適正科目
Ⅱ-1
技術士及び技術士補は、技術士法第4章 (技術士等の義務)の規定の遵守を求められている。次に掲げる (ア) ~ (エ) の記述について、第4章の規定に照らして正しいものは○、誤っているものは×として、適切な組合せはどれか。
(ア) 技術士又は技術士補は、技術士若しくは技術士補の信用を傷つけ、又は技術士及び技術士補全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
(イ) 技術士又は技術士補は、正当の理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、 又は盗用してはならない。技術士又は技術士補でなくなった後においても、同様とする。
(ウ) 技術士又は技術士補は、その業務を行うに当たっては、公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならない。
(エ) 技術士は、その業務に関して技術士の名称を表示するときは、その登録を受けた技術部門を明示してするものとする。なお、登録を受けていない技術部門を表示するためには、当該技術部門の技術士の指導のもとで3年の実務経験が必要となる。
ア イ ウ エ
① ○ ○ × ×
② × × ○ ○
③ ○ ○ ○ ×
④ × × × ○
⑤ ○ × × ×
(ア)〇:正しい。
(イ)〇:正しい。
(ウ)〇:正しい。
(エ)×:誤り。技術士は登録を受けていない技術部門の表示をしてはならない。
(技術士の名称表示の場合の義務)
第四十六条 技術士は、その業務に関して技術士の名称を表示するときは、その登録を受けた技術
部門を明示してするものとし、登録を受けていない技術部門を表示してはならない。
Ⅱ-2
公益社団法人日本技術士会は、技術士の行動原則を示した「技術士プロフェッション宣言」 (2007年)を社会に向けて発信している。そこに示されている「技術士の行動原則」の記述について、「 」に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。
【技術士の行動原則】
1 高度な専門技術者にふさわしい知識と能力を持ち、技術進歩に応じてたえずこれを向上させ、自らの「ア」 に対して責任を持つ。
2 「イ」の業務内容,品質などに関する要求内容について、課せられた「ウ」を順守しつつ、業務に誠実に取り組み、「イ」に対して責任を持つ。
3 業務履行にあたりそれが「エ」や環境に与える影響を十分に考慮し、これに適切に対処し、人々の安全、福祉などの公益をそこなうことのないよう、 任を持つ。「エ」 に対して責任を持つ。
ア イ ウ エ
① 技術 顧客 守秘義務 社会
② 技術 所属企業 基準 公衆
③ 行動 顧客 基準 社会
④ 行動 所属企業 守秘義務 公衆
⑤ 技術 顧客 基準 社会
正解は①
「ア」技術、「イ」顧客、「ウ」守秘義務、「エ」社会の各語句が入る。
「技術士プロフェッション宣言」日本技術士会HP
https://www.engineer.or.jp/c_topics/000/000029.html
Ⅱ-3
技術者は、倫理的な行動をとるべきだが、日々の業務の中で知らず知らずのうちにその意識が薄れてしまうこともある。それを避けるためには、倫理的な行動を妨げる要因について日頃から理解を深め、それに照らして自らの行動や意思決定のあり方を見つめ直すよう努めなければならない。例えば、倫理的意思決定を阻害する要因には以下のようなものがある。
・私利私欲: 自らの利害を、プロフェッショナルとしての責任よりも重視すること。
・恐れ: プロフェッショナルとしての責任を全うした結果に対する恐れ (例えば、自らの間違いを認めること、職を失う可能性,人間関係を悪化させること、などに対する恐れ)。
・自己欺瞞:「他の人のためにやっているんだから」 「これをやっているのは自分だけではないのだから」「今回だけで次からは絶対やらないのだから」などの言い訳を用意したり、意図的に現実から逃避したりする傾向。
これらの内容を踏まえて、以下の(ア)~( 、以下の(ア) ~ (オ) の記述のうち、技術者の倫理的な行動や意思決定を阻害する要因になりうるものの数はどれか。・私利私欲: 自らの利害を、プロフェッショナルとしての責任よりも重視すること。
・恐れ: プロフェッショナルとしての責任を全うした結果に対する恐れ (例えば、自らの間違いを認めること、職を失う可能性,人間関係を悪化させること、などに対する恐れ)。
・自己欺瞞:「他の人のためにやっているんだから」 「これをやっているのは自分だけではないのだから」「今回だけで次からは絶対やらないのだから」などの言い訳を用意したり、意図的に現実から逃避したりする傾向。
