技術士二次試験口頭試験を意識した業務経歴票の作成

川
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業務経歴票[証明書]の目的

これまでの記事のなかで技術士二次試験において、いかに業務経歴票が重要ということはお伝えしてきました。受験申込書作成時から試験は始まっています。そして皆様ご承知の通り、業務経歴票は差し替えができません。ただの受験申込書という位置づけでは後々必ず痛い目にあいます。ですから、業務経歴票の目的をしっかりと理解し、作成していくことが求められます。
業務経歴書を作成する主な目的は以下の2つです。

1.受験資格の確認
二次試験の受験資格は下図の通りです。

必要な業務経験年数は4年ないし7年となります。
また、業務内容については、「科学技術(人文科学のみに係るものを除く。)に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く。)又はこれらに関する指導の業務」となります。これを業務経歴から確認します。
参考:日本技術士会

2.技術士としての実務能力の確認(業務内容の詳細)
技術士としての実務能力を確認するために、業務内容の詳細を記載します。口頭試験に進んだ場合には、業務経歴票を基に諮問が進みます。ですからここが最も重要となってきます。過去の記事でも述べましたが「口頭試験に耐えうる」。ここを意識しなければ、『経歴が技術士にふさわしい業務ではない』『経歴票の詳細の内容が技術士の資格を満たしていない』業務を選定してしまうことになります。
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諮問される内容を考慮した申込書作成

口頭試験では、業務経歴票を基に技術士としての実務能力が確認されることはお分かり頂けたと思います。では、口頭試験ではどのような観点から受験生の実務能力が確認されるのでしょう。
以下に列記していきます。

1.コミュニケーション
2.リーダーシップ
3.マネジメント
4.評価
5.継続研さん
6.技術者倫理

上記の6つの項目は必ず諮問されます。これは文部科学省から「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」として公表されています。ですから、試験官はこれらを確認する義務があります。
そして、コミュニケーション・リーダーシップ・マネジメント・評価については、業務経歴票を基に諮問されます。
では、どのように確認するのでしょうか。
口頭試験では次のように諮問されます。
『業務内容の詳細に記載した業務もしくは、経歴に記載した業務のなかで◯◯◯を発揮したことを説明して下さい』
※◯◯◯に上記1~4が入ります。

さて、もうお分かり頂けたと思います。
これまでの記事のなかで「口頭試験に耐えうる業務経歴票を作成しよう」と述べてきました。
口頭試験での諮問事項を意識して業務を選定し、業務内容の詳細に記載しなければ口頭試験で不合格になってしまいます。
もちろん、上記のコンピテンシーに加えて専門的学識や問題解決能力についても諮問されることがあります。そのため、通常の業務概要書ではなく技術的根拠を明確に示して作成していくことが求められます。

口頭試験はまだ先だからということで、準備を怠ると翌年にはまた筆記試験に臨むことになります。
受験申込書作成時から試験は始まっています。
技術士の称号を得るためには合格から逆算した計画を立てる必要があるのです。
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この記事を書いた人

技術士(建設部門ー鋼構造及びコンクリート)

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