技術士口頭試験の「技術者倫理」攻略法!公益の確保と3つの義務・2つの責務の答え方

みなと

技術士第二次試験の筆記合格、本当におめでとうございます。論文試験という過酷な山を登りきったあなたに、心からの敬意を表します。

しかし、合格の余韻に浸る間もなく、口頭試験の準備を進める中で「新たな高い壁」にぶつかっていませんか?

それこそが、近年の口頭試験で最も厳格に、そして執拗に合否を判定される「技術者倫理」の分野です。

「技術者倫理なんて、教科書通りの綺麗な正論を言っておけば大丈夫だろう」

「『法令遵守します』『安全第一で動きます』と言えば、減点されるはずがない」

もしあなたがそんな風に高をくくっているなら、今すぐその甘い考えを捨ててください。試験委員(面接官)は、あなたの口から出る「借り物の正論」を最も嫌います。彼らが仕掛けてくるのは、「もし、納期が絶対に間に合わない状況で、安全基準のグレーゾーンを突くよう上司や発注者から迫られたら、あなた個人はどう行動しますか?」という、血の通ったリアルな修羅場の質問です。

口頭試験における技術者倫理の配点は、全体の合否を左右する決定的なウエイトを占めています。知識として「技術士法」を暗記しているだけでは、本番のストレステスト(圧迫質問)で一瞬にして矛盾を突かれ、不合格(C評価)の奈落に突き落とされます。

本記事では、「技術士 口頭試験 技術者倫理」「公益の確保 答え方」というキーワードを軸に、試験委員が用意する倫理のトラップを完全無効化。技術士法に定められた「3つの義務・2つの責務」、そして究極の指針である「公益の確保」を自分の実務経験に落とし込んで完璧に打ち返すための「倫理特化型・合格シナリオ」を徹底解説します。

目次

なぜ「技術者倫理」の質問で不合格者が続出するのか?試験委員の「裏の狙い」

まずは、試験委員がなぜこれほどまでに口頭試験で技術者倫理を重視するのか、その本質的な理由をハックしましょう。ここを理解していないと、的外れな回答を連発することになります。

「優秀な犯罪者」を社会に放たないための最後の防波堤

技術士は、国家から「高度な専門的応用能力を持つプロフェッショナル」としてお墨付きを与えられた存在です。裏を返せば、技術士がひとたびその知識や権限を悪用、あるいは保身のために黙認・悪用した場合、社会に与える損害(インフラの崩壊、データの改ざん、環境破壊など)は一般的な技術者の比ではありません。

試験委員の裏のミッションは、「どれだけ技術力が優秀であっても、組織の圧力や目先の利益に負けて、技術者としての魂を売る可能性のある人間をここで弾くこと」です。そのため、筆記試験の点数がどれだけ高くても、倫理の問答で「サラリーマン根性」が見えた瞬間に、容赦なく一発で不合格ボタンが押されます。

教科書の丸暗記を見破る「ジレンマのストレステスト」

多くの受験生は、技術士法第4章の条文(第44条〜第47条の2)を丸暗記して試験に臨みます。試験委員もそれは百も承知です。だからこそ、以下のような「正解が一つではないジレンマ(二律背反)」を意図的にぶつけてきます。

  • 「あなたの書類にあるプロジェクト、予算が大幅に逼迫していますよね。もし、法的には違反していないけれど、将来的に公衆の安全を脅かす可能性が1%でもあるコスト削減案を上司から指示されたら、あなたは技術士としてどうしますか?」

ここで「上司と相談します」「社内のコンプライアンス窓口に通報します」といった、他力本願な回答や、責任を組織に丸投げする回答をした時点でアウトです。彼らが見たいのは、あなたという「個のエンジニア」の覚悟と行動特性(コンピテンシー)なのです。

鉄壁の基礎知識:口頭試験で絶対に噛んではいけない「3つの義務・2つの責務」

試験委員との対話を進める上で、技術士法の条文知識は「空気のように自然に、正確に引き出せる」状態でなければなりません。口頭試験で直接「技術士の3つの義務と2つの責務を言ってみてください」と問われることも珍しくありません。ここで言葉に詰まるようでは、スタートラインにすら立てていないとみなされます。