これらの内容を踏まえて、以下の(ア)~( 、以下の(ア) ~ (オ) の記述のうち、技術者の倫理的な行動や意思決定を阻害する要因になりうるものの数はどれか。
(ア)無知:適切な意思決定を行うために不可欠な情報についての知識を持たないこと。
(イ) 自己中心的志向: 自分が置かれている状況を、自分自身の立場からだけ判断し、客観的な状況分析ができないこと。
(ウ)微視的視野: 限定された範囲での詳細にとらわれる傾向。
(エ) 権威の無批判な受け入れ: 指導者や上司の意向や指示を無批判に受け入れること。
(オ)集団思考: グループが、十分な批判的考察を行うことなく結論に達してしまう傾向。
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5
正解は⑤
(ア)~(オ)技術者の倫理的な行動や意思決定を阻害する要因になりうる。
Ⅱ-4
2023年3月に改定された「技術士倫理綱領」(公益社団法人日本技術士会)では、 「技術士は、科学技術の利用が社会や環境に重大な影響を与えることを十分に認識し、業務の履行を通して安全で持続可能な社会の実現など、公益の確保に貢献する。」とされている。この改定に当たって、実践すべき具体的な行動を示す指針が基本綱領の下に列記された。次の指針に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 技術士は、業務の履行により公衆の安全、健康や福利が損なわれると判断した場合には、関係者に代替案を提案し、適切な解決を図る。
② 技術士は、業務の履行が環境・経済・社会に与える負の影響を可能な限り低減する。
③ 技術士は、業務の履行に必要な場合でも、適切な力量を有する他の技術士や専門家の助力・協業を求めず、自らの知識で適切に課題解決を図る。
④ 技術士は、業務に関わる国・地域の社会慣行,生活様式、宗教等の文化を尊重する。
⑤ 技術士は、社会に貢献する技術者の育成に努める。
正解は③
技術士倫理綱領において「有能性の重視」として以下の事項が記載されている。
「技術士は、業務の履行に必要な場合、適切な力量を有する他の技術士や専門家の助力・協業を求める。」
「技術士倫理綱領」日本技術士会HP
https://www.engineer.or.jp/c_topics/009/009289.html
Ⅱ-5
国民による社会経済活動全般のデジタル化を進めるためには、国民一人ひとりがその基盤となるICT (情報通信技術)を安心して活用できるよう、サイバーセキュリティを確保することが、ますます重要になっている。情報セキュリティに関する次の(ア) ~ (オ)の記述について、正しいものは○、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。
(ア) 「情報セキュリティポリシー」: 企業・組織におけるサイバーセキュリティを運用・管理するための仕組みのことであり、国際的な規格ISO/IEC27001として標準化されている。
(イ) 「情報の可用性」: 認可された利用者が、必要なときに情報にアクセスできることを確実にすること。
(ウ) 「情報の完全性」: 情報及び処理方法の正確さ及び完全である状態を安全防護すること。
(エ) 「情報の機密性」: 情報にアクセスすることが認可されたものだけがアクセスできることを確実にすること。
(オ) 「情報セキュリティマネジメント」: 情報の機密性や完全性、可用性を維持していくために規定する組織の方針や行動指針をまとめたもの。
ア イ ウ エ オ
① × ○ ○ ○ ×
② ○ × ○ ○ ○
③ ○ ○ × × ○
④ × ○ ○ × ○
⑤ ○ ○ ○ ○ ×
正解は①
(ア):× 誤り
企業や組織において実施する情報セキュリティ対策の方針や行動指針のことである。情報の機密
性や完全性、可用性を維持していくために規定する組織の方針や行動指針をまとめたものである。
(ア)の設問は「情報セキュリティマネジメント」の説明文である。
(イ):○ 正しい。
(ウ):○ 正しい。
(エ):○ 正しい。
(オ):× 誤り。設問は「情報セキュリティポリシー」の説明文である。
「国民のためのサイバーセキュリティサイト」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/kokumin/security/business/staff/12/
Ⅱ-6
