令和4年度建設部門土質基礎Ⅱー2-2 論文の添削

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問題

Ⅱー2ー2埋立地盤上に杭基礎形式の重要構造物(以下構造物という。)が50年前に建設されている。構造物建設時に地質調査(標準貫入試験,粒度試験)が2箇所で実施されており,調査結果の概要は【模式図】に示すとおりである。また,構造物前面の敷地境界の運河側には幅12mの市道が供用されている。構造物を所有する事業者は企業BCP の観点から,構造物基礎の耐震補強を計画している。耐震補強の実施に当たり,土質及び基礎を専門とする技術者の立場から,以下の内容について記述せよ。なお,地震に伴う大規模な津波は発生しないものとする。
( 1 )調査・検討すべき事項を2つ以上挙げて内容を説明せよ。
( 2 )本構造物周辺の地盤条件を考慮した耐震補強業務を進める手順を列挙して,それぞれの項目ごとに留意すべき点,工夫を要する点を述べよ。
( 3 )耐震補強業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

R4土質基礎

参考:日本技術士会

解答

1 .調 査 ・ 検 討 す べ き 事 項
1 )調 査
 既 存 地 質 調 査 結 果 が 運 河 側 に は 存 在 し て い な い こ と から , 運 河 側 で 追 加 の ボ ー リ ン グ 調 査 が 必 要 で あ り , コ ア試 料 で 土 質 試 験 も 実 施 し て お く べ き で あ る .
2)検 討
①地 盤 調 査 報 告 書 の 読 込 : 既 往 の 報 告 書 内 容 を 正 確 に 把握 し す る . 支 持 層 と な る 沖 積 砂 質 土 ( A s 2 層 ) は 水 平成 層 で は な い の で , 地 質 図 上 に 記 載 さ れ て い る 地 層 境 界の 正 確 性 に つ い て 注 意 す る .
②液 状 化 検 討 : N 値 が 1 0 以 下 で 地 下 水 位 以 下 に あ る 地層 の 液 状 化 の 可 能 性 を 事 前 に 把 握 す る . 特 に , 細 粒 分 含有 率 , 塑 性 指 数 , 平 均 粒 径 に 注 意 す る .
③側 方 流 動 検 討 : 液 状 化 が 発 生 し た 際 に 側 方 流 動 を 引 き起 こ す か ど う か 検 討 し , 杭 へ の 影 響 を 検 討 す る .
④ネ ガ テ ィ ブ フ リ ク シ ョ ン 検 討 : 沖 積 粘 性 土 で 圧 密 沈 下が 発 生 し た 場 合 , ネ ガ テ ィ ブ フ リ ク シ ョ ン に よ る 杭 の 損傷 が 考 え ら れ る こ と か ら , 検 討 が 必 要 で あ る .
⑤P H C 杭 の 座 屈 検 討 : 地 震 時 荷 重 が 発 生 し た 場 合 , PH C 杭 へ の 影 響 を 検 証 す る . ま た , ネ ガ テ ィ ブ フ リ ク ショ ン に よ る 摩 擦 力 向 上 の 影 響 も 併 せ て 確 認 す る .
⑥土 質 試 験 : 上 記 検 討 の た め , 粒 度 試 験 , 液 塑 性 限 界 試験 , 三 軸 圧 縮 試 験 , 圧 密 試 験 を 実 施 す る ⑦不 陸 部 で の 杭 先 端 の 着 底 状 況 : 沖 積 層 は 水 平 成 層 で はな く 傾 い て い る の で , 杭 先 端 部 が 確 実 に 支 持 層 に 着 底 して い る こ と を , 施 工 記 録 や柱 状 図 を 確 認 す る .

