令和6年度 適性科目

あざみ野
目次

適正科目

Ⅱ-1

次に掲げる技術士法第四章の内容において, [ ア ]~[ オ ]に入る語句の組合せとして,最も適切なものはどれか。

(信用失墜行為の禁止)
第44条 技術士又は技術士補は,技術士若しくは技術士補の信用を傷つけ,又は技術士及び技術士補全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

(技術士等の秘密保持[ ア ])

第45条 技術士又は技術士補は,正当の理由がなく,その業務に関して知り得た秘密を漏らし,又は盗用してはならない。技術士又は技術士補でなくなった後においても,同様とする。

(技術士等の[ イ ]確保の[ ウ ])

第45条 の2技術士又は技術士補は,その業務を行うに当たっては,公共の安全,環境の保全その他の[ イ ]を害することのないよう努めなければならない。

(技術士の名称表示の場合の[ ア ])

第46条 技術士は,その業務に関して技術士の名称を表示するときは,その登録を受けた[ エ ]を明示してするものとし,登録を受けていない[ エ ]を表示してはならない。

(技術士補の業務の制限等)
第47条 技術士補は,第2条第1項に規定する業務について技術士を補助する場合を除くほか,技術士補の名称を表示して当該業務を行ってはならない。
2前条の規定は,技術士補がその補助する技術士の業務に関してする技術士補の名称の表示について準用する。

(技術士の[ オ ]向上の[ ウ ])
第47条 の2技術士は,常に,その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ, その他その[ オ ]の向上を図るよう努めなければならない。
  ア  イ  ウ   エ   オ
① 責務 安全 義務 専門部門 能力
② 義務 安全 責務 技術部門 資質
③ 責務 安全 義務 祇園部門 能力
④ 義務 公益 責務 技術部門 資質
⑤ 義務 公益 義務 専門部門 資質

【正解】④
技術士法について基本的な内容の設問です。
3義務2責務の問題です。
(信用失墜行為の禁止)(技術士等の機密保持義務)(技術士等の公益確保の責務)(技術士補の業務制限)(技術士の資質向上の責務)について問われた問題です。
技術士口頭試験で必ず聞かれる内容です。
よく読んで理解して覚えておいてください。

Ⅱ-2

2015年9月の国連サミットで採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2 0 3 0アジェンダ」及びそこに盛り込まれている持続可能な開発目標(SDGs)において,実現されるべき目標の1っとしてジェンダー平等が掲げられている。

「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」に含まれる次の記述の, [ ア ]~[ エ ]に適当な語句を入れるとした場合,どれにも当てはまらないものはどれか。

ジェンダー平等の実現と女性・女児の[ ア ]は,すべての目標とターゲットにおける進展において死活的に重要な貢献をするものである。

人類の潜在力の開花と持続可能な開発の達成は,人類の半数に上る女性・女児の権利と機会が否定されている間は達成することができない。

女性と女児は,質の高い教育,経済的資源の公平なアクセス,また,あらゆるレベルでの政治参加,[ イ ][ ウ ][ エ ]において男性と同等の機会を享受するべきである。

我々は,ジェンダー・ギャップを縮めるための投資を顕著に増加するために努力するとともに国,地域及びグローバルの各レベルにおいてジェンダー平等と女性の[ ア ]を推進する組織への支援を強化する。

女性と女児に対するあらゆる形態の差別と暴力は男性及び男子の参加も得てこれを廃絶していく。
新たなアジェンダの実施において,ジェンダーの視点をシステマティックに主流化していくことは不可欠である。

① 雇用
② リ一ダ一シップ
③ 意思決定
④ エンパワーメント
⑤ケア

【正解】⑤
ア:エンパワーメント
イ:雇用
ウ:リーダーシップ
エ:意思決定

(参考資料:「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」国際連合広報センターHP)

Ⅱ-3

知的財産権の一種である著作権については,著作権法が定められている。この法律の目的は,「著作物等に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め,これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ,著作者等の権利の保護を図り,文化の発展に寄与すること」である。

著作権法は,昨今の情報通信技術の進展等の時代の変化に対応して,「著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用」について,その必要と認められる限度において,利用できることとした「柔軟な権利制限規定」が整備されるなど,権利保護と著作物の利用の円滑化とのバランスをとる措置がなされてきている。

