令和6年度技術士第一次試験問題の解説[ 建設部門]

像の鼻

令和6年度技術士第一次試験建設部門について問題を解説いたします。

次の 35 問題のうち 25 問題を選択して解答せよ。(解答欄に 1 つだけマークすること。)

目次

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-1

ある湿潤状態の土の体積と質量を測定したところ,それぞれ 400m3 と 600Mg であった。この土を
乾燥させたところ 500Mg となった。土粒子比重を 2.70, 水の密度を 1.00Mg/m3 とするとき,この土の
湿潤密度,含水比,間隙比に最も近い値の組合せはどれか。ここで, Mg/m3=g/cm3 である。

 湿潤密度   含水比  間隙比
① 1.1Mg/m3  20%   0. 82
② 1.1Mg/m3  50%   2. 32
③ 1.5Mg/m3  20%   0. 82
④ 1.1Mg/m3  20%   1. 16
⑤ 1.5Mg/m3  20%   1. 16

正解は⑤
解説

  1. 密度 = 質量 ÷ 体積
  2. 含水比 = 水の質量 ÷ 土粒子の質量
  3. 間隙比 = 間隙体積 ÷ 土粒子体積

の順で解くと、土質力学の問題はほとんど整理できます。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-2

ある細粒土のコンシステンシー試験の結果,液性限界は 70%, 塑性限界は 40%であった。この土
の液性指数として,最も適切なものはどれか。ただし,自然状態の含水比は 55%とする。

① 30  ② 15  ③ 0. 5  ④ 0. 25  ⑤ 0. 2 

正解は③
解説

土質力学の試験では、「液性指数 = (自然含水比 − 塑性限界)÷(液性限界 − 塑性限界)」をそのまま覚えておくと解きやすいです。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-3

斜面安定,支持力及び基礎に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 直接基礎は,通常,構造物直下の地層の支持力が不足する場合や,沈下が過大になる場合に用いられ
る。
② 簡便分割法やスウェーデン法で用いられる斜面の安全率は,すべり面に沿った土のせん断強さをすべ
り面に働くせん断力で割った値として定義される。
③ 地盤の許容支持力は,構造物の重要性,土質定数の精度や土の鋭敏性などを考慮して,極限支持力を
適当な安全率で割って求められる。
④ 斜面の安全率の定義の 1 つは,ある点に関して,土のせん断強さによる抵抗モーメントを滑動モーメ
ントで割った値として定義され,円弧すべり法はこの定義に基づいている。
⑤ 杭の負の摩擦力は,杭の周囲の地盤が沈下することにより杭周面に下向きに作用する摩擦力をいう。
杭の負の摩擦力が働くと,杭材に大きな軸力が負荷されるとともに,杭先端地盤に大きな荷重が作用
することとなる。

正解は①
解説

直接基礎
→ 浅い場所に良い地盤があるとき

杭基礎
→ 浅い場所の地盤が弱いとき問題文①は地盤が弱いときに直接基礎を使うと書いているので、「それは杭基礎!」と気付ければすぐに解けます。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-4

締固めた土の性質に関する次の記述の[  ]に入る語句の組合せとして,最も適切なものはどれか。

締固めた土は一般的に,乾燥密度が高いほど強度が[ a ],圧縮性が[ b ]透水係数が[ c ]。

  a   b    c
① 小さく  低く  大きい
② 大きく  高く  小さ
③ 大きく  低く  大きい
④ 大きく  低く  小さい
⑤ 小さく  高く  大きい

正解は④
解説

ぎっしり詰まる → 強い(強度)
ぎっしり詰まる → 沈みにくい(圧縮性)
ぎっしり詰まる → 水が通りにくい(透水係数)
この3つをセットで覚えておくと、同じような問題に対応できます。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-5

下図に示すように,長さが L, 一辺の長さが a の正方形断面をした長柱がある。この長柱が圧縮荷重
P を受けるとき,座屈荷重 Per に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。

① Pcrは a2に比例,L に反比例する。
② Pcrは a3に比例,L2に反比例する。
③ Pcrは a4に比例,L2に反比例する。
④ Pcrは a3に比例,L に反比例する。
⑤ Pcrは a4に比例,L に反比例する。