改めて、それぞれの本質と口頭試験での「捉え方」を整理します。

技術士法に定められた【3つの義務】

条文義務の名称口頭試験における「本質的な意味」
第44条信用失墜行為の禁止技術士全体の社会的ステータスや信用を傷つける行為(嘘、誇張、データの隠蔽など)の禁止。
第45条秘密保持義務業務上知り得た顧客や組織の秘密を漏らさないこと。(※ただし、公益の確保と衝突した際は例外となる超重要条項)
第46条名称表示の場合の義務技術士の名称を使用するときは、自分が登録された「部門」を明示すること。専門外の領域まで技術士の権威を使って発言してはならない。

技術士法に定められた【2つの責務】

条文責務の名称口頭試験における「本質的な意味」
第47条の2公益確保の責務業務を行うにあたり、公衆の安全、健康、及び環境の持続可能性を最優先(最上位概念)にすること。
第47条の2資質向上の責務技術の進歩に取り残されないよう、常に自己研鑽(CPD:継続教育)に励むこと。

💡 注意ポイント
かつては「4つの義務・2つの責務」と呼ばれていましたが、平成26年の法改正により「公益確保の責務」が追加され、現在は「3つの義務・2つの責務」の構成に変わっています。古い参考書で勉強している方は、この時点で知識のアップデート不足を露呈してしまうので、絶対に間違えないでください。

核心の攻略法:試験委員を唸らせる「公益の確保」最強の答え方テンプレート

口頭試験で最も頻出、かつ最大の難所である「公益の確保(第47条の2)」に関する質問について、試験委員からA評価(満点)をもぎ取るためのロジックと回答テンプレートを伝授します。

「公益の確保」とは、単なる安全第一ではない

受験生の多くが「公益の確保とは、事故を起こさないことです」と答えますが、これでは一般部門の普通の技術者レベルです。総監部門はもちろん、一般部門の技術士としても、より高次元の定義が求められます。

技術士における「公益」とは、以下の3つの要素が有機的に絡み合った「持続可能な社会の基盤」を指します。

1.公衆の安全(生命への危険を排除する)
2.公衆の健康・福利(生活の質や快適性、経済的な持続性を担保する)
3.地球社会・自然環境の保全(将来世代にわたって環境負荷を遺さない)

つまり、目先の安全だけでなく、「将来世代(時間軸の拡大)」と「地球規模(空間軸の拡大)」の視点を持って意思決定することこそが、真の「公益の確保の答え方」になります。

試験委員のトラップを破壊する逆転回答テンプレート

パターンA:組織の利益(納期・コスト)と公益(安全・品質)が衝突した場合

  • 試験委員からのツッコミ:「あなたの設計通りに作ると予算を大幅にオーバーします。発注者から『基準の範囲内で、もっと安全率を削って安くしろ』と強く要求されたらどうしますか?」

A評価の回答テンプレート
「私は技術士として、技術士法第47条の2に定められた【公益確保の責務】を、いかなる組織の利益や顧客の要望よりも【最上位の意思決定基準】として位置づけます。
単に要望を拒絶して対立するのではなく、プロフェッショナルとして以下の3ステップで行動します。
まず、安全率を削った場合に発生し得るリスク(公衆の生命への影響や将来的なメンテナンスコストの増大)を、確率と影響度の両面から【定量的・批判的に評価】します。
次に、そのバックデータをもとに、目先のコスト削減が将来的な『企業の社会的信用失墜』という最大のリスクに繋がることを、発注者および社内の経営層へ論理的に説明(コミュニケーション)します。

最後に、安全性を1ミリも妥協することなく、別の要素技術の適用や工程の見直しによってコストを相殺する『代替案(全体最適化案)』を自ら構築し、提案・主導いたします。」

パターンB:「秘密保持義務(45条)」と「公益確保の責務(47条の2)」が衝突した場合

  • 試験委員からのツッコミ:「過去の自社製品に、重大な安全性に関わる隠蔽データを見つけてしまいました。しかし、それを公表すると会社は倒産し、同僚全員が路頭に迷います。秘密保持義務(44条)もありますが、あなたならどうしますか?」