著作権に関し,次の(ア)~(エ)のうち,正しいものは〇,誤っているものは×として,最も適切な組合せはどれか。

(ア)公表された学術論文からの引用は,著作権者の承諾がある場合を除き,著作権侵害となる。

(イ)官公庁が作成し,公表した官公資料は,公共のために広く利用させるべき性質のものであるため,これを禁止する旨の表示がない等の要件を満たせば,説明の材料として転載できる。

(ウ)人工知能の開発に関し人工知能が学習するためのデータの収集行為や人工知能の開発を行う第三者の学習用データの提供行為は,著作者等の権利制限の対象となる。

(エ)美術品の複製に適したカメラやプリンターを開発するために美術品を試験的に複製する行為や複製に適した和紙を開発するために美術品を試験的に複製する行為は,著作者等の権利制限の対象となる。

  ア イ ウ エ
① × 〇 〇 〇
② 〇 × 〇 〇
③ 〇 〇 × 〇
④ 〇 〇 〇 ×
⑤ ○ ○ ○ ○

【正解】①

著作権法第32条 (引用)
1 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

Ⅱ-4

組織の社会的責任(R : social Responsibility)の国際規格として, 2010年,ISO 26000「Guidance on socialresponsibility」が発行された。また,それに続き, 2012年, ISO規格の国内版(JIS)として, JIS z 26000 : 2012 (社会的責任に関する手引)が制定されている。

この手引きにおいて社会的責任の原則に関する次の記述の, [ ア ]~[ オ ]に入る語句の組合せとして,最も適切なものはどれか。

組織が社会的責任に取り組み,実践するとき,その包括的な目的は[ ア ]に最大限に貢献することである。この目的に関して社会的責任の原則を網羅した明確なリストは存在しないが,組織は,以下に示す7つの原則を尊重すべきである。

組織は,たとえそれが困難だと思われる場合でも,具体的な状況において,正しい又はよいと一般に認められている行動の原則と一致した基準,指針及び規範に基づいて行動すべきである。

この規格を適用する際に,組織は,[ イ ]との整合性をとりつつ,経済状況の違いに加えて,社会,環境,法,文化,政治及び組織の[ ウ ]を考慮に入れる一 とが望ましい。

1 )説明責任
2)[ エ ]
3 )倫理的な行動
4 )ステークホルダーの利害の尊重
5 )法の支配の尊重
6 )国際行動規範の尊重
7)[ オ ]


    ア         イ      ウ     エ        オ
① 持続可能な発展   国際行動規範  多様性   透明性      人権の尊重
② 公共の福祉の発展  自国の法規   多様性   機密情報の保護  公共の福祉
③ 持続可能な発展   国際行動規範  独自性   透明性      人権の尊重
④ 公共の福祉の発展  自国の法規   独自性   機密情報の保護  公共の福祉
⑤ 持続可能な発展   国際行動規範  多様性   機密情報の保護  人権の尊重

【正解】①

この問題は暗記問題です大変ですが覚えましょう

Ⅱ-5

5 IPCC (気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告書の政策決定者向け要約において,「人間活動が主に温室効果ガスの排出を通して地球温暖化を引き起こしてきたことには疑う余地がなく, 1850 ~ 1900年を基準とした世界平均気温は2011 ~ 2020年に1. 1 ℃の温暖化に達した。」とされている。

環境保全に関する次の記述のうち,正しいものは〇,誤っているものは×として,最も適切な組合せはどれか。

(ア)カーボンニュートラルとは,市民,企業, NPO/NGO,自治体,政府等の社会の構成員が,自らの温室効果ガスの排出量を認識し,主体的にこれを削減する努力を行うとともに,削減が困難な部分の排出量について,カーボン・クレジット等により,その排出量の全部又は一部を埋め合わせる取組をいう。

(イ)プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)とは,地球の変化に関する各項目について,人間が安全に活動できる範囲のことであり,その範囲にとどまれば人間社会は発展し繁栄できるが,境界を越えることがあれば,人間が依存する自然資源に対して回復不可能な変化が引き起こされるとされている。

(ウ)トップランナー基準とは,エネルギー多消費機器のうち「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーの転換等に関する法律」に基づき,指定したエネルギー多消費機器の省エネルギー基準を,各々の機器において,基準設定時に商品化されている製品のうち最も省エネ性能が優れている機器の性能以上に設定するものをいう。

