技術士二次試験の解決策が浅いと言われる理由|具体性を高める答案作成法

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技術士二次試験の論文答案で、「解決策が浅い」「具体性が足りない」と言われて悩む受験生は少なくありません。自分では一生懸命に書いたつもりでも、添削では厳しく指摘されることがあります。

よくあるのは、「ICTを活用する」「関係者と連携する」「人材育成を進める」「PDCAを回す」といった表現で止まってしまう答案です。これらの方向性自体が間違いとは限りません。しかし、どの課題に対して、誰が、何を、どの順番で実施し、どのように効果を確認するのかが見えなければ、採点者には浅く見えてしまいます。

この記事では、技術士二次試験の解決策が浅いと言われる理由と、具体性を高める答案作成法を初心者向けに解説します。課題とのつなげ方、具体化の視点、答案内での書き方まで整理していきます。

目次

技術士二次試験で解決策が浅いと言われる答案とは

技術士二次試験で解決策が浅いと言われる答案は、対策の名前は書いてあるのに、実際に何をするのかが分かりにくい答案です。表現はそれらしく見えても、採点者が読んだ時に「この人は本当に現場や業務で実行する場面を想定しているのか」と疑問を持たれやすくなります。

技術士二次試験の答案では、専門知識だけでなく、課題を整理し、実現可能な対応を考え、技術者として説明する力が問われます。解決策は、答案の中でも受験生の判断力が見えやすい部分です。

解決策の具体性とは、難しい専門用語を増やすことではありません。課題に対して、実際にどう動くのかが採点者に伝わる状態を作ることです。

一般論だけでは採点者に伝わりにくい

「ICTを活用する」「関係機関と連携する」「教育訓練を行う」といった表現は、多くの答案で使われます。そのため、これだけでは差がつきにくい表現でもあります。

たとえば「ICTを活用する」と書くなら、何のデータを集めるのか、誰が入力するのか、どの判断に使うのか、導入時の課題は何かまで考える必要があります。そこまで書けると、単なる流行語ではなく、課題解決の手段として見えやすくなります。

課題と解決策がつながっていない

解決策が浅く見える大きな原因は、前半で示した課題と後半の対策がつながっていないことです。課題では「担い手不足」を挙げているのに、解決策では「点検データの高度化」だけを書いていると、なぜその対策で担い手不足に対応できるのかが伝わりにくくなります。

もちろん、点検データの高度化が担い手不足対策につながる場合もあります。しかしその場合は、「熟練者の判断をデータ化し、若手でも点検優先度を判断しやすくする」など、課題とのつながりを説明する必要があります。

具体性は専門用語の多さではない

初心者の方は、答案を専門的に見せようとして、難しい言葉を増やしてしまうことがあります。しかし、専門用語が多くても、対策の中身が見えなければ評価にはつながりにくいです。

採点者が知りたいのは、受験生が問題文の条件を理解し、技術者として妥当な解決策を組み立てられるかです。言葉を飾るよりも、課題、対策、効果、留意点が論理的につながっていることが大切です。

論文答案全体の基本を確認したい方は、関連記事の技術士二次試験受験対策で差がつく論文の書き方を解説も参考になります。解決策だけでなく、設問要求から答案構成を作る流れを合わせて確認すると理解しやすくなります。

解決策を具体化する前に課題とのつながりを確認する

解決策を具体化する前に、まず確認したいのは課題とのつながりです。答案では、課題を示してから解決策を書く流れになることが多いため、課題が曖昧だと解決策も曖昧になります。

「何を解決するための対策なのか」が明確になっていないまま書き始めると、どれも良さそうな対策に見えてしまいます。その結果、一般論を並べただけの答案になりやすくなります。

課題から原因、解決策、効果まで一本でつなげる

解決策を考える時は、課題、原因、解決策、効果を一本の線でつなげます。たとえば、課題が「限られた人員で維持管理の質を確保すること」なら、原因として「点検記録の属人化」「優先順位判断のばらつき」「若手への技術継承不足」などが考えられます。

そこから、「点検記録を標準化し、損傷度や重要度を共通指標で整理する」「優先順位を見える化し、熟練者だけに依存しない判断体制を作る」といった解決策へつなげます。さらに、「限られた人員でも重要施設から計画的に対応できる」と効果まで示せると、答案の流れが明確になります。

解決策を書く前に、「この対策は、どの課題のどの原因に効くのか」を一文で説明できるか確認しましょう。

設問条件に合う対策だけを選ぶ

どれほど良い対策でも、設問条件に合っていなければ評価されにくくなります。問題文が求めている対象、立場、制約、時間軸を外していないかを確認しましょう。

たとえば、短期間での対応が求められている問題に対して、大規模な制度改革だけを書くと現実味が弱くなります。反対に、中長期的な課題を問われているのに、その場しのぎの応急対応だけで終わるのも不十分です。