日本技術士会は技術士の品位の保持、資質の向上等を図ることにより、科学技術の向上や国民経済の発展、国際交流の推進に寄与し、さらには広く社会に貢献することを使命としている。日本技術士会は「日本技術士会DEI推進宣言」 (2025年)にて、「DEI」 すなわち多様性(Diversity),公平性(Equity) 及び包摂性 (Inclusion) の推進により、 すべての技術士が活躍し、社会課題の解決やウェルビーイング (Well-being) の向上に貢献することを宣言している。この宣言の内容に関する次の(ア) ~ (エ) の記述について、正しいものは○、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。
(ア) 多様・多彩な技術者、技術をつなぐプラットフォームとして、誰もが能力を発揮し、 誰もがその人らしく生きられる社会の実現に貢献する。
(イ)性別、年齡, 国籍, 障害, 知識, 経験, 専門性, 価値観などの多様性を受け入れ、さらに高める。
(ウ) すべての人が活躍できるよう、一人ひとりの個性や特性に応じた環境、ツールを公平に用意する。
(エ) 個性や特性のちがいを包摂することで、すべての人が能力を発揮し、組織全体で新たな価値を創出する。
ア イ ウ エ
① × ○ ○ ○
② ○ × ○ ○
③ ○ ○ × ○
④ ○ ○ ○ ×
⑤ ○ ○ ○ ○
正解は⑤
(ア)~(エ)すべて正しい
(参考資料)日本技術士会 DEI 推進宣言
https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/010898.html
Ⅱ-7
「令和6年版 科学技術・イノベーション白書」(文部科学省)には、「AIがもたらす科学技術・イノベーションの変革」に関する以下のような記述がある。「 」に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。
21世紀は、「「 ア 」集約型社会」とも言われ、資本設備への依存度が高く製品が価値の中心とされている資本集約型から、スマート化によってあらゆる製品やサービスの「イ」が進んだ「ア」集約型と呼ばれる社会への転換が起こっている。また、こうした中でデータ資源が経済成長の原動力となるデータの時代とも呼ばれている。この背景の一つには、人工知能(AI) という技術の急速な進化があり、特に近年の生成AI技術の飛躍的な進展は世界中で大きな関心を集めている。
AIは、データ解析からロボット技術, 「ウ」製造業など、あらゆる技術や業種に大きな影響をもたらしてきている。また「エ」「型生成AIなどのように、専門家ではない人々でも利用できるインターフェースでのサービスの提供が広がったことで、AIは多くの人が活用できる身近な技術となるとともに、私たちの日常生活や価値観もAIによって変わりつつあり、未来の社会はその影響を更に強く受けることになる。
ア イ ウ エ
① 知識 高付加価値化 医療 対話
② 情報 標準規定化 倫理 対話
③ 学知 識標準規定化 医療 学習
④ 情報 標準規定化 医療 対話
⑤ 知識 高付加価値化 倫理 学習
正解は①
(ア)知識、(イ)高付加価値化 (ウ)医療 (エ)対話 が入る。
令和6年版科学技術・イノベーション白書 本文(PDF版)
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa202401/1421221_00019.html
Ⅱ-8
産業財産権制度は、新しい技術、新しいデザイン、ネーミングなどについて独占権を与え、模倣防止のために保護し、研究開発へのインセンティブを付与したり、取引上の信用を維持したりすることによって産業の発展を図ることを目的にしている。これらの権利は、特許庁に出願し登録されることによって、一定期間,独占的に実施(使用)できる権利となる。
以下に示す(ア) ~ (キ)の7つの知的財産権のうち、産業財産権に該当しないものの組合せとして、最も適切なものはどれか。
(ア) 特許権(特許法)
(イ) 著作権(著作権法)
(ウ) 意匠権(意匠法)
(エ) 商標権(商標法)
(オ)回路配置利用権(半導体集積回路の回路配置に関する法律)
(カ)実用新案権(実用新案法)
(キ) 育成者権(種苗法)
① (ア)・(オ)・(カ)
② (ア)・(ウ)・(キ)
③ (イ)・(ウ)・(エ)
④ (イ)・(オ)・(キ)
⑤ (オ)・(カ)・(キ)
正解は④
産業財産権は「特許権」、「実用新案権」、「意匠権」、「商標権」の4つである。著作権、回路配
置利用権、育成者権は含まれない。
(参考資料)「産業財産権について」特許庁HP
https://www.jpo.go.jp/system/patent/gaiyo/seidogaiyo/chizai01.html
Ⅱ-9
我が国では、科学技術・イノベーション基本法に基づき、科学技術・イノベーション基本計画を5年ごとに策定しており、令和3年4月より、現在の第6期基本計画が開始された。同計画では、「Society5.0」の実現のため、多様性や卓越性を持った「知」を創出し続ける、世界最高水準の研究力を取り戻すことが規定されている。
