「技術士二次試験に向けて、毎日必死に国土交通白書を読み込んでいる」
「専門知識をこれでもかと詰め込んだのに、なぜか不合格を繰り返してしまう……」
そんな悩みを抱えていませんか?
実は、技術士二次試験の論文で落ち続けてしまう人には、ある共通した「勘違い」があります。
それは、「技術士の試験なのだから、誰も思いつかないような高度な技術論や最先端の知識を書かなければならない」という思い込みです。
結論から言えば、その考え方こそが不合格への直行便です。一発合格を掴む受験生は、高度な技術で加点を狙うのではなく、徹底して「減点されないこと」を意識しています。
この記事では、技術士二次試験の論文で不合格を繰り返す人の共通点を紐解きながら、一発合格者が実践している「減点されない書き方の黄金法則」を分かりやすく解説します。
技術士二次試験の論文で「不合格」を繰り返す人の共通点
何度も不合格を経験している多年度受験生は、「努力が足りない」「知識が足りない」と考えがちですが、原因はそこにありません。まずは、なぜあなたの論文が評価されないのか、その本質的な理由を見ていきましょう。
なぜ、国土交通白書を丸暗記しても落ちるのか?
多くの受験生が、試験対策として「国土交通白書」や最新の「技術動向」を熱心に読み込み、キーワードを暗記しようとします。もちろん、背景知識としてこれらを知っておくことは無駄ではありません。
しかし、白書の文言をそのまま丸暗記して論文にパッチワークのように貼り付けても、合格点には届きません。なぜなら、試験官が見たいのは「白書の要約」ではなく、「出題された問いに対して、あなた自身の言葉で論理的に答えられているか」だからです。知識の詰め込みに偏るあまり、肝心の「問いへの回答」がおろそかになっているケースが非常に多いのです。
自分の「書きたいこと」を熱弁していませんか?
不合格になる典型的なパターンとして、「問題文を無視して、自分の得意分野の技術論を語ってしまう」というものがあります。
実務経験が豊富で、社内でも優秀なエンジニアほど、この罠に陥りやすい傾向があります。「この分野なら誰にも負けない」というプライドが邪魔をして、問題文の意図を自分の都合の良いように解釈(妄想・思い込み)し、結果として「出題意図からズレた独りよがりの論文」を書いてしまうのです。どんなに素晴らしい最先端技術が書かれていても、問われていることに対する答えになっていなければ、その時点でB判定・C判定になります。
合格論文の黄金法則!守るべき「減点されない」4つの基本
技術士試験の論文採点は、基本的には「減点法」です。素晴らしい提案をして加点を狙うよりも、いかに「バカげたミス」や「ルール違反」をなくし、減点をゼロに抑えるかが勝負の分かれ目となります。
合格者が必ず守っている「4つの黄金法則」を、以下の図にまとめました。
【合格論文の4つの黄金法則(減点防衛ライン)】
┌──────────────────────────────────────────────┐
│ ① 問題文の「要求事項」に100%答えているか? │
└──────────────────────┬───────────────────────┘
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┌──────────────────────────────────────────────┐
│ ② 技術的な正しさより「一発で理解できるか」? │
└──────────────────────┬───────────────────────┘
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┌──────────────────────────────────────────────┐
│ ③ 専門用語に逃げず「適切な語彙力」があるか? │
└──────────────────────┬───────────────────────┘
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┌──────────────────────────────────────────────┐
│ ④ 「文字数の壁」を確実にクリアしているか? │
└──────────────────────────────────────────────┘
問題文の「要求事項」に100%答える
最も重要なのは、問題文との「正しいキャッチボール」です。
例えば、問題文に「課題を3つ挙げ、それぞれに対する解決策を述べよ」と書かれていたら、あなたの論文には必ず「3つの課題」と「3つの解決策」が対応する形で明記されていなければなりません。
まずはペンを握る前に、問題文を徹底的に「正しく読む(読解力)」ことに全神経を集中させてください。
| 項目 | 落ちる人の特徴 | 合格する人の特徴 |
| 問題文の捉え方 | 自分の得意な話へ強引に誘導する | 問いに対して愚直に、ストレートに答える |
| 論文の構成 | 課題と解決策の対応がバラバラ | 課題①に対し解決策①、と1対1で対応させる |
技術的な正しさよりも「読んで一発で理解できるか」
試験官は、膨大な数の論文を短い期間で採点します。一読して「何を言っているか分からない文脈のねじれた論文」に出会った瞬間、容赦なく減点していきます。
高度な数式や専門的すぎるニッチな工法をダラダラと書く必要はありません。中学生や、専門外の人が読んでも「主語と述語が噛み合っており、論理の飛躍がなく、一発で意味が理解できる日本語」で書くこと。これだけで、周りの受験生に圧倒的な差をつけることができます。
専門用語に逃げず「適切な語彙力」があるか?
難しい専門用語を並べ立てると、一見「頭が良さそうな論文」に見えますが、それは「語彙力」の敗北です。本当に優秀な技術者は、複雑な事象を簡単な言葉(適切な語彙)で説明できます。
専門用語の定義を曖昧にしたまま振り回すのではなく、誰が読んでも客観的に納得できる丁寧な言葉選びを意識しましょう。
文字数の壁を確実にクリアするテクニック
技術士試験では、指定された原稿用紙の「9割以上」を埋めることが絶対条件です。どんなに内容が良くても、マス目がスカスカであれば、その時点で「論述能力不足」として足切りにあいます。
文字数を安定して埋めるためには、頭の中から行き当たりばったりで書くのではなく、事前に「どの章に何文字使うか」の骨子(配分)を決めておく必要があります。書くべきパターン(模範解答)をあらかじめ頭の中にストック(インプット)しておくことで、現場での大崩れを防ぐことができます。
論文は「加点」ではなく「減点」を防げば合格できる
「減点されない論文」がなぜこれほどまでに強いのか。それは、技術士という資格が求めている「コンサルタントとしての適性」に直結しているからです。
採点官が見ているのはあなたの「人間性」と「対話力」
技術士は、指導的な立場としてクライアントの課題を解決する最高峰の国家資格です。もし、クライアントからの質問に対して、「自分の言いたいことだけをまくし立てる人」や「ミスを認めず自分の殻に閉じこもる人」がいたら、信頼して仕事を任せられるでしょうか?
試験官は、論文を通じてあなたの「対話力(コミュニケーション能力)」と「謙虚さ(素直さ)」を見ています。
問題文の指示を素直に受け入れ、ルール通りに、分かりやすい日本語で回答を返す。この一連のプロセスそのものが、あなたの技術士としての資質(人間性)を証明することになるのです。
まとめ:今日から変えるべき論文執筆のマインドセット
技術士二次試験の論文対策において、最も不要なのは「完璧主義」と「技術屋としての過剰なプライド」です。
今日からあなたの勉強マインドを、以下のように切り替えてください。
■ × 難解で素晴らしい論文を書こう
■ ◯ 誰もが読める、普通で減点のない論文を書こう
技術士試験は、決して「落とすための意地悪な試験」ではありません。「正しく日本語を読み、正しく日本語を書く」という基本さえ徹底すれば、誰でも確実に合格ラインを突破できるよう、シンプルに作られています。
まずは、過去問の山を前にして悩むのをやめ、評価される論文の「型」を素直に受け入れるところから始めてみませんか?あなたの努力が正しい方向へ進み、一発合格を掴み取ることを応援しています。