重要課題に対する主対策を決める

解決策を多く並べるほど答案が良くなるわけではありません。むしろ、対策が多すぎると一つひとつの説明が薄くなります。まず、最も重要な課題に対する主対策を決め、その理由と進め方を丁寧に書くことが大切です。

課題の見つけ方に不安がある方は、技術士建設部門受験対策で論文が書けない人に必要な準備とはも参考になります。課題を整理できるようになると、解決策も選びやすくなります。

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浅い解決策を具体化する5つの視点

解決策を具体化する時は、感覚だけで文章を増やすのではなく、確認する視点を決めておくと安定します。初心者の方は、次の5つを意識すると、一般論から一歩踏み込んだ答案にしやすくなります。

対象を絞る

まず、「何を対象にするのか」を絞ります。対象が広すぎると、解決策もぼんやりします。「インフラを維持管理する」では広すぎる場合、「老朽化が進む橋梁のうち、交通量や代替路の有無から重要度の高い施設を優先する」と書くと、対象が明確になります。

対象を絞ると、対策の手順や効果も書きやすくなります。採点者にも、受験生が問題を具体的に捉えていることが伝わります。

実施主体を明確にする

次に、「誰が実施するのか」を明確にします。行政、発注者、受注者、設計者、施工者、維持管理者、住民、関係機関など、主体が変われば対策の内容も変わります。

「関係者と連携する」と書く場合も、誰と誰が、何の情報を共有し、どの判断に使うのかまで書くと具体性が増します。主体が見えると、答案が現実の業務に近づきます。

手順と優先順位を書く

解決策は、やることを並べるだけでなく、進める順番も大切です。特に二次試験の答案では、限られた条件の中でどう優先順位をつけるかが評価につながります。

たとえば、「点検結果をデータベース化し、重要度と劣化度で優先順位を付け、緊急性の高い箇所から補修計画へ反映する」と書けば、対策の流れが見えます。単に「データを活用する」よりも、実行場面が伝わりやすくなります。

効果の確認方法を書く

解決策を書いたら、その効果をどのように確認するかも考えます。技術者としての提案は、実施して終わりではありません。効果を確認し、必要に応じて改善する視点が必要です。

たとえば、「事故件数の減少」「点検漏れの減少」「補修優先順位の明確化」「工期遅延の抑制」「住民説明の円滑化」など、対策に応じた確認方法を書けると、答案の説得力が高まります。

リスクと留意点まで見通す

どの解決策にも、実施上のリスクや留意点があります。ICT導入ならデータ品質、運用負担、初期費用、現場への定着が課題になります。関係者連携なら、責任分担や情報共有の範囲を明確にする必要があります。

リスクまで見通して書くと、単なる理想論ではなく、実務を踏まえた提案に見えます。技術士二次試験では、この現実的な視点が重要です。

解決策を具体化する時は、「対象」「主体」「手順」「効果確認」「リスク・留意点」の5つを確認しましょう。これだけでも、一般論で止まる答案を避けやすくなります。

答案で説得力を高める解決策の書き方

解決策の内容を考えたら、次は答案でどう書くかです。同じ内容でも、書き方が整理されていないと採点者に伝わりにくくなります。二次試験では、限られた時間と答案用紙の中で、読みやすく伝える工夫が必要です。

まず結論を短く示す

解決策を書く時は、最初に結論を短く示します。「重要施設を優先した予防保全型の維持管理へ転換する」「点検データを標準化し、優先順位判断のばらつきを抑える」など、何をするのかを先に書きます。

結論が先にあると、採点者はその後の説明を読みやすくなります。逆に、背景説明から長く始めると、何を解決策として主張したいのかが見えにくくなります。

その対策が必要な理由を添える

解決策には、なぜその対策が必要なのかを添えます。理由がない対策は、思いつきを並べたように見えます。課題や原因と対応していることを短く説明しましょう。

たとえば、「限られた人員で全施設を同じ頻度で点検することは難しいため、損傷度と重要度に基づく優先順位を設定する」と書けば、対策の必要性が伝わります。

実現条件や制約も書く

解決策は、理想だけでなく実現条件も書くと説得力が増します。予算、人員、期間、関係者の合意、データ整備、現場運用など、実行するうえで必要な条件を意識しましょう。

ただし、制約を書きすぎて消極的な答案にする必要はありません。大切なのは、制約を理解したうえで、現実的に進める方法を示すことです。

課題解決後の効果まで述べる

解決策の最後には、期待される効果を述べます。効果を書くことで、その対策が課題解決にどう役立つのかが明確になります。

「これにより、限られた人員でも重要度の高い施設から計画的に維持管理でき、事故リスクと維持管理費の平準化に寄与する」といった形です。効果は大げさに書く必要はありません。課題に対応した自然な効果を示しましょう。

過去問演習で答案の流れを練習する場合は、技術士二次試験受験対策で過去問をどう使う?論文力を伸ばす効率的な勉強法も参考になります。解決策だけを暗記するのではなく、問題文に合わせて組み立てる練習が重要です。

