砂防及び海岸・海洋
5.港湾及び空港
6.電力土木
7.道 路
8.鉄 道
9.トンネル
10.施工計画、施工設備及び積算
11.建設環境
この中からどこが「得意分野」でどこが「不得意分野」かを認識してください。
得意・不得意で分類することが難しいのであれば、「なんとなく好き」か「なんとなく嫌い」でも構いません。
これから勉強する分野の優劣を決めてください。
技術士一次試験は各科目とも50%以上得点できれば合格です。
裏を返せば49%は間違えても構わないのです。
49%を捨てても構わないのです。
効率的に勉強するとは、50%ギリギリを狙った勉強をするということです。
そのことを肝に銘じてください。
次は勉強の方法を紹介します。
問題集・参考書の選び方
問題集や参考書を選ぶポイントは、まず目次が分かりやすい否かになります。
目次がわかりやすければ、全体が分かりやすい構成になっていると考えられます。
次に過去問題を解いた時に認識した「得意分野」と「不得意分野」の解説を読みます。
理想をいえば「得意分野」も「不得意分野」の両方が分かりやすいものを選ぶの望ましくなります。
両分野とも分かりやすい問題集や参考書があれば、それを購入しましょう。
「目次」「得意分野」「不得意分野」これらを読み比べて、どれが自分に最適かを判断して購入します。
どの問題集や参考書を選んでも、その資料で勉強して合格している人もいれば不合格になっている人もいるはずです。
どの問題集や参考書を選んでも、それだけで合格している人はいないはずです。
どの問題集や参考書を選んでも、何かが足りないはずです。
その足りないところは自分自身で補う必要があることを認識してください。
問題集や参考書は1ページ目から読むな
技術士一次試験は「専門科目」「適正科目」「基礎科目」の各々50%以上の得点で合格できます。
ここで合格する考え方は、「確実に50%得点する」ことになります。
「確実に50%得点する」ためには、点数を取りやすい分野から得点することになります。
たとえば建設部門では表ー2の専門科目があります。
過去問題を解くことで「得意分野」と「不得意分野」が判明しました。
「確実に50%得点する」ためには、「得意分野」「なんとなく好き」から勉強を始めます。
この得点の取りやすい分野から勉強を始めて、徐々に苦手分野に手を広げてください。
少なくとも何も考えずに問題集や参考書の1ページ目から勉強するのは避けてください。
時間の無駄です。
100点満点を取る必要はないのです。
50%以上取れば合格なのです。
常にそのことを肝に銘じて勉強をしてください。
得点しやすい分野から得点する
たとえば建設部門では表-2のように11分野の専門科目があります。
その中で比較的に出題数が多いのが「土質及び基礎」「鋼構造及び他のコンクリート」になります。
出題数が多いで避けて通ることはできません。
しかし出題数が多いのですが、難問も多くあります。
おそらくこの分野を得意とする受験生が多いので、このような出題傾向にしていると考えられます。
反対に「港湾及び空港」「電力土木」「鉄道」「トンネル」は出題数は少ない割に、毎年同じような問題が出題されます。
一度覚えてしまえば、確実に得点できる問題が出題されます。
理由は分かりませんが、この分野は受験生が少なく、技術の進歩もあまりないため同じような問題が多いと考えれれます。
また他の専門科目へ汎用できる技術も少ないため、解答を敬遠する受験生も多いと考えれます。
技術士の勉強は常に自問自答です。
過去問題と向かい合いながら「どこを勉強するのか」「なぜ勉強するのか」を常に意識することです。
特に出題頻度が高く分野、確実に得点できる分野を集中的に勉強します。
そして自分が正しく勉強できているか、その問題を正しく理解しているかを認知してください。
これを「メタ認知」といいます。
この「メタ認知力」の高さが後の技術士二次試験でも生かされてきます。
勉強時間の確保
仕事が忙しくて勉強する時間がないという方がいます。
はっきりいいますが、仕事で余った時間を勉強にまわすのではなく、先に勉強する時間を確保してください。
勉強する時間は平日1時間です。
これを1年続ければ合格できます。
平日の日数は月20日程度です。
1日1時間勉強すれば1か月で20時間勉強できます。
1年で240時間勉強できます。