(エ)カーボン・オフセットとは,社会の構成員が,取組の対象において重要なすべての活動範囲を考慮して温室効果ガスの排出量を認識し,排出量を最小化する目標及び計画に沿って主体的かっ継続的にこれを削減するとともに,削減が困難な部分の排出量について,クレジット等により,その排出量の全部を埋め合わせた状態をいう。

  ア  イ  ウ  工
① 〇 〇 〇 〇 
② × 〇 〇 〇
③ 〇 × × 〇
④ 〇 〇 × ×
⑤ × 〇 〇 ×

【正解】⑤
(引用 https://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset/conf4.html) 
(ア)カーボン・オフセットは、温室効果ガスの削減だけでなく、削減等のプロジェクトが実施される地域において投資や雇用の促進、地域活性化等の効果も期待できることから、その一層の活性化方策について検討していくことが重要です。

(エ)カーボン・オフセットとは、市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等の社会の構成員が、自
らの温室効果ガスの排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困
難な部分の排出量について、カーボン・クレジット※等により、その排出量の全部又は一部を
埋め合わせること、すなわち『知って、減らして、オフセット』の取組をいう。


Ⅱ-6

SDGs (Sustainable Development Goals .持続可能な開発目標)は,持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標である。2015年の国連サミットにおいてすべての加盟国が合意した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中で掲げられ, 2030年を達成年限として17のゴールと169のターゲットから構成されている。これを鑑み,日本では2016年に「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」が策定されている。

「持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組」(外務省国際協力局)に示されている次の記述の,[ ア ]~[ エ ]に適当な語句を入れるとした場合,どれにも当てはまらないものはどれか。
17のゴールは,
( 1 )貧困や飢餓,教育など未だに解決を見ない社会面の開発アジェンダ,

( 2 )エネルギーや資源の有効活用,働き方の改善,不平等の解消など,すべての国が持続可能な形で経済成長を目指す[ ア ]アジンダ,そして

( 3 )地球環境や気候変動など地球規模で取組むべき環境アジェンダといった世界が直面する課題を網羅的に示している。SDGsは,これら社会,[ ア ],環境の3側面から捉えることのできる17のゴールを[ イ ]的に解決しながら持続可能なよりよい未来を築くことを目標としている。

前身のMDGs (Millennium Development Goals : ミレニアム開発目標)は主として開発途上国向けの目標であったが, s D GSは先進国も含めすべての国が取組むべき[ ウ ]的な目標となっている。我が国は,脆弱な立場にある一人一人に焦点を当てる「人間の[ エ ]保障」の考え方を国際社会で長年主導してきた。「誰一人取り残さない」というSDGsの理念は, こうした考え方とも一致している。

①安全 ②平和  ③経済 ④普遍 ⑤統合

【正解】②
「 ア 」経済
「 イ 」統合
「 ウ 」普遍
「 エ 」安全
が当てはまります。参考資料:「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」外務省 HP

「持続可能な開発目標(SDGs) と日本の取組」外務省 HP

Ⅱ-7

技術者にとって労働者の安全衛生を確保することは重要な使命の1つである。労働安全衛生法は「職場における労働者の安全と健康を確保」するとともに,「快適な職場環境を形成」する目的で制定されたものである。

安全と衛生に関する次の記述のうち,正しいものは〇,誤っているものは×として,最も適切な組合せはどれか。

(ア)労働災害が発生する原因は,労働者の不安全行動の他,機械や物の不安全状態があると考えられ,災害防止には不安全な行動・不安全な状態を無くす対策を講じることが重要である。

(イ)ハインリッヒの法則では,「同じ人間が起こした330件の災害のうち, 1件は重い災害があったとすると, 29回の軽傷,傷害のない事故を300回起こしている」というも ので, 300回の無傷害事故の背後には数千の不安全行動や不安全状態があることも指摘している。

(ウ)ヒャリハット活動は,作業中に「ヒヤっとした」「ハッとした」危険有害情報を活用する災害防止活動である。情報は,朝礼などの機会に報告するようにし,「情報提供者を責めない」職場ルールでの実施が基本となる。

(エ)安全の4S活動は,職場の安全と労働者の健康を守り,そして生産性の向上を目指す活動として,整理(Seiri) ,整頓(Seiton) ,洗浄(Senjou) ,清潔(Seiketsu)がある。

