技術士口頭試験には明確な採点基準が存在する
口頭試験は筆記試験の合格者に対して実施される試験であり、技術士としての適格性を判定することに主眼を置いた試験です。
筆記試験の記述式問題の答案および業務経歴を踏まえ実施され、筆記試験の繰り返しにならないように留意されています。
一方で、業務経歴等の内容を確認することがあるとも書かれており、試問の意図を考えた簡潔明瞭な回答が求められています。
総合技術監理部門を除く技術部門は、下記の配点です。
試験時間は20分で、延長は10分程度です。
Ⅰ 技術士としての実務能力
1. コミュニケーション、リーダーシップ 30点満点
2. 評価、マネジメント 30点満点
Ⅱ 技術士としての適格性
3. 技術者倫理 20点満点
4. 継続研さん 20点満点
配点を見れば分かるとおり、実務能力に関する配点が6割を占めています。
すなわち、実務遂行能力に関する4つのコンピテンシーを理解して回答する必要があることが分かると思います。
参考情報:日本技術士会
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)
筆記試験に合格したということは、専門知識、応用能力、問題解決能力および課題遂行能力は問題なく技術士に求められるレベルにあるということです。
■問題Ⅰでは、専門的学識、問題解決、評価、技術者倫理、コミュニケーションが評価項目
■問題Ⅱ-1では、専門的学識、コミュニケーションが評価項目
■問題Ⅱ-2では、専門的学識、マネジメント、リーダーシップ、コミュニケーションが評価項目
■問題Ⅲでは、専門的学識、問題解決、評価、コミュニケーションが評価項目
ここで、求められるコンピテンシーを思い出してください。
専門的学識、問題解決、コミュニケーション、リーダーシップ、評価、マネジメント、技術者倫理、継続研さんの8項目です。
口頭試験では、コミュニケーション、リーダーシップ、評価、マネジメント、技術者倫理、継続研さんの6項目が評価項目となっています。
専門的学識と問題解決は評価項目から外れています。
つまり、高度な専門技術ではなく、実務遂行能力が求められていることが明確にうかがえます。
いくら世界最先端の技術を使っていても、実務の遂行能力をアピールできなければ不合格になります。
口頭試験に求められているのは、高度な専門技術ではなく、実務遂行能力です。
参考情報:日本技術士会
口頭試験不合格者の共通点
口頭試験で求められている評価項目が明確になったところで、口頭試験で不合格になる人の共通点を探ってみます。
①採点基準を知らない人
技術士になるための試験を受けているのに、採点基準というルールを把握していないのです。
ルールを知らずに野球をして勝てますか?ルールを知らずにサッカーをして勝てますか?
対峙している相手を分析してください。
高度な専門技術は必要なく、必要なのは実務遂行能力です。
孫氏の兵法書にもあるとおり、彼を知り己を知れば百戦殆からずです。
②何を回答すれば良いか理解していない人
口頭試験で評価対象となるコンピテンシーは6項目あるとお伝えしました。
では、それぞれの項目は何を回答すれば良いか理解していますか?
例えば、リーダーシップと聞いて何を連想しますか?
高い目標のもと、部下を鼓舞して大きな成果に向けて獅子奮迅の活躍をする能力!
全く違います。
多様な関係者の利害等を調整し取りまとめる能力です。
これ、仮に知らなかったとすれば、全く見当違いの回答になると思いませんか?
コンピテンシーの内容は必ず見直してください。
勝手に言っているわけではありません、日本技術士会が正式に言っているのです。
③準備不足の人
まず受かりません。
口頭試験はまぐれで受かりません。
数少ない10%の不合格者になってしまいます。
筆記試験は消しゴムで消せばやり直しがききますよね。
口頭試験は発言後のやり直しがききません。
一度発言すればその発言をもとに口頭試験が進みます。
技術士としてふさわしい点はどこですか?
技術士として工夫した点はどこですか?
などなど、本番で突然聞かれてもコンピテンシーを踏まえた回答ができますか?
④自己研鑽をしない人 ⑤技術者倫理がない人
技術士法を思い出してください。
技術士の根幹となる技術士法第一条は、「科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的」と書かれています。
自己研鑽なく日進月歩する科学技術の向上に追いつけますか?
例えば、職場を見回してください。
大学を卒業したばかりの技術者はPython言語を普通に使っていませんか?
学会に参加すれば新しい工法や材料が報告されていませんか?
そして、国民経済の発展に資するためには公益確保が必須です。
公共の安全・環境の保全を優先して行動することが第一義ということです。
これ、どこかで見たことないですか?
3義務2責務ですよね。
ここまで読んだ人は準備をおろそかにすることはないと思いますが、想定質問から外れた質問があった際は、自己研鑽や公益確保の観点から回答するようにしてください。
そうすれば、減点されることはありません。
口頭試験ですが、最低3回は模擬口頭試験を実施することをおすすめします。
1回目は弱点の洗い出し、2回目はブラッシュアップ、3回目は最後の仕上げです。
特に対面での実施がおすすめです。
オンラインでも緊張すると思いますが、対面は自分が思っているよりも緊張します。
実際、横浜すばる技術士事務所で実施しているZoomでの模擬口頭試験では全く問題なかった人も、対面での模擬口頭試験だと緊張して頭が真っ白になる人も珍しくありません。
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不合格者の共通点
①採点基準を知らない人
②回答すべき内容を理解していない人
③準備不足の人
④自己研鑽していない人
⑤技術者倫理がない人
まとめ
不合格者の5つの共通点は伝わりましたでしょうか?
逆に言うと、この5つの共通点を具備した人にならなければいいのです。
技術士合格までもう少しです。
あと1か月、気合を入れて頑張りましょう
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