「Society5.0」に関する次の記述の、 「 」に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。
Society 5.0は、「ア」 社会 (Society 1.0), 「イ」社会 (Society 2.0),工業社会 (Society3.0),情報社会 (Society 4.0) に続く社会であり、我が国が目指すべき未来社会として、第5期科学技術基本計画(平成28年1月閣議決定)において、我が国が提唱したコンセプトである。
具体的には、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と「ウ」的課題の解決を両立する「エ」中心の社会」 であり、「直面する脅威や先の見えない不確実な状況に対し, 「オ」性・強靭性を備え、 国民の安全と安心を確保するとともに、一人ひとりが多様な幸せ (well-being)を実現できる社会」と定義されている。
ア イ ウ エ オ
① 狩猟 農耕 社会 人間 即応
② 農耕 狩猟 技術 自然 持続可能
③ 農耕 狩猟 社会 自然 即応
④ 狩猟 農耕 社会 人間 持続可能
⑤ 狩猟 農耕 技術 人間 持続可能
正解は④
(ア)狩猟 、(イ)農耕、 (ウ)社会、 (エ)人間、 (オ)持続可能 の語句がそれぞれ入る。
(参考資料)
「Society5.0」内閣府HP
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/
「科学技術・イノベーション基本計画」 内閣府HP
https://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/6honbun.pdf
Ⅱ-10
循環型社会形成推進基本法は、環境基本法の基本理念にのっとり、循環型社会の形成について基本原則を定めている。循環型社会とは、廃棄物等の発生抑制,循環資源の循環的な利用及び適正な処分が確保されることによって、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会をいう。
次の循環型社会に関する(ア) ~ (オ)の記述のうち、適切なものの数はどれか。
(ア) この法律において対象となる物を有価・無価を問わず廃棄物等とし、廃棄物等のうち有用なものを「循環資源」と位置づけ、その循環的な利用を促進している。
(イ) 「再生利用」とは、循環資源を製品としてそのまま使用すること、並びに循環資源の全部又は一部を部品その他製品の一部として使用すること(修理を行ってこれを使用することを含む。)をいう。
(ウ) 「再使用」とは、循環資源の全部又は一部を原材料として利用することをいう。
(エ) 「熱回収」とは、循環資源の全部又は一部であって、燃焼の用に供することができるもの又はその可能性のあるものを、熱を得ることに利用することをいう。
(オ) 廃棄物等は、「1」 発生抑制,「2」再生利用,「3」再使用,「4」熱回収,「5」適正処分、の優先順位で処理するとしている。
① 4 ② 3 ③ 2 ④ 1 ⑤ 0
正解は③
(ア)○:正しい。
(イ)×:誤り。「再生利用」とは、循環資源の全部又は一部を原材料として利用することをいう。
(ウ)×:誤り。「再使用」は、以下に掲げるものとされる。
・循環資源を製品としてそのまま使用すること(修理を行ってこれを使用することを含む。)。
・循環資源の全部又は一部を部品その他製品の一部として使用すること。
(エ)〇:正しい。
(オ)×:誤り。廃棄物等は(1)リデュース(ごみの発生抑制)、(2)リユース(再使用)、(3)(狭義の)
リサイクル、(4)熱回収、(5)適正処分の優先順位で処理する。
(参考資料)
循環型社会形成推進基本法 e-GOV法令検索
https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000110
循環型社会形成推進基本法 環境省HP
https://www.env.go.jp/recycle/circul/recycle.html
Ⅱ-11
公正な取引を行うことは、技術者にとって重要な責務である。私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 (独占禁止法)では、公正かつ自由な競争を促進するため、 私的独占、不当な取引制限,不公正な取引方法などを禁止している。また、金融商品取引法では、株や証券などの不公正取引行為を禁止している。
公正な取引に関する次の(ア) ~ (エ)の記述のうち、適切なものの数はどれか。
