【令和8年度】技術士二次試験「筆記試験」終了!合格を確実にするために今すぐ始めるべき現実的アプローチ

Kアリーナ

令和8年度(2026年度)の技術士二次試験、筆記試験を受験されたみなさん、本当にお疲れ様でした!
この試験のために、仕事の合間や休日を返上し、数ヶ月、人によっては数年にわたる過酷な受験勉強を続けてこられたことと思います。

当日は、あの膨大な記述量を制限時間内に全力で書ききり、心身ともに極限まで消耗しているのではないでしょうか。
まずは、これまでの努力と、試験本番を戦い抜いたご自身を大いに褒めてあげてください。

試験が終わった直後は、「やっと解放された!」「しばらく試験のことは何も考えずにゆっくりしたい」と思うのが自然な感情です。
しかし、厳しい現実をお伝えしなければなりません。
技術士試験における「筆記試験の終了」は、ゴールではなく、最終合格に向けた「第二章の幕開け」に過ぎないのです。

ここからの過ごし方、特に試験終了直後の数日間のアクションが、最終的な「技術士合格」の二文字を大きく左右します。

本記事では、令和8年度の試験動向を踏まえながら、筆記試験を終えたあなたが「今、この瞬間に絶対にすべきこと」を、どこよりも詳しく解説します。

目次

統計データから見る技術士二次試験の「リアル」

まず、みなさんが戦った技術士二次試験がどれほど過酷なものであるか、客観的なデータ(例年の傾向)から振り返ってみましょう。
技術士二次試験は、毎年数万人が申し込む国内最高峰の国家資格の一つですが、そのプロセスにはいくつかの大きな壁が存在します。

「受験申込者の約20〜30%が棄権する」という事実

技術士試験の大きな特徴として、「申し込んだものの、当日本番の試験会場に現れない人が非常に多い」という点が挙げられます。
例年、出願者のうち実際に受験するのは7割から8割程度です。

つまり、仕事の忙しさや準備不足を理由に、本番を迎える前に脱落してしまう人がこれだけいるということです。
激務の中で勉強時間を確保し、当日しっかりと席について解答用紙を埋めたというだけで、あなたはすでに「上位7〜8割の選ばれた受験生」の枠に入っています。

筆記試験の合格率はわずか「約10〜15%」

筆記試験は、技術士試験における最大の関門です。
総合技術監理部門を含め、多くの部門で筆記試験の合格率は10%台前半、厳しい部門では10%を切ることもあります。
専門知識、応用能力、問題解決能力、そして課題遂行能力を、あの短い時間の中で論理的な文章としてアウトプットしなければならないため、非常に狭き門となっています。

口頭試験の合格率は「約90%」

筆記試験という超高難度の壁を突破した先にあるのが「口頭試験」です。
口頭試験の合格率は例年90%前後と、非常に高い数値となっています。
「9割受かるなら、筆記さえ受かれば一安心だ」と思うかもしれません。
しかし、これは「筆記を勝ち抜いた猛者たち(上位10%)の中で、さらに10%が落とされる試験」という意味です。決して油断できる試験ではありません。

これらのデータから言えることは、「筆記試験が終わった今の時期から、いかに次の口頭試験を見据えて動けるか」が、残りの10%に落とされないための絶対条件であるということです。

【最優先タスク】鉄は熱いうちに打て!「再現論文」の作成

試験終了後、荷物をまとめて家に帰ったら、あるいは遅くとも試験翌日中までに、何よりも最優先で行わなければならないタスクがあります。それが「再現論文の作成」です。

「終わった試験の解答をわざわざ思い出したくない」「手応えがなかったから書くのが苦痛だ」という気持ちは痛いほど分かります。
しかし、再現論文を作らないまま放置することは、合格の可能性を自ら下げる行為に等しいと言えます。

なぜ、そこまで再現論文の作成が重要なのでしょうか。理由は大きく分けて3つあります。

理由①:口頭試験で「あなたの論文」が諮問(質問)されるから

口頭試験は、あなたが提出した「業務経歴票」と、筆記試験で記述した「解答論文」をベースに実施されます。試験官の手元には、あなたが本番で提出した解答用紙のコピーが置かれていると考えてください。
口頭試験では、以下のような質問が飛んでくることが珍しくありません。

