技術士総合技術監理部門の5つの管理とは?記述式答案に落とし込む考え方

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技術士総合技術監理部門の学習を始めると、必ず出てくるのが「5つの管理」です。経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理という言葉は覚えたものの、記述式答案でどう使えばよいのか分からない方は多いのではないでしょうか。

総合技術監理部門の記述式試験では、5つの管理を知識として並べるだけでは不十分です。設問で問われている状況を読み取り、どの管理が主要な論点になるのか、他の管理へどのように影響するのかを整理して、答案の課題、対応策、リスク、留意点へ落とし込む必要があります。

この記事では、技術士総合技術監理部門の5つの管理を、暗記項目で終わらせず、記述式答案の骨子づくりに使う考え方を整理します。

目次

技術士総合技術監理部門の5つの管理を答案で使う前提

技術士総合技術監理部門の5つの管理は、記述式答案で「視点の抜け」を防ぐための重要な軸です。ただし、5項目をすべて同じ分量で書けばよいわけではありません。

5つの管理とは、一般に経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理を指します。総監では、技術的な解決策だけでなく、組織、費用、情報、リスク、社会への影響まで含めて判断する力が求められます。そのため、一般部門の専門論文のように、技術的な説明だけで押し切ると、総監らしい答案になりにくくなります。

たとえば、ある現場の生産性向上を問われた場合、単に新技術の導入を書くだけでは総監の答案としては弱くなります。導入費用、担当者の教育、データ共有、作業安全、周辺環境への影響まで考えると、同じテーマでも答案の深さが変わります。

5つの管理は、答案に全部並べるための用語ではなく、設問の状況を多面的に評価するための判断軸として使うことが大切です。

総監の基本的な考え方を先に整理したい方は、以下の記事も参考になります。

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5つの管理を記述式答案に落とし込む基本手順

5つの管理を記述式答案に落とし込むには、最初から5項目を順番に書こうとしないことが重要です。先に設問要求を読み、中心となる課題を決め、その課題を5つの管理で広げる順番にすると、答案がまとまりやすくなります。

設問要求を先に固定する

最初に確認するのは、設問が何を求めているかです。課題を述べるのか、方策を述べるのか、リスクや留意点まで問われているのかによって、5つの管理の使い方は変わります。設問要求を見ないまま管理分野を並べると、書いている内容は正しくても、問いに答えていない答案になります。

主要な管理分野を選ぶ

次に、その設問で最も重要になりそうな管理分野を選びます。安全事故の防止が中心なら安全管理、組織体制や教育が中心なら人的資源管理、情報共有やデータ活用が中心なら情報管理が前面に出ます。ここで主要論点を決めると、答案の主軸がぶれにくくなります。

他の管理への影響を広げる

主要な管理分野が決まったら、他の管理へどう影響するかを考えます。安全管理を中心に書く場合でも、教育や配置の問題は人的資源管理、点検記録や情報伝達は情報管理、対策費用は経済性管理、周辺住民や環境への配慮は社会環境管理へつながります。

記述式答案では、「主軸となる管理」と「関連して支える管理」を分けると、5つの管理を無理なく答案へ入れられます。

5つの管理を答案材料へ変換する見方

5つの管理は、抽象的な用語のままでは答案に使いにくいものです。答案では、それぞれを「何を確認し、何を判断し、どのような対策へつなげるか」という形へ変換して考えます。

経済性管理は費用対効果と優先順位で考える

経済性管理は、単にコスト削減を書く分野ではありません。限られた人員、時間、予算の中で、どの対策を優先するかを考える視点です。答案では、初期費用、維持管理費、工期への影響、投資効果、代替案との比較などに展開できます。

人的資源管理は体制と教育で考える

人的資源管理は、担当者の配置、技能、教育、役割分担、外部協力者との連携などを扱います。記述式答案では、対策を実行する人が足りるのか、判断権限が明確か、経験不足をどう補うかまで書けると、実行可能性が高い答案になります。

情報管理は共有と判断材料で考える

情報管理は、データを集めることだけではありません。必要な情報を、必要な人へ、必要なタイミングで伝える仕組みまで含めて考えます。答案では、記録の標準化、関係者間の共有、意思決定に必要な指標、情報漏えいへの配慮などに展開できます。

安全管理はリスクの予防と低減で考える

安全管理は、事故が起きた後の対応だけでなく、リスクを事前に見つけ、発生確率や影響を下げる視点です。答案では、危険源の把握、作業手順の見直し、教育訓練、監視体制、緊急時対応などへつなげられます。