(ア) 事業者又は業界団体の構成事業者が相互に連絡を取り合い、本来各事業者が自主的に決めるべき商品の価格や販売・生産数量などを共同で取り決め、競争を制限する行為は、 「談合」として禁止されている。
(イ) 上場会社の関係者等がその職務や地位により知り得た、投資者の投資判断に重大な影響を与える未公表の会社情報を利用して自社株等を売買する行為は、「カルテル」として禁止されている。
(ウ) 相場を意図的・人為的に変動させ、その相場があたかも自然の需給によって形成されたかのように他人に認識させ、その相場の変動を利用して自己の利益を図ろうとする行為は、「相場操縦取引」として禁止されている。
(エ) 国や地方公共団体などの公共工事や物品の公共調達に関する入札の際、入札に参加する事業者たちが事前に相談して、受注事業者や受注金額などを決めてしまう行為は、 「インサイダー取引」として禁止されている。
① 4 ② 3 ③ 2 ④ 1 ⑤ 0
正解は④
(ア)×:誤り。カルテルの説明である。
(イ)×:誤り。インサイダー取引の説明である。
(ウ)〇:正しい。
(エ)×:誤り。談合の説明である。
独占禁止法 公正取引委員会 HP
https://www.jftc.go.jp/dk/dkgaiyo/
Ⅱ-12
Ⅱ-12 製造物責任法(PL法)は、製造物の欠陥により、人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り,もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的としている。
PL法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① この法律の対象となる「製造物」とは、製造又は加工された動産であることと定義されており、電気、音響、サービスは、対象とならない。
② この法律において、「欠陥」とは、製造物に関する様々な事情を総合的に考慮して、 「製造物が通常有すべき安全性を欠いていること」をいい、安全性に関わらないような単なる品質上の不具合は、この法律の損害賠償責任の根拠とされる「欠陥」には当たらない。
③ この法律において、OEM (相手先ブランドによる製品の製造) 先の販売者が、ブランドを付すことにより、製造業者としての表示をしたとみなされる場合には、表示製造業者に該当し、製造物責任を負う対象となる。
④ この法律で規定する損害賠償の請求権には消費者保護を優先し、時効はない。
⑤ この法律に特段の定めがない製造物の欠陥による製造業者等の損害賠償の責任については、民法の規定が適用される。
正解は④
④:誤り。時効がある。PL法による損害賠償請求権は、原則として、損害及び賠償義務者を知った時から
3年間行使しないとき、又は、製造業者等が当該製造物を引き渡した時から10年を経過したときは、時効
によって消滅する。
製造物責任法の概要Q&A 消費者庁HP
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/other/pl_qa.html#q21
Ⅱ-13
公益通報者保護法は、労働者等が、公益のために通報を行ったことを理由として解雇等の不利益な取扱いを受けることのないよう、どこへ、どのような内容の通報を行えば保護されるのかという制度的なルールを明確にするものである。
「公益通報者保護法」(令和4年改正・施行)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 公益通報の対象となる事実とは、すべての法律が対象となるのではなく、「国民の生命,身体,財産その他の利益の保護に関わる法律」として本法律や政令で定められた法律(及びこれに基づく命令) に違反する犯罪行為若しくは過料対象行為,又は最終的に刑罰若しくは過料につながる行為のことである。
② 公益通報の通報先としては、「事業者内部」, 「権限を有する行政機関」, 「その他の事業者外部」が定められており、通報先に応じて、本法律に基づく保護を受けるための要件(保護要件) が定められている。
③ 「事業者内部」への通報に適切に対応するために必要な体制の整備が、事業者に対して義務付けられているが、常時使用する労働者が法で定められた人数以下の事業者については努力義務となっている。
④ 「その他の事業者外部」とは、その者に対し通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者を指し、報道機関や消費者団体等が該当する。
⑤ 公益通報の主体は、「労働者」,「退職者」及び「役員」であり、「労働者」には、正社員の他、派遣労働者、アルバイト、パートタイマーなどが含まれるが、公務員は含まれない。
正解は⑤
⑤ 誤り。