2.手 順, 留 意 点 , 工夫 点
①現 地 踏 査 :現 地 状 況 を 目視 で 確 認 し , 実 際 の構 造 物の状 況 や護 岸の 状 況 を 把 握 す る . 杭 基 礎 ,敷 地 境 界 ,護 岸の 現 状 に留 意 す る . 工夫 点と し て ,後 で 再 確 認 で き る よう に3 60 度カ メ ラで 撮 影 を し て お く .
②調 査 ・ 分析 : 追 加 ボ ー リ ン グ 調 査 お よ び 追 加 土 質 試 験結 果 に 基づ き , 地 層 境 界 , 圧 密 沈 下量 , 液 状 化 ・ 側 方 流動 の 検 討 , 杭 の 座 屈照 査 を 実 施 す る . 地 層 の 傾 き に留 意し , 工夫 点と し て , 表 面波 探査 で 重 要構 造 物 近 傍の 土 質物 性 を 分布 的に 把 握 す る こ と が 効 果的 で あ る .
③施 工計 画: 耐 震 補 強工 事 と し て ,固 結 工法 を 検 討 す る重 要構 造 物 直下 の 地 盤改 良を 考慮 す る と ,高 圧 噴 射 撹 拌工 法 や 薬 液 注 入 工法 に よ る 地 盤改 良が 考 え ら れ る .留 意点 と し て , 施 工 時 の騒 音・ 振 動 は ,低 騒 音 型の 施 工機 械を 使 用 す る . 工夫 点と し て , 圧 力 に よ る 地 盤変 状 を防 ぐた め , 圧 力 ・ 流量 を 管 理し つ つ , 重 要構 造 物 近 傍で は監視 員を 配 置し ,護 岸 変 形を G N S S 測 量で リ アル タ イ ムに 管 理す る .

3.関 係 者と の 調整 方 策
耐 震 補 強に 関 す る 検 討 内 容 , 施 工計 画に つ い て , あ らか じ め 道 路 管 理 者お よ び 河川 管 理 者と 情 報 共 有 し て お き敷 地 境 界 を侵 し た り護 岸の 変 状 は な い こ と を しっ か り理解 し て も ら い , 工 事 を円 滑に 進 め る.以 上

解説

この論文は令和4年度でⅡー1とⅡー2を合わせてB判定だった論文です。
今回はⅡー2-2についてどこが悪かったのかを解説していきます。

まず設問ではまず最初に以下が求められています。

構造物を所有する事業者は企業BCP の観点から,構造物基礎の耐震補強を計画している。耐震補強の実施に当たり,土質及び基礎を専門とする技術者の立場から,以下の内容について記述せよ。なお,地震に伴う大規模な津波は発生しないものとする。
( 1 )調査・検討すべき事項を2つ以上挙げて内容を説明せよ。

まずこの答案で非常に残念なのは「調査・検討すべき事項を2つ以上挙げて」という要求事項を満たしていないということです。

調査する事項が1つ、検討する事項が7つ挙げられているのです。

そして模式図からこの構造物耐震補強のポイントがずれている点です。
「耐震」とは文字通り「地震に耐えうる」という意味です。
土質及び基礎において耐震補強で考えなくてはならないことは、「液状化の懸念」と「杭の支持力不足」になります。
書き方としては以下のようになります。

調査・検討する事項①:地震時の液状化に対する構造物の安全性を調査・検討する必要がある。
調査・検討する事項②:地震時において杭の根入れ不足による重要構造物の安全性を調査・検討する必要がある。

調査・検討する事項①は砂質土で地下水位が高いので、当然液状化すると考えられます。
液状化に耐えうるか否かを調査・検討しなければなりません。

調査・検討する事項②については杭の支持層が傾斜しているという点です。
地質調査が2点しか行われいないため海側の杭は根入れ不足の可能性があります。

この2点を大きく外しているので、選択科目ⅡはB判定だったと考えられます。
選択科目Ⅲで挽回しているため、筆記試験は合格しています。

「調査・検討する事項」を問われた際には、模式図をよく読み問題で求められている「ボトルネック」を読み取ってください。
その「ボトルネック」が分かれば合格します。
落ち着いて考えれば分かる問題ばかりです。

この受験生は「ボトルネック」は理解していると考えています。
ただしその表現方法が適切ではないと判断されてB判定になったのではないでしょうか。
非常にもったいない解答だと思います。

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