社会環境管理は外部影響と説明責任で考える

社会環境管理は、環境負荷、地域社会、法令、ステークホルダーへの影響を含めて考える視点です。答案では、騒音、振動、排出物、住民説明、環境配慮、社会的受容性などを材料にできます。技術的には正しい対策でも、外部影響を無視すると総監らしい判断にはなりません。

5つの管理を使って答案の骨子を作る方法

記述式答案では、5つの管理をそのまま見出しにするより、設問に合わせて骨子へ組み込む方が自然です。おすすめは、課題、対応策、リスク、留意点の順に整理する方法です。

まず、設問の状況から主要課題を1つまたは複数選びます。次に、その課題に対してどの管理分野が中心になるかを決めます。そのうえで、対応策を書くときに他の管理分野を補助線として使います。最後に、対策を実行する際のリスクや留意点を、残りの管理分野から拾い上げます。

たとえば「新しい管理システムを導入して品質と効率を高める」という答案を書く場合、情報管理だけに寄せると、システム導入の説明で終わりやすくなります。そこに経済性管理として費用対効果、人的資源管理として教育、安全管理として運用ミスの防止、社会環境管理として関係者への説明を加えると、総監らしい多面的な答案になります。

答案骨子では、5つの管理を「課題を見つける視点」「対策を具体化する視点」「留意点を補う視点」として使い分けると書きやすくなります。

5つの管理を論文作成の時間内で使う考え方は、以下の記事でも詳しく整理されています。

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記述式答案で失敗しやすい5つの管理の使い方

5つの管理を知っていても、答案での使い方を誤ると、かえって読みにくい答案になることがあります。特に避けたいのは、羅列、専門論文化、全方位への広げすぎです。

5項目をただ羅列する

「経済性管理では、人的資源管理では、情報管理では」と順番に書くだけでは、設問に対する答えが見えにくくなります。採点者が読みたいのは用語の一覧ではなく、受験者がその状況をどう判断したかです。5つの管理は、答案の結論を支えるために使う必要があります。

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総合技術監理部門の答案でよくある失敗は、自分の専門分野の技術説明に偏ることです。もちろん専門知識は大切ですが、総監では、それを管理の視点でどう判断するかが問われます。専門技術を書いた後に、費用、体制、情報、安全、社会環境へ展開できているかを確認しましょう。

根拠なく全方位に広げる

反対に、5つの管理をすべて入れようとして、設問と関係の薄い内容まで書くのも避けたいところです。答案には時間と文字数の制約があります。設問の中心課題に関係する管理分野を厚く書き、補助的な分野は留意点として簡潔に触れるなど、濃淡をつけることが大切です。

5つの管理を「全部同じ重さで入れる」ことが目的になると、答案の結論が弱くなります。設問要求に合わせて取捨選択する意識を持ちましょう。

技術士総合技術監理部門の5つの管理は練習で使えるようになる

技術士総合技術監理部門の5つの管理は、覚えただけで自然に答案へ出てくるものではありません。過去問や想定テーマを使い、設問要求を読み、主要課題を決め、各管理へ広げる練習を繰り返すことで、少しずつ使える視点になります。

最初は、答案を書く前に簡単な表を作るだけでも効果があります。縦に5つの管理、横に課題、対応策、リスク、留意点を置き、設問に関係する材料だけを書き出します。そのうえで、最も重要な論点から答案へ組み立てると、記述の抜けや偏りを見つけやすくなります。

独学で練習する場合は、自分の答案が総監らしい視点になっているかを確認しにくいことがあります。知識はあるのに答案がまとまらない場合は、資料や講座、個別指導を使って、答案の骨子や管理分野の使い方を客観的に確認するのも一つの方法です。

横浜すばる技術士事務所では、受験対策資料、オンライン講座、個別指導講座などを通じて、総合技術監理部門の受験対策を進めるための情報を提供しています。

5つの管理ごとに答案へ入れる内容を具体化する

5つの管理を記述式答案で使うには、それぞれを答案に書ける言葉へ具体化しておく必要があります。経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理という名称を覚えていても、設問を読んだ瞬間に具体的な論点へ変換できなければ、答案では使いにくくなります。

おすすめは、各管理について「課題として書けること」「対策として書けること」「リスクや留意点として書けること」をあらかじめ分けておくことです。この準備をしておくと、過去問演習の時に材料を選びやすくなります。

