令和2年度技術士建設部門土質及び基礎Ⅱー2-1 A判定の論文

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問題

Ⅱー2ー1供用開始日が設定されている片側1車線道路の計画路線において,模式図で想定される地盤上に建設中の道路盛土がある。盛土を計画高まで盛り立てた直後に図の奥行き方向の約50 m区間に渡り,盛土天端に縦断方向のクラックが見つかり,その数時間後に天端の沈下,法尻付近の水平変位と隣接の水田面までの隆起が確認された。あなたが道路建設事業に携わる地盤技術者の立場として,本事象について,応急対策,発生原因の究明及び本復旧対策を検討する業務を進めるに当たり,下記の内容について記述せよ。
( 1 )調査・検討すべき事項とその内容について説明せよ。
( 2 )業務を進める手順とその際に留意すべき点,工夫を要する点を含めて述べよ。
( 3 )業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
参考:日本技術士会

解答

(1)調査・検討すべき事項とその内容
①水田隆起被害エリアや盛土側方移動領域の調査
 水田が隆起していることから、盛土施工による周辺影響被害の全容を調査し現状回復を検討する。
②基礎地盤の地層状況の把握
 柱状図にN値、地下水位等の記載が無く、PBDが硬い層で高止まりしている可能性を調査するために、サンプリングと標準貫入試験を併用した、ボーリング調査により、層の強度、N値、地下水位等地盤の詳細データを取得する。
③盛土材料の特性把握
 盛土に変位が生じているため、盛土締固めに適した材料かまたは、盛土内で浸透水が飽和しないかを評価するために、盛土材料を室内試験にかけ、粒度や単位体積重量、最大乾燥密度、透水係数k等を調査する。
④盛土の安定検討
 盛土の安全性を照査するために、すべり破壊による安全率1.2(道路土工に記載)以上であるかを三軸圧縮試験等から得た地盤定数(粘着力C・内部摩擦角Φ等)を設定し円弧すべりの検討を実施する。
⑤地盤の圧密沈下
 盛土の沈下や周辺水田の隆起を考慮し、地盤の圧密沈下量や残留沈下を予測するために、圧密試験の結果から体積圧縮係数mvや圧縮指数Cc、圧密係数Cvを把握する。

(2)業務を進める手順と留意点・工夫点
 業務手順は、a)対策本部等の組織編制と目標の設定、b)既往資料調査と施工計画の策定、c)地盤調査の実施と支持力検討、d)盛土や支持地盤の安全性照査、e)PBD構造と盛土復旧の詳細検討、f)最適工法の選定となる。留意点は、c)d)e)において沈下量を許容値以内に納めるために必要な仕様を明確にする。また、計測による設計の妥当性検証と監視方法の計画である。工夫点は、d)において地盤の変形係数は施工に伴う、せん断ひずみや有効拘束圧の影響を加味して設定することである。

(3)業務の効率化と効果的な関係者調整方策
 a)は、対策前に主担当者として地質調査業者・設計業者・施工業者・事業主体・行政関係者・水田地主・農業用水組合等と業務プロセス情報の誤解等のミスを無くすために、会議や議事録・書面等によって明確な情報共有を率先し、コスト・品質・工程に関する調整協議の円滑を図る。b)は、施工前に主担当者が施工業者等の関係者と対策変更等の協議を迅速化するため、週例・月例会議を設け、コミニケーションを取れる場を作り計画策定につなげる。c)の調査専門業者との調整では、各調査の工程調整を協議するため、zoom等のSNSにより毎日ミーティングを開催し混在作業の調整や作業重複等を回避する。d)e)f)の設計スタッフとの調整は、検討条件や検討結果の最新情報を一元管理し、インターフェースでの情報伝達ミスを防止する。以上。

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横浜すばる技術士事務所代表
技術士(建設部門ー施工計画、施工設備及び積算) (総合技術監理部門)
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