(オ)安全データシート(SDS : safety Data Sheet)は,化学物質及び化学物質を含む混合物を譲渡又は提供する際に,その化学物質の物理化学的性質や危険性・有害性及び取扱いに関する情報を化学物質等の譲渡又は提供する相手方に提供するための文書である。

 ア イ ウ エ オ
①〇 〇 〇 × ×
②〇 〇 × × 〇
③× × × 〇 〇
④〇 〇 〇 × 〇
⑤× × × 〇 ×

【正解】④
(引用 https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo61_1.html)
「 エ 」の解説、4S(よんえす)は、安全で、健康な職場づくり、そして生産性の向上をめざす活動で、整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seiso)、清潔(Seiketsu)を行う事をいいます。しつけ(Shitsuke)を加えて5Sも普及しています。

Ⅱ-8

研究倫理においては、研究成果を適切な方法で発表することが求められている。
研究成果の発表に関する次の記述のうち、適切なものは○、適切でないものは×として、 最も適切な組合せはどれか。

(ア) 真の著者からの好意や真の著者に対する強制によって、著者の要件を満たしていない人を著者として記載することは、ギフト・オーサーシップと呼ばれ、研究倫理に反する行為である。

(イ) 研究費の獲得者は、研究の遂行に寄与しているため、研究の成果である論文についてのオーサーシップの条件を満たす。

(ウ) 1つの研究を複数の小研究に分割して細切れに出版することは、薄く切って食べるソーセージになぞらえて、「サラミ出版」又は「ボローニャ出版」と呼ばれる。

(エ) 実際には研究に実質的な寄与をしており、著者の要件を満たしているにもかかわらず、 著者としてクレジットされていない場合は、ゴースト・オーサーシップと呼ばれ、研究倫理に反する行為である。

  ア イ ウ エ
① ○ ○ ○ ○
② × ○ ○ ○
③ ○ × ○ ○
④ ○ ○ 〇 ×
⑤ ○ ○ ○ ×

【正解】③
【 イ 】 (引用https://www.jsps.go.jp/file/storage/general/j-kousei/data/rinri.pdf) 
注意深くデータを集め,適切な解析及び統計手法を使い,その結果を正しく報告

Ⅱ-9

個人情報の保護に関する法律 (個人情報保護法)は、デジタル社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑み、「個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護すること」等を目的としている。

法に基づき制定された「個人情報の保護に関する法律施行令(政令)」では、個人情報の定義の明確化として、旅券番号や基礎年金番号などとともに、個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号について「個人識別符号」として、個人情報に位置付けている。

個人識別符号に関する次の記述のうち、前記政令に記載がないものはどれか。

① 指紋又は掌紋

② 顔の骨格及び皮膚の色並びに目、鼻、口その他の顔の部位の位置及び形状によって定
まる容貌

③ 発声の際の声帯の振動、声門の開閉並びに声道の形状及びその変化

④ 歩行の際の姿勢及び両腕の動作、歩幅その他の歩行の態様

⑤ 内耳を介さずに耳周辺の骨を振動させた際の蝸牛に伝わる振動特性

【正解】⑤
参考資料:「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」厚生労働省 HP
https://jsite.mhlw.go.jp/yamanashi-roudoukyoku/content/contents/001621954.pdf

Ⅱ-10

職場におけるハラスメントは、労働者の個人としての尊厳を不当に傷つけるとともに、労働者の就業環境を悪化させ、能力の発揮を妨げ、また、企業にとっても、職場秩序や業務の遂行を阻害し、社会的評価に影響を与える問題である。

職場のハラスメントに関する次の記述のうち、正しいものは○、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。

(ア) セクシャルハラスメントであるか否かについては、相手から意思表示がある場合に限る。

(イ) 職場の同僚の前で、上司が部下の失敗に対し、人格を否定する言葉を用いて大声で叱責する行為は、本人はもとより職場全体のパワーハラスメントとなり得る。

(ウ) セクシャルハラスメントの行為者となり得るのは、事業主、上司、同僚に限らず、取引先,顧客,患者又はその家族、及び学校における生徒等である。

(エ) 職場で、受け止め方によっては不満を感じたりする指示や注意・指導があったとしても、これらが業務の適正な範囲で行われている場合には、パワーハラスメントには当たらない。