■「筆記試験の選択科目Ⅲで〇〇と提案していますが、このリスクについてどう考えますか?」
■「必須科目Ⅰで挙げた課題について、別の視点から解決策を提示してください」

もし、自分が本番で何をどう書いたかを忘れてしまっていたら、試験官からの鋭い突っ込みに対して、論理的整合性の取れた回答をその場で返すことは不可能です。

「本番で何を書いたか覚えていません」と言った時点で、技術者としての資質を疑われ、不合格のリスクは跳ね上がります。

口頭試験で自信を持って受け答えをするための「カンニングペーパー(想定問答集)」を作るためにも、正確な再現論文が必要不可欠なのです。

理由②:合否の客観的な要因分析(PDCA)を行うため

10月下旬に筆記試験の合格発表があります。万が一、結果が不合格だった場合、再現論文がなければ「なぜ落ちたのか」の検証ができません。

■「設問の要求(問い)に対して正しく答えていなかったのか」
■「キーワードの使い方が不適切だったのか」
■「論理の飛躍があったのか」
■「文字数が足りなかったのか」

再現論文があれば、指導技術士や合格者の先輩に見せて客観的なフィードバックをもらうことができます。
これによって、来年度に向けた改善点が明確になり、次回の合格率を100%に近づけることができます。

逆に、再現論文がないと、次の1年も「何が悪いか分からないまま、暗闇の中で勉強する」ことになってしまいます。

理由③:人間の記憶は「48時間」で急激に風化するから

エビングハウスの忘却曲線にあるように、人間の記憶は時間の経過とともに恐ろしいスピードで失われていきます。
特に試験本番のような極限の緊張状態から解放されると、脳は防衛本能的にそのストレス(記憶)を消去しようとします。

「1週間後に落ち着いてから書こう」と思っても、その頃には「全体の構成は覚えているが、どのキーワードをどの順番で、どういうニュアンスで書いたか」という詳細なディテールは確実に消えています。

ディテールが失われた論文は、再現論文としての価値が半減してしまいます。だからこそ、「記憶が鮮明な今、熱いうちに書く」必要があるのです。

【実践】再現論文を上手に作成するステップ

1.問題用紙へのメモ回収:試験中に問題用紙の余白に書いたプロット(構成案)やキーワードのメモを、まずはすべてノートやPCに書き写します。

2.骨組みの復元:章立て(1. 課題、2. 解決策、3. リスクなど)と、各章の大まかな結論を書き出します。

3.文章の肉付け:本番で自分が使った接続詞や、専門用語のニュアンスを思い出しながら、可能な限り当日提出した原稿に近い文章へと復元していきます。

4.文字数のカウント:各設問で何枚目の何行目まで書いたか(マス目をどれくらい埋めたか)の記憶も記録しておきます。

燃え尽き症候群を防ぐ!正しい「さぼる計画」の立て方

再現論文を無事に書き終えたら、ここからは頑張った自分へのご褒美の時間です。
長期間、趣味や家族との時間を犠牲にして勉強してきたのですから、心身をしっかりと休める必要があります。

しかし、ここで多くの受験生が陥る罠があります。
それが「燃え尽き症候群(モチベーションの完全な喪失)」です。

「結果が出るまで(10月下旬まで)は何も考えずにいよう」と、計画なしに休み始めてしまうと、10月に筆記合格の通知が届いたときに、勉強モードへのギアチェンジが間に合わなくなります。

そうならないために必要なのが、「いつまで、どのようにサボるか」という『正しいサボり計画』を立てることです。

スケジュールを逆算して「再始動日」を決める

令和8年度の技術士二次試験の一般的なタイムスケジュールを頭に入れておきましょう。

7月中旬〜下旬:筆記試験本番
〜7月末:再現論文作成(完了必須)
8月〜9月:ご褒美&部分的な下準備期間(賢くサボる期間)
10月下旬:筆記試験合格発表
12月上旬〜1月中旬:口頭試験実施