正解は③
解説

この問題はオイラーの座屈荷重の公式を知っていれば解けます。
座屈荷重(限界荷重)は

Pcr=L2π2EIPcr​=L2π2EI​

で表されます。ここでE:ヤング係数、I:断面二次モーメント、L:柱の長さつまり、Pcr​ は III に比例、L2 に反比例します。


技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-6

下図に示す T 形断面について,辺 AB から図心 C までの距離 h として最も適切なものはどれか。

正解は④
解説

この問題は、T形断面を2つの長方形に分けて図心を求める問題です。

この問題では2つの長方形の面積がどちらも 4a24a^2なので、図心は2つの中心の平均を取るだけで求められます。


縦の中心:2a
横の中心:4.5a
平均:3.25a = 13/4a

これが一番簡単な解き方です。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-7

鋼構造物の疲労に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 疲労とは,時間的に変動する荷重が繰返し作用することによってき裂が発生・進展し,破壊につなが
る現象である。
② 一定振幅の変動応力を繰返し受けるとき,疲労寿命の長短は応力の振幅に依存し,応カの平均値の影
響は受けない。
③ 溶接残留応力が存在すると,外力によって生じる変動応力が圧縮であっても疲労き裂が発生すること
がある。
④ 溶接継手において疲労き裂の起点となるのは,溶接止端,溶接ルート,溶接欠陥である。
⑤ 溶接止端から発生する疲労き裂を対象とした疲労強度向上法として,グラインダー処理によって溶接
止端形状を滑らかにする方法がある。

正解は②
解説
れは間違いです。疲労寿命は

応力振幅(どれだけ大きく変動するか)

平均応力(平均的にどれだけ引っ張られているか)

両方の影響を受けます。例えば、同じ振幅でも平均応力が大きい(常に引っ張られている)ほど、疲労破壊しやすくなります。そのため、「平均値の影響は受けない」という部分が誤りです。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-8

鋼材の腐食に関する次の記述の[ ]に入る語句の組合せとして,最も適切なものはどれか。
腐食反応では,[ a ]と[ b ]が必ず等量で進行し、片方の反応が抑制されれば自動的に他方の反
応も抑制されることになる。鉄が溶出する[ a ]が生じるためには水分と鉄の接触が必要であり,
[ b ]の進行には[ c ]と[ d ]の存在が必要となる。
[ e は,鋼材表面に緻密なさび層を形成させ,これが鋼材表面を保護することで鋼材の腐食による板
厚減少を抑制するものである。

 a        b       c    d   e
① アノード反応  カソード反応  水   酸素  耐候性鋼材
② アノード反応  カソード反応  塩酸  窒素  金属溶射
③ カソード反応  アノード反応  水   酸素  溶融亜鉛めっき
④ アノード反応  カソード反応  塩水  窒素  耐候性鋼材
⑤ カソード反応  アノード反応  水   酸素  金属溶射

正解は①
解説

腐食は次の3つだけ覚えれば十分です。

アノード反応=鉄が溶ける

カソード反応=水と酸素が必要

耐候性鋼材=保護さびを作って腐食を防ぐ

この3つを覚えておけば、このタイプの問題はすぐ解けます。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-9

道路橋の床版に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 床版は,自動車輪荷重を直接支えるものであるため,その耐久性は輪荷重の大きさと頻度,すなわち
大型の自動車の走行台数の影響を大きく受ける。
② 鋼床版とは,縦リブ,横リブでデッキプレートを補剛したものであり,鋼床版は縦桁,横桁等の床組
構造又は主桁で支持される。
③ 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮する場合,床版のコンクリートには一般に桁作用とし
ての応力と床版作用としての応力が同時に生じる。
④ 鋼コンクリート合成床版は,鋼板や形鋼等の鋼部材とコンクリートが一体となって荷重に抵抗するよ
う合成構造として設計される。
⑤ 床版の設計には L 荷重を用いる。この L 荷重は,車両の隣り合う車軸を 1 組の集中荷重に置き換えた
ものである。

正解は⑤
解説

荷重は車両の隣り合う車軸を1組の集中荷重に置き換えたものである。
これは間違いです。L荷重とは、道路橋の設計で使用する設計活荷重のことです。車両全体の荷重をモデル化したものであり、「隣り合う車軸を1組の集中荷重に置き換えたもの」ではありません。その説明はL荷重の定義として不適切です。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-10

コンクリートに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 細骨材率を過度に小さくするとコンクリートが粗々しくなり,材料分離の傾向も高まり,ワーカビリ
ティーが低下する。
② 単位水量が多いコンクリートを使用すると,材料分離が生じにくくなり,均質で欠陥の少ないコンク
リートを造りやすくなる。
③ コンクリートの材料分離抵抗性を確保するためには,一定以上の単位セメント量あるいは単位粉体量
が必要である。
④ コンクリートの標準的な空気量は,練上がり時においてコンクリート体積の 4~7%程度とするのが一
般的である。
⑤ コンクリートは,運搬,打込み,締固め,仕上げ等に適するワーカビリティーを有している必要があ
る。

正解は②
解説

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-11

プレストレストコンクリートに関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。

① プレストレストコンクリートは,コンクリート部材におけるひび割れ性能の改善には有利であるが,
部材断面の縮小には不利な構造である。
② ポストテンション方式とは,緊張材に引張力を与えておいてコンクリートを打ち込み,コンクリート
硬化後に緊張材に与えておいた引張力を緊張材とコンクリートとの付着によりコンクリートに伝えてプ
レストレスを与える方法である。
③ プレテンション方式とは,コンクリートの硬化後,緊張材に引張力を与えて,その端部をコンクリー
トに定着させてプレストレスを与える方法である。
④ プレストレストコンクリート構造物の維持管理においては,鉄筋コンクリート構造物に対して行う内
容に加えて,プレストレストコンクリートに関する特有の事項,特に PC 鋼材の腐食には留意すること
が必要である。
⑤ プレストレスカの算出において,コンクリートの弾性変形の影響は考慮する必要がない。