(オ) 職場のパワーハラスメントにおいて、「職場内での優位性」とは職務上の地位などの 「人間関係による優位性」を対象とし、「専門知識による優位性」は含まれない。

  ア イ ウ エ オ
① ○ × × × ○
② × ○ ○ × ×
③ × ○ ○ ○ ×
④ × × ○ ○ 〇 
⑤ ○ × × ○ ×

【正解】③
「 ア 」 相手方の望まない言動で、不快なものである
「 オ 」 「専門知識による優位性」も職場のパワーハラスメントに含まれる。

参考資料:「職場におけるハラスメント対策パンフレット」 厚生労働省 HP
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf


Ⅱ-11

2023年3月に改定された「技術士倫理綱領」(公益社団法人日本技術士会)では、 「技術士は、科学技術の利用が社会や環境に重大な影響を与えることを十分に認識し、業務の履行を通して安全で持続可能な社会の実現など、公益の確保に貢献する。」とされている。

この改定に当たって基本綱領の下に、実践すべき具体的な行動を示す指針が列記された。

なお、「技術者倫理綱領」の理解向上のために、「技術士倫理綱領への手引き」には技術士のあるべき姿が具体的に示されている。

次の記述のうち、「技術士倫理綱領」で指針として記載されているものの数はどれか。

(ア) 技術士は、業務の履行が公衆の安全、健康や福利を損なう可能性がある場合には、適切にリスクを評価し、履行の妥当性を客観的に検証する。

(イ) 技術士は、業務の履行が環境・経済・社会に与える負の影響を可能な限り低減する。

(ウ) 技術士は、業務上知り得た秘密情報を、漏洩や改ざん等が生じないよう、適切に管理する。

(エ) 技術士は、業務に関わる国・地域の社会慣行,生活様式,宗教等の文化を尊重する。

(オ) 技術士は、社会に貢献する技術者の育成に努める。

① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5

【正解】⑤
「技術士倫理綱領」に全て記載されています。
参考資料:「技術士倫理綱領」 日本技術士会 HP




Ⅱ-12

国際標準とは、製品の品質、性能、安全性,寸法,試験方法などに関する国際的な取極めのことである。世界経済の進展に伴い、物・サービスの国際取引が増大する中、 ISOやIECなどの国際規格の重要性が増している。

また、日本における標準化の規格JIS (Japanese Industrial Standards) については、令和元年に、(1) データやサービス等への標準化の対象拡大 (2) JISの制定等の迅速化、 (3) JISマークの信頼性確保のための罰則強化、(4) 官民の国際標準化活動の促進を図るための法改正が行われた。

標準化に関する次の記述のうち、適切なものの数はどれか。

(ア) ISOは、正式名称を国際標準化機構(International Organization for Standardization) といい、各国の代表的標準化機関から成る国際標準化機関であり、 電気・通信及び電子技術分野を除く全産業分野(鉱工業,農業,医薬品等)に関する国際規格の作成を行っている。

(イ) IECは、正式名称を国際電気標準会議 (International Electrotechnical Commission)といい、各国の代表的標準化機関から成る国際標準化機関であり、電気及び電子技術分野の国際規格の作成を行っている。

(ウ) 日本における標準化の規格JISについては、令和元年の法改正に伴い、「産業標準化法」 は「工業標準化法」に、「日本産業規格(JIS)」は「日本工業規格 (JIS)」 に改められ運用されている。

(エ) JISマーク表示制度は、国により登録された民間の第三者機関(登録認証機関) から該当JISへの適合性に関する審査の結果、認証を受けることによって、JISマークを表示することができる制度である。

(オ) JISマーク表示制度の信頼性の確保のため、認証事業者に対しては登録認証機関が少なくとも3年ごとに定期的な審査を行うとともに、必要に応じて臨時の審査を行うこと

(カ) 鉱工業品等のマークのデザインについて、
図-1の左側は法改正前の旧JIS マーク、右側は現行のJISマークを示している。

旧新jisマーク

【正解】③

(ア): 〇 正しい
(イ): 〇 正しい
(ウ): 〇 正しい
(エ): 〇 正しい
(オ): × 誤り。国は登録認証機関に対して、4年ごとの更新審査に加え、必要に応じて、立入検査等を
行うこととしている。
(カ): ×誤り。現行の JIS マークは右下図のとおり