経済性管理は制約条件と優先順位で書く

経済性管理を答案へ入れる時は、単なるコスト削減にしないことが大切です。総監の答案では、限られた予算、人員、時間の中で、どの対策を優先するかを示す視点として使います。費用対効果、ライフサイクルコスト、工期への影響、投資効果、代替案比較などを材料にできます。

たとえば、安全対策を強化する設問でも、経済性管理は関係します。全ての対策を同時に実施できない場合、リスクの大きさ、実施費用、効果の早さを比較し、優先順位を決める必要があります。この判断を書けると、実務的な答案になります。

人的資源管理は実行体制で書く

人的資源管理は、人を増やすという意味だけではありません。役割分担、教育訓練、技能継承、指揮命令系統、外部協力者との連携など、対策を実行する体制を整える視点です。答案では、誰が判断し、誰が実施し、誰へ情報を伝えるのかまで考えます。

新しい仕組みや技術を導入する答案では、担当者が使いこなせなければ効果が出ません。教育計画、マニュアル整備、責任者の明確化、熟練者と若手の組み合わせなどを入れると、実行可能性を示しやすくなります。

情報管理は意思決定に使える情報で書く

情報管理は、データを集めるだけでは弱くなります。総監の答案では、必要な情報を正しく集め、関係者へ共有し、意思決定に使える形にすることまで書きます。記録の標準化、情報共有ルール、更新頻度、アクセス権限、情報漏えい防止などが材料になります。

特に複数の関係者が関わるテーマでは、情報の遅れや伝達漏れがリスクになります。誰がどの情報を持ち、どのタイミングで共有し、判断にどう使うのかを整理すると、答案の説得力が増します。

安全管理と社会環境管理は影響範囲で書く

安全管理では、事故や不具合を防ぐために、危険源を把握し、発生確率と影響を下げる対策を書きます。作業手順、教育、点検、監視、緊急時対応などが材料になります。社会環境管理では、環境負荷、地域社会、法令、説明責任、ステークホルダーへの影響を整理します。

この2つは、答案の最後に留意点として入れやすい管理分野です。ただし、単に「安全に配慮する」「環境に配慮する」と書くだけでは不十分です。どのようなリスクを想定し、どのような確認や説明を行うのかまで具体化しましょう。

5つの管理は、名称ではなく答案材料として準備しましょう。各管理を「課題」「対策」「リスク」「留意点」に変換できると、記述式答案で使いやすくなります。

過去問演習で5つの管理を定着させる練習法

5つの管理を定着させるには、読むだけではなく、過去問演習の中で使う練習が必要です。総監の記述式試験では、問題文の条件に応じて管理分野の重み付けを変えなければなりません。そのため、毎回同じ順番で5項目を書く練習より、設問ごとに主軸を選ぶ練習が重要です。

演習では、まず設問を読み、中心課題を1つ決めます。次に、5つの管理を横に並べ、その課題と関係する内容を書き出します。最後に、答案に入れるものと、入れないものを選びます。この取捨選択まで含めて練習すると、答案が散らかりにくくなります。

5分で管理分野の表を作る

本番では時間が限られるため、過去問演習でも短時間で整理する練習をします。縦に経済性、人的資源、情報、安全、社会環境を置き、横に課題、対策、リスク、留意点を置きます。各欄に長い文章を書く必要はありません。単語や短い文で十分です。

この表を作ると、どの管理分野が厚く書けそうか、どの分野は補助的に触れる程度でよいかが見えます。答案を書く前の5分で方向性を決める練習をすると、本文で迷う時間を減らせます。

主軸と補助線を決めてから書く

表を作ったら、主軸となる管理分野を決めます。たとえば、労働災害防止が中心なら安全管理を主軸にし、人的資源管理と情報管理を補助線にします。新技術導入が中心なら、情報管理や経済性管理を主軸にし、人的資源管理や安全管理を補助線にすることがあります。

主軸を決めずに書き始めると、5つの管理が並列になり、答案の結論が見えにくくなります。主軸を厚く書き、補助線で多面的な判断を示すと、総監らしい答案に近づきます。

書いた後に管理分野の抜けを確認する

答案を書いた後は、5つの管理がどのように使われているかを確認します。すべての管理分野を同じ量で入れる必要はありませんが、重要な視点が抜けていないかは見直します。特に、費用、体制、情報共有、安全、社会への影響のどれかが極端に欠けていないかを確認しましょう。

この見直しを繰り返すと、自分が偏りやすい管理分野が見えてきます。専門分野の説明に寄りすぎる人は経済性や社会環境が薄くなりやすく、リスクを書きすぎる人は対策の具体性が弱くなることがあります。