正解は④
解説

その通りです。PC鋼材が腐食すると、プレストレスが低下する、強度が低下するため、維持管理では特に重要な点検項目です。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-12

コンクリート構造物の劣化現象に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① アルカリシリカ反応とは,骨材中に含まれる反応性を有するシリカ鉱物等がコンクリート中のアルカ
リ性水溶液と反応して,コンクリートに異常膨張やひび割れを発生させる劣化現象をいう。
② 道路橋の鉄筋コンクリート床版の疲労とは,輪荷重の繰返し作用により床版にひび割れや陥没を生じ
る現象をいう。
③ 塩害とは,コンクリート中の鋼材の腐食が塩化物イオンにより促進され,コンクリートのひび割れや
剥離,鋼材の断面減少を引き起こす劣化現象をいう。
④ 中性化と水分浸透による鋼材腐食とは,酸性物質や硫酸イオンとの接触によりコンクリート硬化体が
分解したり,化合物生成時の膨張圧によってコンクリートのひび割れや剥離を引き起こしたりする劣化
現象をいう。
⑤ 凍害とは,コンクリート中の水分が凍結と融解を繰り返すことによって,コンクリート表面からスケ
ーリング,微細ひび割れ及びポップアウト等の形で劣化する現象をいう。

正解は④
解説

これは中性化ではなく、化学的侵食(化学的腐食の説明です。

中性化とは?

空気中の二酸化炭素(CO₂)がコンクリート内部に入り、アルカリ性が弱くなる現象です。その結果、鉄筋が錆びやすくなるひび割れや剥離が起こる

という劣化です。一方、酸性物質や硫酸イオンでコンクリートが分解される現象は、化学的侵食です。つまり、問題文は劣化現象を取り違えています。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-13

都市計画法上の都市施設に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 都市計画法における都市計画とは,都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための士地利用,都市施
設の整備及び市街地開発事業に関する計画とされている。
② 都市施設は,市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については,少なくとも道
路,公園及び上水道を定めるものとする。
③ 都市施設は,都市計画区域内において定めることができるとされているが,特に必要があるときは,
都市計画区域外においても定めることができる。
④ 交通施設,公共空地,供給施設は,都市施設の種類に含まれている。
⑤ 都市施設については,都市計画に,都市施設の種類,名称,位置及び区域を定める。

正解は②
解説

市街化区域で必ず定めるのは道路、公園、下水道です。上水道ではありません。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-14

都市計画区域などに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 区域区分をするか否かは,地域の実情を踏まえて,都市計画区域のマスタープランの中で判断され
る。
② 都市計画区域については,都市計画区域の整備,開発及び保全の方針を定めることとなっている。
③ 都市計画区域は,市町村の行政区域と一致している必要はない。
④ 市街化区域及び市街化調整区域については,少なくとも用途地域を定めることとなっている。
⑤ 市街化区域は,すでに市街地を形成している区域及びおおむね 10 年以内に優先的かつ計画的に市街化
を図るべき区域である。

正解は④
解説

用途地域を定めるのは「市街化区域」です。一方、市街化調整区域は市街化を抑制する区域なので、原則として用途地域は定めません。したがって、この選択肢が誤りです。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-15

幹線交通網評価に用いる 4 段階推定法に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 交通手段別分担交通量の推定に用いられる集計ロジットモデルは,パラメータ推定が容易であり,推
計分担率が必ず 0 と 1 の間におさまる利点がある。
② 分布交通量の推定に用いられるフレーター法は,現在パターン法の 1 つである。
③ ゾーン別発生量,集中量の推定には,原単位法,クロス分類法,重回帰モデル法が使われている。
④ 配分交通量の推定に用いられる最適配分には,利用者最適(等時間配分)とシステム最適(総走行時
間最小)がある。
⑤ 分析単位となるゾーンは,調査圏域と周辺地域を分割して設定され,発生・集中量の大きい都市圏中
心部では大きなゾーン区分になるのに対し,都市圏周辺部では細かなゾーン区分となるのが通例であ
る。

正解は⑤
解説

都市中心部:交通量が多いので細かいゾーン

都市周辺部:交通量が少ないので大きなゾーン

となります。交通量が多い地域ほど細かく区分して分析する必要があるためです。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-16

