技術士二次試験の必須科目はもうすぐ択一式試験に代わるかもしれません

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早ければ来年から必須科目は択一式試験に代わります

技術士二次試験の筆記試験は必須科目と選択科目から構成されています。
結論から言えば、来年か再来年には必須科目は論文試験から択一式試験に代わると予想しています。
理由は過去の歴史から考えると必須科目は5年おきに試験方式が変わっているからです。

2019~2023年・・・・・・論文試験
2013~2018年・・・・・・択一式試験
2007~2012年・・・・・・論文試験
2001~2006年・・・・・・択一式試験

歴史から考えると必須科目が論文形式での出題は今年が最後ではないでしょうか。
なぜ5年おきに択一式試験と論文試験を繰り返すのか?
理由はいろいろあると考えられますが、一番の理由は問題のネタに限界があるからです。
ネタが5年でなくなるからです。
その証拠をお見せします。

必須科目は年々難化する

まず択一式試験から論文試験に代わった令和元年の問題を見てみます。

Ⅰ 次の2問題のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚以内にまとめよ。)

Iー1我が国の人口は2010年頃をビークに減少に転じており,今後もその傾向の継続により働き手の減少が続くことが予想される中で,その減少を上回る生産性の向上等により, 我が国の成長力を高めるとともに,新たな需要を掘り起こし,経済成長を続けていくことが求められている。
こうした状況下で,社会資本整備における一連のプロセスを担う建設分野においても生産性の向上が必要不可欠となっていることを踏まえて,以下の問いに答えよ。
( 1 )建設分野における生産性の向上に関して,技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
( 2 ) ( 1 )で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
( 3 ) ( 2 )で提示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれの対策について述べよ。
( 4 ) ( 1 ) ( 3 )を業務として遂行するに当たり必要となる要件を,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から述べよ。

Iー2我が国は,暴風,豪雨,豪雪,洪水,高潮,地震,津波,噴火その他の異常な自然現象に起因する自然災害に繰り返しさいなまれてきた。自然災害の対策については,南海トラフ地震,首都直下地震等が遠くない将来に発生する可能性が高まっていることや, 気候変動の影響等により水災害,土砂災害が多発していることから,その重要性がますます高まっている。
こうした状況下で,「強さ」と「しなやかさ」を持った安全・安心な国土・地域・経済社会の構築に向けた「国土強靱化」(ナショナル・レジリエンス)を推進していく必要があることを踏まえて,以下の問いに答えよ。
( 1 )ハード整備の想定を超える大規模な自然災害に対して安全・安心な国土・地域・経済社会を構築するために,技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
( 2 ) ( 1 )で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
( 3 ) ( 2 )で提示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれの対策について述べよ。
( 4 ) ( 1 ) ( 3 )を業務として遂行するに当たり必要となる要件を,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から述べよ。
参考:日本技術士会

問題Ⅰ-1は405文字、問題Ⅰ-2は499文字です。

続いて最新の令和4年度の問題と比較してみます。

Ⅰ 次の2問題のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚以内にまとめよ。)

Iー1我が国では,技術革新や「新たな日常」の実現など社会経済情勢の激しい変化に対応し,業務そのものや組織,プロセス,組織文化・風土を変革し,競争上の優位性を確立するデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進を図ることが焦眉の急を要する問題となっており,これはインフラ分野においても当てはまるものである。
加えて,インフラ分野ではテジタル社会到来以前に形成された既存の制度・運用が存在する中で,デジタル社会の新たなニーズに的確に対応した施策を一層進めていくことが求められている。
このような状況下,インフラへの国民理解を促進しつつ安全・安心で豊かな生活を実現するため,以下の問いに答えよ。
( 1 )社会資本の効率的な整備,維持管理及び利活用に向けてデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進するに当たり,技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。
( 2 )前問( 1 )で抽出した課題のうち,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
( 3 )前問( 2 )で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。
( 4 )前問( 1 ) ( 3 )を業務として遂行するに当たり,技術者としての倫理,社会の持続性の観点から必要となる要点・留意点を述べよ。

Iー2世界の地球温暖化対策目標であるパリ協定の目標を達成するため,日本政府は令和2年10月に, 2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言し,新たな削減目標を達成する道筋として,令和3年10月に地球温暖化対策計画を改訂した。また,国土交通省においては,グリーン社会の実現に向けた「国土交通グリーンチャレンジ」を公表するとともに,「国土交通省環境行動計画」を令和3年12月に改定した。
このように 2050年カーボンニュートラル実現のための取組が加速化している状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。
( 1 )建設分野におけるc〇2排出量削減及びC〇2吸収量増加のための取組を実施するに当たり,技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。
( 2 )前問( 1 )で抽出した課題のうち,最も重要と考える課題を1挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
( 3 )前問( 2 )で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対応策について述べよ。
( 4 )前問( 1 ) ( 3 )を業務として遂行するに当たり,技術者としての倫理,社会の持続性の観点から必要となる要点・留意点を述べよ。

問題Ⅰ-1は569文字、問題Ⅰ-2は501文字です。

問題文が長くなり書いてある内容が複雑になっています。
ネタがなくなってきたので、問題文に制約条件を沢山付けて無理やり複雑にしています。
この様子だと必須科目が論文の試験は、今年もしくは来年ぐらいで終わりではないでしょうか。

令和5年度技術士二次試験は確実に合格すること

来年以降必須科目の試験方式が変わるとしたら、今年度は現方式での最後の試験になりかねません。
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