注目すべきは、「10月下旬の合格発表から、早い人では12月上旬の口頭試験まで、約1ヶ月強しか期間がない」という点です。
筆記試験を通過したことが分かってから、慌てて口頭試験の対策(想定問答の作成、模擬面接のセッティング、業務経歴票の深掘り)を始めても、時間は圧倒的に足りません。
特に働きながら受験する社会人にとって、1ヶ月はあっという間です。

そのため、完全にサボっていいのは「8月末まで」、あるいは「9月中旬まで」と、あらかじめカレンダーにデッドライン(再始動日)を赤ペンで書き込んでおきましょう。

8月・9月の「賢いサボり方」

完全に勉強をゼロにするのではなく、週に1〜2時間だけ「技術士のアンテナ」を残したままサボるのがおすすめです。具体的には、以下のようなライトな活動を私生活に組み込みます。

■最新の技術動向・白書の流し読み:国土交通白書や科学技術白書など、自分の部門に関係のある最新の公的文書を、リラックスしながら雑誌感覚で眺める。

■業務経歴票のセルフレビュー:4月に出した「業務経歴票」のコピーを時々見返し、「もし自分が試験官なら、この経歴のどこに突っ込みを入れるか」をメモしておく。

■ご褒美イベントの消化:行きたかった旅行、我慢していた趣味、家族サービスなどをこの2ヶ月間に集中させて徹底的に楽しむ

制限を設けた休息は、次のステップへの強力な推進力になります。「永遠の休息」にしないことだけを意識してください。

口頭試験を突破するための「仕込み」を始めよう

9月に入ったら、あるいは意識の高い方は8月から少しずつ、口頭試験に向けた「仕込み」を開始しましょう。
前述の通り、口頭試験の合格率は90%ですが、残りの10%(不合格)にならないための準備をここで解説します。

口頭試験で評価されるのは、あなたの「知識の量」ではありません。「技術士としての資質・能力(コンピテンシー)」が備わっているかどうかです。
試験官は、あなたが提出した書類と筆記試験の解答を通じて、コンピテンシーを確認してきます。

今のうちから始めておくべき具体的な仕込みは、以下の3点です。

仕込み①:「技術士法第4章(技術士の義務)」の徹底理解

口頭試験で最も重視され、一発不合格(レッドカード)のリスクがあるのが「技術倫理」や「義務・責務」に関する諮問です。

第44条:信用失墜行為の禁止
第45条:技術秘密の保持
第46条:公益確保の責務
第47条:義務履行の制限(名称表示義務)
第47条の2:資質向上の責務(CPD)

これらの条文を単に暗記するだけでなく、「日々の実務において、これらの義務をどのように意識して行動しているか」を具体的なエピソードとともに語れるように準備しておく必要があります。

これは一朝一夕には言語化できないため、今のうちから少しずつノートに考えをまとめておきましょう。

仕込み②:業務経歴票の「5つの業務」の棚卸し

あなたが受験申込時に提出した5つの業務経歴、特に「詳述」に選んだ業務について、以下の視点から再確認を行います。

■その業務における「技術的課題」は何だったか?
■あなたが主導した「解決策」と、その選択の理由は?
■業務の成果と、発生した「リスク」への対応は?
■今振り返ってみて、さらに改善できる点はどこか(技術士としての省察)?

口頭試験の本番では、試験官から「この業務について、あなたが最も苦労した点と、それをどう乗り越えたか説明してください」といった質問が投げかけられます。自分の経歴でありながら、スムーズに答えられない受験生は非常に多いため、事前の棚卸しが命取りになります。

仕込み③:コンピテンシー(資質能力)の定義の確認

日本技術士会が定義している「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」を正しく理解しておきましょう。

専門的学識
マネジメント
評価
コミュニケーション
リーダーシップ
技術者倫理
継続研鑽

口頭試験の質問は、すべてこの7つのいずれかを測定するために発せられます。「今、試験官は私のリーダーシップを測ろうとしているな」と意図を察知し、的確なエピソードを返せるようになることが、90%の合格組に入るためのテクニックです。