都市再生や公共空間活用に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 都市再生特別措置法が施行され,民間の活力を中心とした都市再生や官民の公共公益施設整備などに
よる都市再生の取組が推進されるようになった。
② リノベーションは,中心市街地にある歴史的建築物などの遊休不動産を活用し,都市の再活性化を図
る取組のうち,建築物の用途変更を含むものをいう。
③ エリアマネジメントは,地域の良好な環境や価値を維持・向上させるため,住民・事業主・地権者等
が主体となって,清掃・維持管理,防犯・防災,イベントの運営などに取組むことをいう。
④ 官民一体の協働プロジェクトとしてはじめられたミズベリングは,水辺を「つくる」だけでなく水辺
やその周辺地域を「つかいこなす」ことに重点を置いている。
⑤ 2020 年に道路法が改正され,歩行者利便増進道路制度が創設されたことによって,道路がにぎわい創
出のための滞留空間としても捉えられるようになった。

正解は②
解説

ノベーションとは、建物に新しい価値や機能を加える改修のことです。用途変更(例:倉庫をカフェにする)を行うこともありますが、用途変更は必須ではありません。例えば、

古いオフィスを最新設備のオフィスに改修する
古民家を住みやすく改修する

つまり、「用途変更を含むもの」と限定している点が誤りです。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-17

垂直に立てられた長方形の壁(平板)に水深 h の静水圧が作用するとき,奥行方向の単位幅当たり
(奥行方向の幅 b=l) の全水圧と,全水圧の作用点の水面からの距離の組合せとして,最も適切なものはど
れか。ただし,水の密度を p,重力加速度を g とする。

正解は④
解説

垂直な壁の静水圧

全水圧12ρgh2\boxed{\frac12\rho gh^2}21​ρgh2​

作用点(水面から)23h\boxed{\frac23h}32​h​全水圧 → 「1/2作用点 → 「2/3(水面から)」

つまり、「半分・3分の2」

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-18

河川の流出解析に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

①流出解析の目的は,洪水や渇水を予測すること,流域環境や気候の変化に伴う水循環の変化を予測する
ことにある。
②全降雨のうち,対象とする流出成分となる分を有効降雨といい,雨といい、ならない分を損失降雨とい
う。
③洪水時のピーク流量を推定するために使われる合理式は, 雨水から流量への時間的な変換過程を表現
するもので,大河川流域での河川計画でよく用いられる。
④流域をひと塊にとらえる集中型流出モデルの代表的なものとして,留関数モデルなどがある。タンクモ
デルや貯留関数モデルなどがある。
⑤分布型流出モデルは,流出現象の空間的な分布を考えるモデルである。

正解は③
解説

合理式は、

  • 小さな流域
  • 都市排水
  • 側溝や小河川

などで使われます。大河川では使いません。大河川は流域が広く、雨の降り方も場所によって異なるため、貯留関数モデルなど、より詳細な解析を行います。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-19

断面 I から断面 1 に向けて,流線が基準面に対して上昇し, 断面積が減少する粘性流体の定常管
路流において, エネルギー線及び動水勾配線が下図のとおりとなる場合,両矢印が示す断面 I 及び 1 に
おけるそれぞれの水頭について,[ ]に入る語句の組合せとして,最も適切なものはどれか。

 a      b     c      d
①損失水頭  速度水頭  圧力水頭  位置水頭
②損失水頭  圧力水頭  速度水頭  位置水頭
③位置水頭  圧力水頭  速度水頭  損失水頭
④位置水頭  速度水頭  圧力水頭  損失水頭
⑤位置水頭  圧力水頭  損失水頭  速度水頭

正解は①
解説

この問題は、ベルヌーイの式の4つの水頭を知っていれば解けます。
ベルヌーイの式では次の3つの線を覚えると簡単です。

  • エネルギー線(EGL)=全水頭
  • 動水勾配線(HGL)=圧力水頭+位置水頭
  • 流線(管中心)=位置水頭の基準

そして関係は次のようになります。

  • エネルギー線 − 動水勾配線速度水頭
  • 動水勾配線 − 管中心圧力水頭
  • 基準面 − 管中心 の高さ = 位置水頭
  • エネルギー線の低下損失水頭

この対応を覚えておくと、このタイプの問題はすぐ解けます。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-20

開水路の流れに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 同じ流量の流れでは,常流の水深は限界水深より大きい。
② 射流では,フルード数は 1 より大きい。
③ 射流では,水路勾配は限界勾配より大きい。
④ 常流から射流に接続する場合,限界水深を通って水面は滑らかに接続する。
⑤ マニングの流速公式によると,断面平均流速は粗度係数に比例する。

正解は⑤
解説

マニングの流速公式はV=1nR2/3I1/2V=\frac{1}{n}R^{2/3}I^{1/2}です。ここで

  • VVV:流速
  • nnn:粗度係数
  • RRR:径深
  • III:勾配

となります。式を見ると、V1nV \propto \frac{1}{n}​つまり、粗度係数が大きいほど流速は小さくなります。問題文では「比例する」となっているため誤りです。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-21