A評価の回答テンプレート
「非常に苦しいジレンマの局面ですが、私の判断の軸は揺らぎません。技術士法において、第45条の『秘密保持義務』はあくまで顧客や組織との信頼関係を担保するためのものですが、第47条の2の『公益確保の責務』は【それを超越する絶対的な大前提】です。公衆の生命や安全が脅かされている状況においては、秘密保持義務よりも公益の確保が明確に優先されます。
したがって、私はまず社内の適切な統治組織(コンプライアンスライン等)を通じて、客観的なリスクデータとともに事実の即時公表と自主回収を経営層に強く進言します。
万が一、組織がそれを隠蔽し続け、公衆への直接的な危機が差し迫っていると判断した場合は、技術士の倫理に基づき、内部告発を含む【社会的責任の履行(公益通報)】を選択する覚悟を持って行動します。それが結果として、中長期的に自社や社員の社会的破滅を最小限に食い止める唯一の道であると確信しております。」

あなたの実務経験に「倫理の肉付け」を行うための3つの質問(セルフチェック)

教科書通りのテンプレートを覚えたら、次はそれをあなたの「業務内容の詳細(720文字)」や「業務経歴票」に自然に接着させる作業が必要です。自身の書類を前に置いて、以下の3つの質問を自分自身に投げかけてみてください。

「あの時、私が意識していなかったら見過ごされていた『潜在的リスク』は何だったか?」

あなたのプロジェクトが何の問題もなく成功したように書かれていても、その裏には必ず「あなたが事前に気づいて潰したリスク」があるはずです。

  • 倫理的アプローチ: 「工期が逼迫するなか、下請け業者の作業環境において【労働安全(人的資源・安全管理)】の低下リスクを予見し、私は技術士として〇〇という安全パトロールの強化を自主的に導入しました」というストーリーを組み立てます。

「関係者の間で、最も利害が対立(衝突)したポイントはどこか?」

発注者、施工者、近隣住民、行政。それぞれの立場で求めるものは異なります。

  • 倫理的アプローチ: 「近隣住民からの騒音に対する苦情(社会環境管理の悪化)に対し、施工効率(経済性管理)を落としてでも、住民説明会を自ら主導して【合意形成(ステークホルダーエンゲージメント)】を図り、公益と私益のバランスを担保しました」という、コンピテンシーの「リーダーシップ」と「倫理」の複合技を用意します。

「その業務が終わった後、私はエンジニアとしてどう『進化』したか?」

これは「資質向上の責務(第47条の2)」に直結します。

  • 倫理的アプローチ: 「本業務で得られた〇〇という新しい知見やトラブルの教訓を、個人の経験に留めることなく、社内技術発表会での水平展開や、所属学会での論文発表を通じて【技術コミュニティ全体への資質向上(CPD)】へ還元いたしました」と言えるように準備しておきます。

自作の倫理回答にある「致命的な盲点」をプロの目でデバッグする方法

技術者倫理の回答を自分でいくら練り上げても、「自分一人で行う練習には、最大の死角が残る」という不都合な真実があります。

なぜなら、人間は誰しも「自分は正しい人間だ」「自分なら立派に行動できる」という強いバイアス(自己肯定感)を持っているため、自作の回答が「本番の張り詰めた空気のなかで、百戦錬磨の試験委員から冷徹な目で突っ込まれたときに、どれだけ薄っぺらく響くか」を客観的に評価できないからです。

本番さながらのプレッシャー環境で、あなたの回答に潜む「サラリーマンの言い訳」や「上滑りした正論」のメッキを完全に剥がし、鉄壁の「技術士の風格」を身につけるために、多くの筆記合格者が密かに活用しているのが、個別指導で圧倒的な実績を誇る「Yokosubaの技術士口頭試験対策講座」です。