技術士口頭試験講座

技術士口頭試験対策講座(総合技術監理部門を除く全部門対応)Zoom講座

花火

◆内容:Zoomによる模擬口頭試験
口頭試験対策資料を事前に読んで頂き口頭試験で試される能力を理解して頂きます。想定問題を送付するのでその解答を考えて頂きます。Zoomによる模擬口頭試験を実施します。メールによる質問は口頭試験前日まで受け付けています。

技術士口頭試験対策講座(総合技術監理部門)Zoom講座

大桟橋

◆内容:Zoomによる模擬口頭試験
口頭試験対策資料を事前に読んで頂き口頭試験で試される能力を理解して頂きます。想定問題を送付するのでその解答を考えて頂きます。Zoomによる模擬口頭試験を実施します。

技術士口頭試験講座【全部門対象】(対面式)

マリン

◆内容:対面による模擬口頭試験
口頭試験対策資料を事前に読んで頂き口頭試験で試される能力を理解して頂きます。想定問題を送付するのでその解答を考えて頂きます。対面による模擬口頭試験を実施します。

【マインドセット】もし「手応えが最悪」だったとしても関係ない

この記事を読んでいる方の中には、「手応えが全くない」「途中で論理が破綻してしまった」「文字数が目標に届かなかったから、どうせ不合格だ」と、ひどく落ち込んでいる方もいるかもしれません。再現論文を書く気すら起きないほど、絶望しているケースもあるでしょう。

しかし、ここで強くお伝えしたいのは、「受験生自身の手応えほど、あてにならないものはない」ということです。

技術士試験の採点は、減点方式だけでなく、加点要素や全体的な論理構成の整合性なども総合的に評価されます。

「完璧に書けた!」と思った人が、設問の要求を読み違えていて(出題趣旨から外れていて)足切りになるケース

■ボロボロで、時間ギリギリでなんとか埋めただけ…」という人が、キーワードを的確に押さえており、最低限の論理が通っていたためにB判定やA判定で滑り込み合格するケース。

これらは、技術士試験の世界では日常茶飯事です。

合否を決めるのはあなたではなく、試験官です。自分で勝手に「不合格」の裁判を下し、再現論文を作らず、口頭試験の準備もしないまま10月を迎え、もし「合格」の通知が届いたらどうするのですか?

そこから地獄のような突貫工事で準備をすることになり、結果として口頭試験で不合格になる……これほどもったいないことはありません。

「受かっている前提で動くこと」。これが、厳しい国家試験を勝ち抜くための鉄則であり、プロフェッショナルとしての正しいマインドセットです。

まとめ:あなたの努力を「最終合格」に結びつけるために

技術士二次試験の筆記試験を戦い抜いたみなさんは、すでに素晴らしい実力と根気の持ち主です。

しかし、技術士という資格は、筆記試験という「点数」だけで得られるものではありません。その後の口頭試験を通じて、「この人に国の最高峰である『技術士』の称号を与えても、社会的な責任を果たせるか」という人間性や資質までを厳しく問われます。

だからこそ、筆記試験が終わった「今」というこの瞬間の行動が重要なのです。

■今すぐ(記憶が消える前に)再現論文を書き上げる
■8月〜9月は、期限を決めて賢く心身をリフレッシュする
■9月から口頭試験(技術者倫理やコンピテンシー)の仕込みを始める

この3つのステップを確実に実行し、10月下旬の合格発表の日、自信を持って「よし、予定通り口頭試験の対策を本格化させるぞ!」と言える状態を作っておきましょう。

技術士試験は、正しいアプローチを網羅し、妥協せずに地道な努力を続けた人が、確実に報われるように作られている試験です。

まずは今日明日の再現論文という最後のひと踏ん張りを終え、そのあとは少しの間、大好きな趣味やご家族との時間を満喫してください。

みなさんのこれまでの努力が素晴らしい成果として結実し、最終合格の通知を手にされることを、心から応援しています!

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この記事を書いた人

横浜すばる技術士事務所
代表:横浜すばる
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