「総監は簡単だ!」難しく考えすぎて落ちる人が見落としている総合技術監理部門の合格バイブル

空から

技術士試験の最高峰とされる「総合技術監理部門(総監)」。多くの受験生がその圧倒的な範囲と記述量に圧倒され、「自分には難しい」と高い壁を作ってしまっています。

しかし、総監の核心は極めてシンプルです。本記事では、難しく考えすぎて不合格を繰り返す人が見落としている「総監の本質」を暴き、驚くほどラクに合格圏内へ滑り込むためのマインドセットと具体的な対策法を解説します。

目次

なぜ多くの受験生が「総監は難しい」と思い込んでしまうのか?

難しそうに見せている試験の罠にハマるな

技術士の「総合技術監理部門(以下、総監)」と聞くだけで、多くの受験生は身構えてしまいます。一般部門を勝ち抜いてきた優秀なエンジニアであっても、「総監は別格」「天才でなければ受からない」といった先入観を持ちがちです。しかし、これは試験制度や出題形式が作り出している「難しそうに見せる罠」に完全にハマっている状態と言えます。

総監が難しそうに見える最大の原因は、その「網羅的な範囲の広さ」と「キーワードの抽象度の高さ」にあります。青本(旧・技術士制度における総合技術監理の解説)や改訂版のキーワード集を開くと、経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理という5つの管理分野にわたり、膨大な専門用語が並んでいます。これらをすべて完璧に暗記し、実務で自在に使いこなさなければならないと考えた瞬間、受験生は圧倒されて思考停止に陥ります。

さらに、筆記試験の記述問題(二次試験)では、白紙の論文用紙に数千文字を論理的に書き下さなければなりません。この形式自体が「高度な学術論文を書かなければならない」という誤解を生みます。しかし、総監試験の本質は学術的な研究発表ではありません。罠の正体は、「難解な用語で装飾された、極めてシンプルな業務プロセスの整合性確認」です。この罠に気づかず、自らハードルを上げて複雑な迷宮に迷い込んでいる受験生が後を絶ちません。

簡単に考えたヒトの勝ち、難しく考えたヒトの負け

総監試験において、合否を分ける最大の分岐点は能力の差ではなく、「物事をどれだけシンプルに捉えられるか」というマインドの差にあります。結論から言えば、「簡単に考えたヒトの勝ち、難しく考えたヒトの負け」です。

不合格を繰り返す「難しく考えるヒト」は、問題文を深読みしすぎたり、自分の高度な技術的知見をアピールしようとしたりします。その結果、問題文の要求から逸脱し、総監の5つの管理とは無関係な「一専門技術者としてのこだわり」を延々と書き連ねてしまいます。これでは、どれだけ素晴らしい技術や固有の工法が書かれていても、採点官からは「総監の視点がない」と判断され、容赦なく一発不合格になります。

一方で、一発で合格していく「簡単に考えるヒト」は、試験を一種の「定型業務」として捉えています。彼らは、総監を「5つの管理のバランスを取るだけのパズル」と考えます。何か一つの管理を強化すれば、別の管理に歪み(トレードオフ)が生じる。それをどう調整するか。これだけのストーリーを、問題文の指示通りに枠の中に当てはめていくだけです。知識の量ではなく、構造のシンプルさで勝負する人が、驚くほどあっさりと合格を勝ち取っていくのです。

総監合格の鍵を握る「日本語の読解力」と「語彙力」

総監で問われる「思考力」は人間性とつながっている?

総監の試験で本当に問われている「思考力」とは何でしょうか。それは、決して特殊な閃きやIQの高さではありません。周囲の状況を客観的に見渡し、組織やプロジェクト全体にとって「何が最適な選択か」を判断する、極めて良識的なビジネス思考力です。そしてこの思考力は、実はその人の「人間性」や「業務に対する誠実さ」と深くつながっています。

総監技術士は、社会的な責任が重い立場に立ちます。利益(経済性)ばかりを優先して安全を疎かにすれば大事故につながり、環境を破壊すれば社会から排除されます。逆に、安全や環境ばかりを重視してコストを無視すれば、組織は破産します。

つまり、総監で求められる思考力とは、「偏りのない視野を持ち、他者の意見やリスクに耳を傾けられるバランス感覚」そのものです。自己中心的なエンジニアや、自分の技術だけに固執する人は、どれだけ論文のテクニックを磨いても、文章の端々にその「視野の狭さ(人間性の偏り)」が滲み出てしまい、総監の壁を越えられません。

問題文が求めている管理の視点を正しく読み解く

バランスの取れた思考力を答案に落とし込むために、最も重要なのが「日本語の読解力」です。総監の記述問題は、問題文自体が非常に長く、多くの制約条件が課されます。ここで求められるのは、作家のような美しい表現力ではなく、「出題者の意図を100%正確に受け取る読解力」です。

多くの受験生は、問題文を読んだ瞬間に「自分の得意な過去の経験」に結びつけようと先走ります。しかし、本当にやるべきことは、問題文の文脈を解剖し、出題者が「どの管理の、どのトレードオフについて論じてほしいのか」を正しく読み解くことです。

例えば、問題文に「不確実性の高い状況におけるリスク管理」とあれば、安全管理や情報管理、あるいは経済性管理の時間軸(工程)におけるリスクを想定し、それらを総合的にコントロールする視点を提示しなければなりません。出題者の問いに対して、余計なプライドを捨てて素直に、真っ直ぐに答える。この当たり前の日本語のキャッチボールができるかどうかが、合格への大前提となります。