これだけ勉強すれば技術士一次試験に限らずたいていの試験は合格します。
半分さぼって1日30分の勉強だとしても、1年で120時間あります。
これでもたいていの試験は合格できると思います。
私の場合は通勤時間を活用しました。
当時新卒で働いていた会社を辞めて新しい会社に派遣社員という形で就業していました。
片道の通勤時間が2時間近くありあました。
幸い往復は座れました。
行きは寝ていましたが、帰りは問題集や参考書を読んで勉強しました。
暇つぶしにぴったりの時間でした。
同じ職場の同僚は昼休みに30分程度勉強していました。
この方も技術士一次試験に合格しました。
勉強する時間は平日1時間です。
そしていつ勉強するかを決めてください。
朝就業前に勉強した方もいました。
夕方終業後に勉強した方もいました。
通勤時間に勉強した人もいました。
仕事の合間に勉強した人もいました。
合格する人は必ず勉強する時間を決めているのです。
不合格になる人は勉強する時間を決めていないのです。
単純に違いをこれだけです。
合格したいと思ったなら、勉強する時間を決めて1年間実行しましょう。
受験票が届いてから試験前日まで
受験票が届いたら受験会場を確認します。
自宅から遠いのであれば、前泊したほうがいいでしょう。
ホテルを事前に予約しましょう。
お金が掛かると思う方もいるかもしれませんが、不合格になれば来年もう1年待たなければなりません。
お金はなくなれば、また稼げばいいのです。
失った時間は戻りません。
ホテル代くらいは合格すればすぐに回収できます。
自宅もしくは宿泊地から試験会場の道順も確認します。
交通機関も確認します。
試験開始までに会場に着けなかった場合は失格になる可能性があります。
特に公共のバスを利用する場合は渋滞による遅刻が考えれれます。
確実に試験前までに到着する計画を検討しましょう。
受験票には試験で使用できる持ち物が記述されています。
持っていくものを決めます。
試験で使用できないものを事前に確認します。
試験当日のお弁当や飲み物は事前に購入しておきましょう。
少なくとも当日に試験会場の近くで調達はやめましょう。
受験生が多いし、休憩時間も限られています。
当日の朝になるべき早めに行動しお弁当と飲み物を確保しましょう。
試験の1週間前には技術士会ホームページを確認します。
ここで試験に関する注意事項が発表されます。
天候不良時の対応などが書かれています。
よく理解して当日に不測の事態で慌てることのないようにしましょう。
試験の前日と当日は仕事は休みましょう。
私が過去に在籍していた会社では、前日に仕事で徹夜して試験に挑んだ方がいました。
適正試験の得点で50%に達していなくて不合格になりました。
なんと試験中に居眠りをしていたそうです。
今時このような会社はないとおもいますが、適当に用事を作って仕事から抜け出してください。
技術士は最終的には社畜から抜けられるための、有効な資格なのです。
体調を万全して試験に挑みましょう。
試験は必ず受験してください。
技術士一次試験の合格者は対受験者数に対して40%程度になります。
受験者の半数近くが合格する試験です。
マークシートなのでまぐれで合格する可能性もあります。
合格者の最年少が小学生です。
しかし、受験しなければ絶対に合格しません。
技術士会のホームページの統計情報を見ればわかりますが、毎年30%近くの方が受験をしません。
「どうせ不合格だろう」「めんどくさい」などの理由で受験をしないのです。
「合格」の「反対」は「不合格」ではありません。
「合格」の「反対」は「受験しない」ことになります。
試験は必ず受験しましょう。
まとめ
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
ここに書いたことは、当たり前のことばかりになります。
当たり前のことを実行すれば合格するのです。
しかし、その当たり前のことができる受験生は全体の数パーセントしかいません。
裏を返せば当たり前のことさえできれば、技術士は誰でも合格できる試験だということです。
技術士の受験を考えたら、迷わず技術士一次試験を受験してください。
このパスポートがなければ技術士二次試験は受験できないのです。
技術士二次試験を受けるか否かはその後に考えればいいことです。
あなたの技術士一次試験合格を祈念しております。