河川堤防に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか

① 河川堤防の高さは,河道計画において設定される計画高水位に,河川管理施設等構造令で定めた値を
加えたもの以上とする。
② 堤体への浸透水を速やかに排水することを目的としたドレーンエ法のドレーン材料には,透水係数の
小さい材料を選定する必要がある。
③ 河川堤防の浸透対策である表のり面被覆工法は,河川水の堤防への浸透を抑制することにより,洪水
末期の水位急低下時の表のりすべり破壊の防止にも有効である。
④ 河川堤防の浸透破壊には,大きく分けてすべり破壊とパイピング破壊がある。
⑤ 盛土による河川堤防ののり勾配は,堤防の高さと堤内地盤高との差が 0.6 メートル未満である区間を
除き, 50 パーセント以下とするものとする。

正解は②
解説

ドレーン工法の目的は、堤防内にしみ込んだ水をすばやく外へ排水することです。そのため、使用する材料は

  • 砕石
  • 砂利

などの透水係数(=水を通しやすさ)が大きい材料を使います。問題文では透水係数の小さい材料となっているので誤りです。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-22

河川計画に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 河川整備基本方針においては,全国的なバランスを考慮し,また個々の河川や流域の特性,地域住民の
ニーズなどを踏まえて,水系ごとの長期的な河川の整備の方針や整備の基本となるべき事項を定めなけ
ればならない。
② 洪水防御に関する計画の策定に当たっては,河川の持つ治水,利水,環境等の諸機能を総合的に検討す
るとともに,この計画がその河川に起こり得る最大洪水を目標に定めるものではないことに留意する。
③ 河川整備基本方針において計画の規模を決定するに当たっては,河川の重要度を重視するとともに,既
往洪水による被害の実態,経済効果等を総合的に考慮して定めることを基本とする。
④ 正常流量とは,維持流量及び水利流量の双方を満足する流量であって,適正な河川管理のために基準と
なる地点において定めるものをいう。
⑤ 河川環境の整備と保全に関する基本的な事項は,動植物の良好な生息•生育・繁殖環境の保全・創出,良
好な景観の保全・創出,人と河川との豊かな触れ合い活動の場の保全・創出,良好な水質の保全につい
て,総合的に考慮して定めるものとする。

正解は①
解説

この問題は、河川整備基本方針河川整備計画の違いを理解しているかがポイントです。

地域住民の意見を反映するのは「河川整備計画」です。一方、河川整備基本方針は、長期的な河川整備の方向性、基本的な考え方を定めるものです。つまり、「地域住民のニーズを踏まえる」という記述は、河川整備計画の内容なので不適切です。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-23

海岸工学に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 微小振幅波理論によると,深海波では周期が 2 倍になると波速は 2 倍になるため,波長も 2 倍にな
る。
② 微小振幅波理論によると,長波では水深が浅くなると波速は小さくなり,水深が 1 /16 になると波速は
1/4 になる。
③ グリーンの法則によると,水深が浅くなるにつれて津波の高さは高くなり,水深が 1 /16 になると津波
の高さは 2 倍になる。
④ ハドソン式によると,波高が大きくなると傾斜堤における安定な被覆材の最小重量は大きくなり,波
高が 2 倍になると安定な被覆材の最小重量は 8 倍になる。
⑤ 吹寄せによる海面上昇量は,風速が大きくなると大きくなり,風速が 2 倍になると 4 倍になる。

正解は①
解説

この問題は、海の波に関する代表的な公式を知っているかがポイントです。

深海波では、波速 CCC は周期の平方根に比例します。

つまり、CTC \propto \sqrt{T}C∝T​なので、周期が2倍になるとC=2 (\約1.4)C=\sqrt{2}\ (\約1.4倍)C=2​ (\約1.4倍)になります。したがって、「波速が2倍になる」という部分が誤りです。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-24

海岸事業における養浜工に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 静的養浜は,砂浜のない,あるいは狭い海岸において実施されることが多く,養浜砂の流出を防止す
るために付帯施設を伴うのが一般的である。
② 静的養浜工の断面諸元は,対象海域に年数回程度来襲する高波浪に対して設計することを基本とす
る。
③ サンドバイパスやサンドリサイクルは静的養浜工に含まれる。
④ 動的養浜は,基本的に付帯施設を必要としないことから,近自然的な海岸の維持・保全に優れてお
り,隣接海岸に対しての影響を和らげることができる。
⑤ 漂砂源からの供給土砂の減少に伴う侵食が生じている海浜に動的養浜工を適用する場合には,養浜砂
の投入位置は漂砂源若しくはその近隣が基本となる。

正解は③
解説
この問題は、静的養浜動的養浜の違いを理解しているかがポイントです。
サンドバイパスサンドリサイクルは、砂を移動・補給し続ける方法なので、動的養浜に分類されます。