初心者が避けたい解決策のNGパターン

解決策が浅くなる答案には、いくつかの共通パターンがあります。自分の答案を見直す時は、次のような書き方になっていないか確認しましょう。

流行語だけを並べる

DX、AI、ICT、BIM/CIM、カーボンニュートラル、レジリエンスなどの言葉は、テーマによっては有効です。しかし、言葉を入れただけでは解決策にはなりません。

これらの用語を使う場合は、課題に対してどのように使うのか、導入によって何が改善されるのか、現場での運用上の注意点は何かまで説明する必要があります。

対策を増やしすぎる

答案を充実させようとして、対策をいくつも並べる人がいます。しかし、答案用紙には限りがあります。数を増やすほど、一つひとつの対策が浅くなりやすいです。

複数の対策を書く場合でも、主対策と補助対策を分けましょう。最も重要な対策を丁寧に説明し、補助対策はその主対策を支える位置づけにすると、答案がまとまりやすくなります。

理想論で終わる

「持続可能な社会を実現する」「安全で安心なまちづくりを進める」といった表現は大切ですが、それだけでは理想論で終わります。答案では、その理想に向けて何を実施するのかが必要です。

理想を掲げる場合は、具体的な手段、実施手順、関係者、効果確認まで落とし込みます。抽象的な目標と具体的な行動をセットにすることが重要です。

リスクや留意点が抜ける

良い解決策を書いたつもりでも、リスクや留意点が抜けると、実務感が弱くなります。新技術の導入には教育や運用ルールが必要です。関係者連携には責任分担が必要です。住民説明には情報の透明性が必要です。

リスクを恐れて対策を書かないのではなく、リスクを理解したうえで対策を進める視点を示しましょう。ここまで書けると、答案に技術者としての判断が出てきます。

「ICTを活用する」「連携する」「人材育成する」で止まる答案は、浅く見えやすいです。必ず、対象・主体・手順・効果・留意点まで広げて考えましょう。

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解決策の具体性は過去問演習と添削で鍛えられる

解決策の具体性は、一度説明を読んだだけで身につくものではありません。過去問を使って答案を書き、自分の解決策が課題とつながっているかを見直すことで、少しずつ精度が上がります。

過去問では解決策だけを抜き出して見直す

過去問演習をしたら、答案全体を見直すだけでなく、解決策の部分だけを抜き出して確認してみましょう。その解決策は、前に書いた課題に対応しているか。対象や主体は明確か。効果や留意点まで書けているか。こうした観点で見直します。

最初はうまく書けなくても問題ありません。重要なのは、どこが浅いのかを自分で見つけ、次の答案で改善することです。

添削では「なぜ浅いのか」を確認する

添削を受ける場合は、「具体性が足りない」と言われた箇所について、どの要素が不足しているのかを確認しましょう。対象が広すぎるのか、手順がないのか、課題との対応が弱いのか、効果が書けていないのかで改善方法は変わります。

添削の活用については、技術士二次試験は添削がカギ!!も参考になります。自分では気づきにくい答案の弱点を確認することで、次の答案を改善しやすくなります。

講座や資料は解決策の組み立て方を学ぶために使う

講座や資料を使う時も、模範解答の文章を丸暗記するだけでは不十分です。どの課題に対して、どのように解決策を選び、どの順番で説明しているのかを見ます。

建設部門を受験する方は、技術士二次試験建設部門受験対策資料の販売【合格する論文の法則】で、論文答案の考え方を体系的に確認できます。答案の型を学ぶことで、解決策を設問に合わせて組み立てやすくなります。

また、自分の答案の解決策が浅いと言われる理由を具体的に知りたい方は、技術士二次試験個別指導講座【建設部門】のような個別指導を活用すると、課題設定から解決策、リスク・留意点まで一連の流れで確認しやすくなります。

まとめ

技術士二次試験で解決策が浅いと言われる原因は、対策名を書いているだけで、実際に何をするのかが伝わっていないことです。特に、課題とのつながりが弱い答案、一般論だけで終わる答案、流行語だけを並べる答案は注意が必要です。

解決策を具体化するには、対象、主体、手順、効果確認、リスク・留意点の5つを確認しましょう。さらに、課題、原因、解決策、効果が一本の線でつながっているかを見直すことが大切です。

初心者のうちは、最初から完璧な答案を書く必要はありません。過去問演習と添削を通じて、「なぜ浅く見えるのか」「どこを補えば具体的になるのか」を確認しながら改善していきましょう。

技術士二次試験の解決策は、かっこいい言葉よりも、課題に対して実行可能な流れを示すことが重要です。採点者に「この受験生は、技術者として具体的に考えている」と伝わる答案を目指しましょう。

この記事を書いた人

横浜すばる技術士事務所
代表:横浜すばる
技術士(建設部門ー施工計画、施工設備及び積算) (総合技術監理部門)

技術士一次試験、技術士二次試験、技術士総合技術監理部門とすべて1回で合格しました。
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