Yokosubaの講座が「技術者倫理対策」で圧倒的に選ばれる理由

  • ① あなたの「本音の甘さ」をプロの技術士が見逃さずに強制修正
    Yokosubaの講師陣は、長年受験生を指導してきた「倫理の罠の仕掛け人」です。模擬面接のなかで、「もし上司にクビにすると脅されたら?」「会社の存続がかかっていても本当にそれを言えますか?」と、本番以上の高負荷なストレステストをあなたに仕掛けます。あなたが窮地に追い込まれたときに出る「生身の言葉」を拾い上げ、技術士として100点満点の品格を持つ切り返しへとその場でリファイン(磨き上げ)します。
  • ② 「表情や声のトーン」のブレを録画データで徹底チェック
    倫理に関する質問では、回答の「内容」と同じくらい、話すときの「態度・目線・声の説得力」が評価されます。Yokosubaでは、オンライン模擬面接(Zoom等)の様子をすべて高画質で録画して即日提供。動画を見返すことで、「突っ込まれた瞬間に語気が荒くなっている」「自信のなさから目線が泳いでいる」といった、自分では絶対に気づけない減点リスクを視覚的にデバッグできます。

まとめ:倫理の壁を突破し、最高峰のエンジニアの称号をその手に

技術士第二次試験の合格証書を手にするまで、残された壁は「口頭試験の20分間」という短い対話の時間だけです。

試験委員があなたに技術者倫理の厳しい質問を投げかけてくるとき、それはあなたをいじめて落とすためではありません。「あなたほどの素晴らしい技術力を持った人間だからこそ、最期まで社会的責任(公益)のブレーキを踏み続けられる、信頼に足るプロフェッショナルであってほしい」という、先輩技術士たちからの期待と願いが込められた、愛のある洗礼なのです。

条文の文言を綺麗に並べる必要はありません。拙くても構いません。

「私は、いかなる局面に立たされても、公衆の安全と社会の持続可能性を自らの命題として行動します」という【ブレない技術士の軸(思想)】を、あなたの言葉、あなたの目力、あなたの風格をもって、面接官に堂々と伝えてきてください。

正しいマインドセットと、プロによる客観的なデバッグ(磨き上げ)さえ済ませておけば、本番の厳しい倫理の深掘りは、あなたを不合格にする罠ではなく、あなたの人間性とプロフェッショナリズムを試験委員に決定づけるための「最高のガッツポーズの瞬間」へと変わります。

自信を持って最高の準備を整え、技術士という最高峰の称号をその手で掴み取りましょう。来年の春、技術士のバッジを胸に付けたあなたと、同じ技術士の仲間として、産業界の未来を共に語り合える日を心から楽しみにしています!

  • 自分の提出した経歴票をもとに、どのような「技術者倫理の地雷(突っ込みどころ)」が潜んでいるかプロの講師に診断してほしい方や、本番のストレステストで絶対にパニックにならないための「高負荷なオンライン模擬面接」を体験し、復習用の録画データを入手したい方は、ぜひ[技術士受験.com]が提供する「Yokosuba口頭試験対策講座」をチェックしてみてください。倫理対策に特化した指導枠は非常に人気が高く、担当枠が埋まり次第、順次受付終了となりますので、お早めのリスク管理をおすすめします。*

技術士口頭試験講座

技術士口頭試験対策講座(総合技術監理部門を除く全部門対応)Zoom講座

花火

◆内容:Zoomによる模擬口頭試験
口頭試験対策資料を事前に読んで頂き口頭試験で試される能力を理解して頂きます。想定問題を送付するのでその解答を考えて頂きます。Zoomによる模擬口頭試験を実施します。メールによる質問は口頭試験前日まで受け付けています。

技術士口頭試験対策講座(総合技術監理部門)Zoom講座

大桟橋


◆内容:Zoomによる模擬口頭試験
口頭試験対策資料を事前に読んで頂き口頭試験で試される能力を理解して頂きます。想定問題を送付するのでその解答を考えて頂きます。Zoomによる模擬口頭試験を実施します。

技術士口頭試験講座【全部門対象】(対面式)

マリン

◆内容:対面による模擬口頭試験
口頭試験対策資料を事前に読んで頂き口頭試験で試される能力を理解して頂きます。想定問題を送付するのでその解答を考えて頂きます。対面による模擬口頭試験を実施します。

この記事を書いた人

横浜すばる技術士事務所
代表:横浜すばる
技術士(建設部門ー施工計画、施工設備及び積算) (総合技術監理部門)

技術士一次試験、技術士二次試験、技術士総合技術監理部門とすべて1回で合格しました。
これは運や努力もありますが、試験に合格する技術(ノウハウ)を習得していたからすべての試験を1回で合格しました。
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