  • サンドバイパス:漂砂で失われた砂を別の場所へ移送する。
  • サンドリサイクル:堆積した砂を侵食された海岸へ戻す。

つまり、静的養浜ではなく、動的養浜です。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-25

空港に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 滑走路の長さは,航空機の離陸距離,加速停止距離及び着陸距離を求め,そのいずれに対しても十分
な長さを確保する必要がある。
② 滑走路の長さを検討するに当たり考慮すべき条件には,気温,標高,滑走路の縦断勾配が含まれる。
③ 着陸帯の果たす役割の 1 つとして,航空機が滑走路から逸脱した場合でも人命の安全を図り,航空機
の損傷を軽微にすることが挙げられる。
④ ローディングエプロンは,旅客,手荷物及び貨物の積卸し並びに航空機燃料,食料,水等の補給を行
うため,通常,ターミナルビルに隣接して配置される。
⑤ 平行誘導路は,滑走路と平行に設けられる誘導路であり,主として離着陸回数の少ない空港に設置さ
れる。

正解は⑤
解説

この問題は、平行誘導路の役割を理解しているかがポイントです。
滑走路は、安全に運航するため、離陸できる距離、離陸を中止して停止できる距離(加速停止距離)、着陸できる距離のすべてを満足する長さが必要です。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-26

砂防施設に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 砂防ダムは,渓床勾配を緩和して縦横侵食を防止する機能や,渓床を高めて両岸の山脚を固定し山腹
を安定させるなどの機能をもっている。
② 砂防ダムを越流する水流は,ほぼダム軸に直角に落下するので,ダム軸はダムの水通し中心点におい
て下流の流心線に直角とする。
③ 砂防ダムの水通しは,貯砂・調節効果とダム下流の洗掘を防止する観点からできるだけ狭くし,越流
水深を大きくする。
④ 流路工は,床固めエと護岸工を組み合せて流路を整備するもので,流路勾配を緩和して縦横侵食を防
止するなどの目的で実施される。
⑤ 山腹工は,法切りエ,土留め工,排水工等で力学的に斜面を安定させる山腹基礎工と,斜面の侵食を
将来にわたって保全する山腹緑化工に大別される。

正解は③
解説

この問題は、砂防ダムの水通し(みずとおし)の幅を理解しているかがポイントです。

水通しとは、水が流れる部分です。水通しを狭くすると、

  • 水深が深くなる
  • 流速が速くなる
  • 下流が激しく洗掘される

という問題が起こります。そのため、必要以上に狭くすることはありません。下流の洗掘を防ぐためには、適切な幅を確保して流速を抑えることが大切です。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-27

国内の再生可能エネルギーに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 中小水力発電は様々な規模があり,河川の流水を利用する以外にも,農業用水や上下水道を利用する
場合もあるが,大規模水力と同様に開発可能な地点は少ない。
② 固定価格買取制度の開始により導入が急拡大した太陽光発電は,技術開発や量産効果により導入コス
トは低減しているが,パネルや周辺機器等についてはさらなるコスト低減が必要とされている。
③ 我が国は地熱資源量を豊富に保有しており,ベースロード電源として地熱発電への期待は大きいが,
地熱資源が賦存する地域は,温泉施設がある地域と重なる場合が多いため,地元関係者との共生が必
要である。
④ 風力発電は,スケールメリットが得られやすく大規模,大量導入に適しており,今後の再生可能エネ
ルギーの量的拡大のカギを握っている。特に,洋上風力発電は今後の量的拡大に不可欠な発電方式で
ある。
⑤ 未活用の廃棄物を燃料とするバイオマス発電は,廃棄物の再利用や減少につながり,循環型社会構築
に大きく寄与するが,熱利用効率は低い。

正解は①
解説

この問題は、中小水力発電の特徴を知っているかがポイントです。
中小水力発電は、

  • 河川
  • 農業用水路
  • 上下水道
  • ダム以外の水路

など、さまざまな場所で設置できます。そのため、大規模水力より開発できる地点は多いのが特徴です。問題文では「大規模水力と同様に開発可能な地点は少ない」となっているので誤りです。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-28

火力発電所の冷却水取放水に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 深層取水設備の設置により得られる利点の 1 つとして,夏季に低温の深層水を取水することによる,
プラントの熱効率の向上が期待できることが挙げられる。
② 外海に面した海域では,深層取水方式の設備を用いることによって,取水路内への波浪の侵入を低減
でき,冷却水ポンプの安定した運転が保たれる。
③ 表層放水方式による温排水の拡散面積は,放水される流量と比例する傾向にある。
④ 表層放水方式は,放水口の開口幅を狭くすることにより放水口出口の流速を低減することが可能であ
り,船舶の航行が多い地点で一般的に用いられている。
⑤ 水中放水方式による温排水の拡散面積は,表層放水方式によるものと比べて小さく,放水量だけに依
存しない。

正解は④
解説

この問題は、表層放水方式と水中放水方式の特徴を理解しているかがポイントです。
流速は流速=流量断面積\text{流速}=\frac{\text{流量}}{\text{断面積}}流速=断面積流量​で決まります。つまり、

  • 開口幅を狭くすると断面積が小さくなる
  • 同じ流量なら流速は速くなる

ので、問題文とは逆です。さらに、船舶の航行が多い場所では流速を小さくしたいため、一般に開口幅を広く取るなどの工夫をします。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-29