公益通報の主体は、「公務員」も含まれる。
公益通報者保護法逐条解説(抜粋) 消費者庁 HP
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/whisleblower_protection_system/research/im
pr ovement/pdf/160428_sanko2.pdf
Ⅱ-14
近年リスクアセスメントの手法として、下図に示す英国安全衛生庁のキャロットダイアグラム (ALARPの原理) の考え方がIEC (国際電気標準会議) (国際電気標準会議) やJIS (日本産業規格)に取り入られている。
この考え方の特徴は、安全を「受容できないリスクがないこと =広く受け入れ可能なレベルにまでリスクが軽減されていること」と定義していることである。そして、「広く受け入れ可能なリスク」 と 「許容できないリスク」 との間には、リスクと便益との比較、並びに、リスク軽減に要する費用と軽減によって得られるメリットとの比較において、「ALARP (As Low As Reasonably Practicable: 合理的に実行可能な限り低くするという原則)」の領域が設定されている。次のうち、ALARP領域において許容される条件として、最も適切なものはどれか。

① ALARP領域は許容領域とも呼ばれるためすべてのリスクが無条件で許容される
② リスク軽減のために必要となる費用が改善に対して全く釣り合っていない場合
③ 事故発生時の賠償費用よりリスク対策に要する費用の方が高い場合
④ 残存リスクが無視できるレベルの場合
⑤ リスク軽減に必要な予算はあるが、その予算をリスク軽減以外の事業に投入したい場合
正解は②
ALARP 領域の許容リスクについて、以下の 2 つを満たす限り、リスクは許容される。
a) これ以上のリスク軽減が実行不可能か、又は費用が改善に対して全く釣り合っていない場合。
b) 関連リスクを考慮し、社会がその義務からの便益を期待する場合。
①:× 無条件で許容されたりしない。
③:× リスク対策の費用と、事故時の損害費用ではなくリスク対策によって軽減されるリスクの価値
(便益)を比較する。
④:× これは「広く受け入れ可能なリスク」の領域の特徴。ALARP 領域のリスクは、まだ無視できる
レベルではなく、低減の努力が求められるレベル。
⑤:× リスク軽減に必要な予算があるにも関わらず、他の事業を優先するのは「合理的に実行可能」
な努力を怠っていると見なされ、ALARP の原則に反する。
「産業保安における共通的・横断的な視点について」経済産業省 HP
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/sangyo_hoan_kihon/pdf/004_01_00.pdf
Ⅱ-15
働く人の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、成長と分配の好循環を構築し、働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指し、2019年以降に労働基準法が順次改正・施行された。この改正された労働基準法の施策のうち、施策と内容が正しいものは○、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。
(ア) 【施策】年次有給休暇の確実な取得
【内容】年10日以上年次有給休暇を付与する労働者に対して、年5日については使用者が時季を指定して確実に取 得させる制度
(イ)【施策】時間外労働の上限規制緩和
【内容】労働時間の上限を使用者の指示により緩和が可能となる制度
(ウ) 【施策】月60時間超の時間外労働に対する代休の付与
【内容】月60時間超の時間外労働10時間当たり1日の代休を付与する制度
(エ) 【施策】 フレックスタイム制の拡充
【内容】労働時間を調整できる期間を延長し、より柔軟な働き方の選択が可能な制度
ア イ ウ エ
① × × ○ ○
② ○ × × ○
③ ○ ○ × ×
④ × ○ ○ ×
⑤ ○ ○ ○ ○
正解は②
(ア):正しい。
(イ):誤り。時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間である。臨時的な特別の事情がなけれ
ば、これを超えることはできない。
(ウ):誤り。1か月60時間を超える法定時間外労働に対しては、使用者は50%以上の率で計算した割増
賃金を支払わなければならない。
(エ):正しい。
法定割増賃金率の引上げ関係 厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/091214-1_03.pdf

