技術士二次試験(建設部門)に一発合格するためには、午前中に行われる「必須科目Ⅰ」でのA判定獲得が絶対条件です。
しかし、必須科目Ⅰの合格基準である「60%以上の得点(A判定)」をクリアするのは容易ではありません。毎年、多くの受験生が「手応えはあったのに、結果はB判定(またはC判定)だった……」と涙を呑んでいます。
なぜ、知識や経験が豊富な現役のエンジニアたちが、必須科目ⅠでA判定を取れないのでしょうか?
その理由は明白です。
「出題者が求めている『技術士としての資質(コンピテンシー)』を論文で表現できていないから」、そして「最新の国土交通省の施策トレンドを捉えた、具体的な解決策を提示できていないから」です。
本記事では、令和8年度の技術士二次試験・建設部門の必須科目で確実に「A判定」を勝ち取るための論文執筆法と、今年度試験で出題が極めて濃厚な「的中予想問題」の対策について徹底解説します。
必須科目Ⅰで「A判定」と「B判定以下」を分ける決定的な差
技術士二次試験の採点官は、あなたの論文の「知識の量」だけを見ているわけではありません。最も重要視されているのは、「技術士会が定義するコンピテンシー(資質能力)を満たしているか」という点です。
まずは、A判定論文とB判定以下になってしまう論文の構造的な違いを把握しておきましょう。
「設問の要求」に100%答えているか
必須科目Ⅰの記述式問題(3枚)は、例年(1)〜(4)の4つの設問で構成されています。
(1) 多面的な観点からの課題の抽出と分析
(2) 最も重要と考える課題の選定と、その解決策
(3) 解決策を講じた後に生じる波及効果と懸念事項、その対対応策
(4) 業務遂行に当たっての技術者倫理、持続可能性(SDGs)への配慮
B判定以下に沈む論文の多くは、(1)で挙げた課題と、(2)で提示した解決策が論理的につながっていなかったり、(3)の「波及効果」の意味を誤解して単なる「メリット」を書いてしまったりしています。設問の指示に対して、ズレのない「ストレートな解答」を返すことがA判定への大前提です。
「技術士」としての視点で書かれているか
一般の技術者(担当者レベル)の論文は、「〇〇の技術を使って、このように施工する」といった個別の工法や技術論に終始しがちです。 しかし、求められているのは「技術士(指導者レベル)」の視点です。社会インフラ全体の持続可能性、コストや人員の制約、安全性、環境への配慮など、多面的なリスクを見極めた上で、総合的なマネジメント方針を提示できるかが、A判定の評価基準となります。
国土交通省の「一次情報」に基づいているか
建設部門の必須科目は、国土交通白書や政府の主要施策(骨太の方針など)がベースになります。独自のアイデアや根拠のない持論ではなく、「国が今、どの方向に舵を切っているのか」という一次情報に沿ったキーワード(例:流域治水、予防保全、2024年問題以降の生産性向上など)を正しく散りばめることで、採点官への説得力が跳ね上がります。
令和8年度 建設部門・必須科目Ⅰの「5大トレンド」と出題予測
令和8年度の試験において、A判定を狙う上で絶対に外せない最重要キーワードと、それぞれの出題の切り口をまとめました。これらのテーマを組み合わせた問題が、今年の必須科目Ⅰの本命となります。
【令和8年度 建設部門必須科目 5大出題トレンド】
1. 防災・減災、国土強靱化(流域治水の深化とインフラレジリエンスの向上)
2. 社会資本の老朽化対策(事後保全から「予防保全」への完全シフトと集約化)
3. 建設業の担い手確保と働き方改革(2024年問題以降の定着、週休2日の質の向上)
4. 建設DXの社会実装(BIM/CIMの活用、AI・ドローンによる維持管理の高度化)
5. 建設GXとカーボンニュートラル(施工時・資材製造時のCO2削減、資源循環)
これらの5大トレンドは、それぞれ独立しているわけではありません。現在の試験傾向では、「複数のトレンドが交錯する課題」が出題されます。
例えば、以下のような「複合的な視点」を持った論文構成が書けるかどうかが、A判定の分かれ道です。
試験本番でパニックを防ぐ「A判定論文テンプレート」
必須科目Ⅰの試験時間は120分。白紙の答案用紙3枚(1,800文字)を埋めるには、1分間に15文字以上を書き続けなければ間に合いません。本番で「どのような構成にしようか」と迷っている時間はありません。
A判定を取る受験生は、以下のような「合格論文の骨組み(型)」をはじめから頭にインストールして試験に臨んでいます。
【設問(1) 課題の抽出】の組み立て方(目安:1枚目全面)
- 書き出し: 現代の日本(または建設分野)が直面している背景を2〜3行で簡潔に記述。
- 課題①、②、③: それぞれ異なる観点(例:「ハード面の対策」「ソフト・運用面の対策」「人材・基盤の確保」など)から課題を抽出。
- 各課題の構成: 「現状と問題点」→「〜〜が課題である」という形で、原因と課題を明確に分ける。
【設問(2) 最も重要な課題と解決策】の組み立て方(目安:2枚目全面)
- 選定理由: なぜその課題が最も重要なのか(例:「影響の範囲が最も広い」「他の課題の解決にも直結する」など)を合理的・客観的に説明。
- 解決策①、②、③: 最も重要な課題を解決するための、具体的なアプローチを3つ提示。専門用語(一次情報のキーワード)を適切に使い、単なる理想論ではなく実現可能なイノベーションを記述する。
【設問(3) 波及効果・懸念事項】の組み立て方(目安:3枚目半分まで)
- 波及効果: 解決策を実行したことで、他の分野や社会全体に得られる「副次的なメリット」を記述。
- 懸念事項: 新たな技術や施策を導入したことで、逆に生じるリスク(例:コストの増大、新たなサイバーセキュリティリスク、特定技術への依存など)。
- 対応策: その懸念事項をあらかじめ回避・軽減するための具体的な方策。
【設問(4) 技術者倫理・持続可能性】の組み立て方(目安:3枚目残り)
- 技術者倫理: 公衆の安全・健康・福利の最優先、誠実な業務遂行について、今回のテーマに絡めて記述。
- 持続可能性: 2050年カーボンニュートラルやSDGsの目標達成に向け、将来世代に負担を残さないための視点を記述。
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