舗装の性能指標に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 塑性変形輪数とは, 49kN の輪荷重を繰り返し加えた場合に,舗装路面が下方に 1mm 変位するまで
に要する回数で表す。
② 浸透水量とは,直径 15cm の円形の舗装路面下に 15 秒間に浸透する水の量で表す。
③ 疲労破壊輪数とは,舗装路面に 49kN の輪荷重を繰り返し加えた場合に,舗装にひび割れが生じるま
でに要する回数で表す。
④ 性能指標の値は,原則として施工直後の値を定めるものである。
⑤ 平たん性とは,車道延長 1.5m につき 1 箇所以上選定された任意の地点において,舗装路面と想定平
たん舗装路面との高低差を測定し,その高低差の平均値で表す。

正解は⑤
解説

この問題は、舗装の性能指標の定義を知っているかがポイントです。
平たん性とは、舗装の表面がどれだけ滑らかかを示す性能です。実際には、専用の測定機器を用いて縦断方向の凹凸(IRIなど)を測定して評価します。問題文のように、「1.5mごとに測った高低差の平均値」で表すものではありません。したがって、この記述は誤りです。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-30

鉄道の軌道変位に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① スラブ軌道では,繰り返し列車の荷重を受けることで沈下や移動により軌道変位が発生する。
② 左右レール相互の軌道変位には,上下方向の水準変位,左右方向の軌間変位がある。
③ 軌間変位は,直接列車脱線につながるので,特に大きな変位がある場合は早急に整備する必要があ
る。
④ 1 本のレール上での軌道変位には,上下方向の高低変位, レール直角方向の通り変位がある。
⑤ 平面性変位は,軌道の一定距離間隔における水準変位の差をいい,軌道の平面に対するねじれを示
す。

正解は①
解説

この問題は、バラスト軌道スラブ軌道の違いを知っているかがポイントです。スラブ軌道は、コンクリートのスラブ(板)の上にレールを固定する構造です。そのため、

  • 沈下しにくい
  • 軌道変位が小さい
  • 保守が少なくて済む

という特徴があります。一方、列車の繰り返し荷重でバラスト(砕石)が沈下バラストが移動して軌道変位が発生するのはバラスト軌道です。したがって①は誤りです。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-31

シールドトンネルに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① シールド工法は,一般的には,非常に軟弱な沖積層から,洪積層や,新第三紀の軟岩までの地盤に適
用され,地質の変化への対応は比較的容易である。また,硬岩に対する事例もある。
② シールドトンネルの断面形状としては円形断面を用いるのが一般的であり,その理由の 1 つに,セグ
メントがローリングしても断面利用上支障が少ないことが挙げられる。また,施工途中での外径の変更
も容易である。
③ シールドトンネルの線形は,使用目的,使用する設計条件,シールドの掘進等の面からできるだけ直
線とし,曲線とする場合でも曲線半径の大きな線形が望ましい。
④ シールド形式の選定に当たって最も留意すべき点は,切羽の安定が図れる形式を選定することであ
る。また,安全性や経済性,用地,立坑の周辺環境,施工性等についても十分に検討しなければならな
い。
⑤ シールド工法は, トンネルエ法の中では周辺に及ぼす影響が比較的少ないが,特に発進基地周辺では
立坑構築,シールド掘進時のクレーン,泥土又は泥水処理設備等から発生する騒音や振動により,周辺
に影響を及ぼすことがある。

正解は②
解説

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-32

開削工事における土留め工に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 自立式土留め工は,比較的良質な地盤で浅い掘削工事に適する。
② 切ばり式土留め工は,現場の状況に応じて支保エの数,配置等の変更が可能であるが,機械掘削や躯
体構築時等に支保エが障害となりやすい。
③ グラウンドアンカー式土留め工は,偏土圧が作用する場合や掘削面積が広い場合には適さない。
④ 控え杭タイロッド式土留め工は,土留め壁周辺に控え杭やタイロッドを設置するための用地が必要と
なる。
⑤ 補強土式土留め工は,グラウンドアンカー式に比較して施工本数は多くなるものの,アンカー長は短
いため土留め周辺の用地に関する問題は比較的少ない。

正解は③
解説

この問題は、「各土留め工法の特徴」を理解しているかがポイントです。
「グラウンドアンカー式土留め工は、偏土圧が作用する場合や掘削面積が広い場合には適さない。」

これは誤りです。グラウンドアンカー式は、地盤中にアンカーを打ち込み、土留め壁を引っ張って支える工法です。そのため、広い掘削、偏土圧がかかる場所でも有効に使用されます。つまり、問題文とは逆で、グラウンドアンカー式は、このような条件にも適した工法です。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-33