添削を受ける時は5つの管理の使い方を確認する

総監の答案を添削してもらう時は、文章表現だけでなく、5つの管理がどのように使えているかを確認することが大切です。誤字や言い回しを直すだけでは、総監らしい答案に近づきにくい場合があります。

添削を受けたら、指摘を管理分野ごとに分類してみましょう。経済性の根拠が弱いのか、人的資源の実行体制が足りないのか、情報管理の具体策が浅いのか、安全管理や社会環境管理が留意点だけで終わっているのかを分けます。分類すると、次に何を直すべきかが明確になります。

また、添削結果は次の答案のチェックリストに変えると効果的です。「主軸管理を先に決めたか」「補助的な管理を入れすぎていないか」「対策とリスクが対応しているか」「総監らしい多面的判断になっているか」を毎回確認しましょう。

総監の添削では、文章のきれいさよりも、5つの管理を使って課題、対策、リスク、留意点を多面的に整理できているかを確認することが重要です。

答案作成前に確認したい5つの管理チェックリスト

記述式答案を書く前には、5つの管理を使った簡単なチェックリストを用意しておくと便利です。答案作成中にすべてを思い出そうとすると時間がかかるため、事前に確認項目を決めておき、過去問ごとに当てはめる方が現実的です。

チェックリストは、長いものである必要はありません。各管理について、課題、対策、リスク、留意点を考える時に見る質問を1つずつ持っておくだけでも、答案の抜けを防ぎやすくなります。

経済性と人的資源は実行可能性を確認する

経済性管理では、「その対策は費用、時間、人員の制約の中で実行できるか」を確認します。人的資源管理では、「誰が実行し、どのような教育や役割分担が必要か」を確認します。この2つを見落とすと、答案の対策が理想論に見えやすくなります。

たとえば、最新システムの導入を書く場合でも、導入費用、運用費、教育期間、担当者の負担、外部委託の必要性を考えると、対策の現実性が増します。実行可能性を示すことで、管理技術者としての判断が伝わりやすくなります。

情報と安全はリスク低減を確認する

情報管理では、「判断に必要な情報が集まり、関係者へ共有されるか」を確認します。安全管理では、「事故や不具合の発生確率と影響を下げられるか」を確認します。この2つは、対策の品質と信頼性を支える重要な視点です。

情報が不足していれば、正しい対策を選べません。安全上のリスクを見落とせば、対策そのものが新たな問題を生むことがあります。答案では、情報共有、監視、点検、教育、緊急時対応などを必要に応じて組み合わせましょう。

社会環境は外部への説明を確認する

社会環境管理では、「関係者や社会へどのような影響があり、どのように説明するか」を確認します。環境負荷、地域住民、発注者、利用者、法令、社会的受容性などを考えると、答案の視野が広がります。

総監の答案では、内部の効率だけでなく、外部への影響も見ていることを示す必要があります。技術的に正しい対策でも、社会環境への配慮や説明責任が不足すると、管理の視点が弱く見えることがあります。

答案作成前は、5つの管理をすべて長く書くのではなく、設問に関係する管理を選び、実行可能性、リスク低減、外部影響の観点で抜けを確認しましょう。

このチェックリストは、演習を重ねるほど自分用に調整できます。毎回、経済性ばかり薄くなる人は費用対効果を確認項目に加え、安全管理が抽象的になる人は危険源や監視体制を確認項目に加えます。自分の答案の癖に合わせて見直すことで、5つの管理を実戦的に使いやすくなります。

総監の記述式試験では、知識をたくさん書くことよりも、設問の状況に合わせて管理技術者としての判断を示すことが重要です。チェックリストは、その判断を答案に落とし込むための補助道具です。演習のたびに使い、主軸と補助線を素早く決める練習を重ねましょう。

まとめ:5つの管理を答案の判断軸として使う

技術士総合技術監理部門の5つの管理は、記述式答案で多面的な判断を示すための重要な軸です。経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理を覚えるだけでなく、設問の状況に合わせて、課題、対応策、リスク、留意点へ変換することが大切です。

答案を書くときは、まず設問要求を固定し、主要な管理分野を選び、他の管理へ影響を広げていきます。5つを同じ重さで並べるのではなく、主軸と補助線を分けて使うことで、読みやすく総監らしい答案に近づきます。

総合技術監理部門の記述式対策を体系的に進めたい方は、総監向けの受験対策資料や個別指導講座を確認し、自分の答案で5つの管理が正しく使えているかを見直してみてください。

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この記事を書いた人

横浜すばる技術士事務所
代表:横浜すばる
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