総監二次試験をラクに突破するための対策資料の活かし方

5つの管理のトレードオフをシンプルに整理する

総監の対策を具体的に進める上で、最も効果的なアプローチは、5つの管理(経済性・人的資源・情報・安全・社会環境)の相互関係、すなわち「トレードオフ」を完全にパターン化してしまうことです。

総監試験の論文で、絶対に落としてはならない構成要素がこのトレードオフの抽出と解決策です。これを現場で一から考えていては時間が足りません。あらかじめ、5つの管理がどのように衝突するかをマトリクス形式などで整理し、頭に叩き込んでおく必要があります。

【表:総監における代表的なトレードオフの構造と解決の方向性】

管理分野の組み合わせ発生するトレードオフの具体例総監としての改善・解決方向性
経済性管理 × 安全管理工期短縮やコスト削減を徹底しようとすると、安全教育の時間や安全設備の予算が削られ、労働災害のリスクが高まる。初期投資は増えるが、自動化設備の導入やプレハブ化を進め、工期短縮と現場の危険作業排除を両立させる。
経済性管理 × 人的資源管理少人数で高利益を上げようとすると、特定の優秀な社員に業務が集中し、過重労働やメンタルヘルスの悪化を招く。業務の標準化(マニュアル化)とマルチスキル化を進め、特定の個人への依存度を下げて組織全体の生産性を向上させる。
情報管理 × 経済性管理・人的資源セキュリティ対策を強固にする(二段階認証、閲覧制限等)と、システムの導入・維持コストが嵩み、作業効率が低下する。情報の重要度に応じた格付け(アクセス権限の最適化)を行い、過度な制限を避けつつ、eラーニングで意識改革を図る。
社会環境管理 × 経済性管理廃棄物の適正処理や低騒音機械の採用、CO2排出削減を追求すると、資機材調達コストや施工コストが大幅に上昇する。リサイクル資材の積極採用による中長期的な調達コストの安定化や、省エネ機器導入によるランニングコスト削減で回収する。

この表にあるような衝突関係を、自身の経験したプロジェクト(あるいは想定する架空の巨大プロジェクト)に当てはめる訓練を行います。「Aを高めるとBが下がる、だから総監の視点でCという統合的なアプローチをとる」という骨組みさえ作れれば、どのような変化球的な問題が出題されても、ラクに合格論文の骨子を組み立てることができます。

模範解答をベースにした効率的な論文ストック術

記述試験の対策として、「自分で一から何本も論文をフルで書く」という勉強法を採用する人がいますが、これは非常に効率が悪く、時間がかかります。おすすめしたいのは、市販の合格者論文や予備校の「模範解答」を徹底的にベースにした「論文ストック術(カスタマイズ術)」です。

総監の論文には、評価されやすい「型(フレームワーク)」が存在します。背景の設定の仕方、課題の抽出のステップ、5つの管理の散りばめ方、ベースとなる記述量、そして結びの言葉にいたるまで、合格論文の構造は驚くほど類似しています。したがって、まずは質の高い模範解答をいくつかつぶさに分析し、その「型」を自分のものにします。

具体的には、模範解答の文章構造をそのまま借用し、名詞や数値、具体的な技術内容の部分だけを「自分の専門分野や経験業務」に差し替えるワークを行います。これによって、短時間で「総監らしい響きを持つ、論理的で美しい論文のストック」を複数作成することができます。試験本番では、そのストックしておいた引き出し(型)の中から、問題文の要求に最も合致するものを引っ張り出し、現場の条件に合わせて微調整するだけで、制限時間内に確実に合格論文を書き上げることが可能になります。

まとめ:総監こそシンプルに。素直なマインドが合格への近道

総合技術監理部門の試験対策を進める上で、最も排除すべきは「難解な迷信」や「過剰な演出」です。総監は決して、選ばれた天才にしか手が届かない超難関試験ではありません。むしろ、技術士としてのキャリアを重ねてきたあなたであれば、日頃から業務で無意識に行っているはずの「全体最適の調整」を、5つの管理というフレームワークを使って見える化するだけの、非常に合理的な試験です。

試験を難しく考えすぎず、「出題者が困っているプロジェクトの相談に乗ってあげる」くらいの素直で、一歩引いたマインドを持つこと。そして、問題文の日本語を正しく読み解き、準備したシンプルなトレードオフのパターンに当てはめて記述すること。この「素直さ」と「シンプルさ」こそが、総監二次試験を最短かつ最高得点で突破するための、真の合格バイブルなのです。難しく考えるのを今すぐやめて、シンプルに合格への道を歩み始めましょう。

技術士二次試験総合技術監理部門受験対策

技術士二次試験総合技術監理部門受験対策資料

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■総合技術監理部門受験対策資料
pdf資料
1.総監入門編
2.業務経歴票編
3.記述式試験編
4.択一試験編

技術士二次試験総合技術監理部門個別指導講座

■総合技術監理部門個別指導講座
総合技術監理部門完全講座
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この記事を書いた人

横浜すばる技術士事務所
代表:横浜すばる
技術士(建設部門ー施工計画、施工設備及び積算) (総合技術監理部門)

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