工程管理に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 横線式工程表は,横軸に日数をとるので各作業の所要日数がわかり,さらに,作業の流れが左から右
へ移行しているので作業間の関連がわかるが,工期に影響する作業がどれであるかがつかみにくい欠点
がある。
② 作業可能日数は,暦日日数から定休日のほかに,降水日数,積雪日数, 日照時間などを考慮して割り
出した作業不能日数を差し引いて求める。
③ ネットワーク式工程表では,数多い作業の中でどの作業が全体の工程を最も強く支配し,時間的に余
裕のない経路(critical path) であるかを確認することができない。
④ 工程と原価との関係は,工程速度を上げるとともに原価が安くなっていくが,さらに工程速度を上げ
ると原価は上昇傾向に転じる。
⑤ CPM 法は,時間と費用との関連に着目し,工事費用が最小となるようネットワーク上でエ期を短縮
し,最適工期,最適費用を設定していく計画手法である。

正解は③
解説

この問題は、「工程表の特徴」と「CPM(クリティカルパス法)」を理解しているかがポイントです。
ネットワーク式工程表(CPM・PERT)の最大の特徴は、クリティカルパスが分かることです。クリティカルパス(Critical Path)とは、工期を決める最も時間のかかる作業経路のことです。この経路上の作業が1日でも遅れると、工事全体が1日遅れます。つまり、ネットワーク工程表は クリティカルパスを確認するための工程表なので、問題文は誤りです。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-34

環境影響評価法に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 我が国では, 1993 年(平成 5 年)に制定された「環境基本法」において,環境アセスメントの推進
が位置付けられたことをきっかけに, 1997 年(平成 9 年)に「環境影響評価法」が成立した。
② 配慮書とは,事業の早期段階における環境配慮を可能にするため,事業の位置,規模等の検討段階に
おいて,環境保全のために適正な配慮をしなければならない事項について検討を行い,その結果をま
とめた図書である。
③ 環境アセスメントの対象となる事業のうち,規模が大きく環境に大きな影響を及ぼすおそれがある事
業を「第 1 種事業」として定め,環境アセスメントの手続きを必ず行うこととしている。
④ 第 2 種事業については,環境アセスメントを行うかどうかを事業の免許等を行う者等が判定基準にし
たがって個別に判定するが,判定に当たっては,地域の状況をよく知っている都道府県知事の意見を
聴くことになっている。
⑤ 評価書とは,事業者が環境アセスメントにおいて, どのような項目について,どのような方法で調
査・予測・評価するか,その計画を示したものであり, 1 カ月間縦覧しなければならない。

正解は⑤
解説

この問題は、環境影響評価(環境アセスメント)の手続きの流れを理解しているかがポイントです。
方法書

  • 何を調査するか
  • どう調査するか
  • どう予測・評価するか

という計画書です。一方、評価書調査・予測・評価を実際に行った結果をまとめた最終的な報告書です。つまり、

  • 方法書=「これからどう調査するか」
  • 評価書=「調査した結果」

問題文ではこの2つを取り違えているため誤りです。

技術士一次試験建設部門の択一問題の解説:令和六年度設問Ⅲ-35

我が国の近年の建設環境に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 「生物多様性国家戦略 2023-2030」では, 2030 年までに「ネイチャーポジティブ:自然再興」を実
現することが,達成すべき短期目標(2030 年ミッション)として掲げられている。
② 「水質汚濁防止法」では,水質の汚濁に係わる環境上の条件について,人の健康を保護し,及び生活
環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとしている。
③ 東京湾,伊勢湾,大阪湾を含む瀬戸内海等の閉鎖性海域では,陸域からの汚濁負荷量は減少している
ものの,干潟・藻場の消失による海域の浄化能力の低下等により,依然として赤潮や青潮が発生し漁業
被害等が生じている。
④ 循環型社会の形成のためには,再生品などの供給面の取組に加え,需要面からの取組が重要であると
の観点から,循環型社会形成推進基本法の個別法の 1 つとして「国等による環境物品等の調達の推進等
に関する法律」が制定された。
⑤ 建設リサイクルの取組により建設廃棄物全体の再資源化・縮減率は 1995 年以降,徐々に向上している
が,品目別に見れば,建設混合廃棄物の最終処分率が依然として高い。

正解は②
解説

この問題は、水質汚濁防止法環境基本法の役割の違いを理解しているかがポイントです。
環境基準(「人の健康を保護し、生活環境を保全するために望ましい基準」)を定めているのは、環境基本法です。一方、水質汚濁防止法は、

  • 工場や事業場の排水規制
  • 排水基準の設定
  • 水質汚濁の防止

を目的とした法律です。つまり、

  • 環境基本法=環境基準を定める
  • 水質汚濁防止法=排水を規制する

問題文では、この2つを混同しているため誤りです。

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まとめ

技術士一次試験の解説をしてきました。
基本的に技術士一次試験は過去問題を中心に勉強しましょう。
過去問題で分からないことはインターネットや参考書などで補ってください。
技術士一次試験は二次試験を受験するためのパスポートです。
早めに合格して技術士二次試験に備えましょう。

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