(参考資料:JISC 日本産業標準調査会 https://www.jisc.go.jp/newjis/cap_index.html


① 6 ② 5 ③ 4 ⑤ 2

Ⅱ-13

労働安全衛生法における安全並びにリスクに関する次の記述のうち、正しいものは○、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。

(ア) リスクアセスメントとは、作業における危険性又は有害性を特定し、それによる労働災害(健康障害を含む)の重篤度 (被災の程度)とその災害が発生する可能性の度合いを組合せてリスクを見積もり、そのリスクの大きさに基づいて対策の優先度を決めたうえで、リスクの除去又は低減の措置を検討し、その結果を記録する一連の手法をいう。

(イ) 危険性または有害性等の調査等に対して、過去に労働災害が発生した作業、危険な事象が発生した作業等、労働者の就業に係る危険性又は有害性による負傷又は疾病の発生が合理的に予見可能であるものは調査等の対象となるが、平坦な通路における歩行等, 明らかに軽微な負傷又は疾病しかもたらさないと予想されるものについては、調査等の対象から除外して差し支えない。

(ウ) 事業者は、作業標準等に基づき、労働者の就業に係る危険性又は有害性を特定するために必要な単位で作業を洗い出したうえで、各事業場における機械設備や作業等に応じて、あらかじめ定めた危険性又は有害性の分類に則して、各作業における危険性又は有害性を特定するが、特定に当たっては、労働者の疲労等の危険性又は有害性への付加的影響を考慮するものとする。

(エ) 事業者は、リスク低減措置の検討に当たって、リスク低減に要する負担が、リスク低減による労働災害防止効果と比較して大幅に大きく、両者に著しい不均衡が発生する場合であって、措置を講ずることを求めることが著しく合理性を欠くと考えられるときを除き、可能な限り高い優先順位のリスク低減措置を実施する必要があるが、死亡,後遺障害又は重篤な疾病をもたらすおそれのあるリスクに対して、適切なリスク低減措置の実施に時間を要する場合は、暫定的な措置を直ちに講ずるものとする。

  ア イ ウ エ
① × ○ ○ ○
② ○ × ○ ○
③ ○ ○ × ○
④ ○ ○ ○ ×
⑤ ○ ○ ○ ○

【正解】⑤

Ⅱ-14

製造物責任法(PL法)は、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的としている。

製造物責任法に関する次の記述のうち、正しいものは○、誤っているものは×として、 最も適切な組合せはどれか。

(ア) この法律の対象となる「製造物」とは、製造又は加工された動産であることと定義されているため、電気、音響、サービスは、対象とならない。

(イ) 走行中の自動二輪車から煙が上がり走行不能となったが、当該自動二輪車以外には人的又は物的被害が生じなかった場合については、この法律の対象とならない。

(ウ) この法律において、「製造業者等」とは、業として製造物を製造、加工した者を指すため、OEM(相手先ブランドによる製品の製造) 先の販売者は、「製造業者等」と見なされることはない。

(エ)劣化、破損等により修理等では使用困難な状態となった製造物の一部を利用して形成された再生品は、この法律の対象となる。

(オ) 製造又は加工された健康食品は、この法律の対象となるが、医薬品は、この法律の対象とはならない。

  ア イ ウ エ オ
① ○ × × ○ ×
② × × ○ × ○
③ ○ ○ × ○ ×
④ ○ × ○ × ○
⑤ × ○ × ○ ×

【正解】③

製造物責任法の責任を負う「製造業者等」とは、以下の①~③の者となります。
① 当該製造物を業として製造、加工又は輸入した者(製造業者)
販売業者や流通業者(運送業者・梱包業者・倉庫業者)は②、③に該当しない限り、製造業者には該当しない。
② 自ら当該製造物の製造業者として当該製造物にその氏名、商号、商標その他の表示をした者又は当該製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者(氏名等の表示業者)-例えば、製品にブランド名を表示した者
③ 当該製造物の製造、加工、輸入又は販売に係る形態その他の事情からみて、当該製造物にその実質的な製造業者と認めることができる氏名等の表示をした者(実質的な製造業者)-例えば、OEM製品やPB製品において「販売者」として表示されているが、実際には製造にも関与していた者

Ⅱ-15

技術士や技術者の継続的な資質向上のための取組をCPD (Continuing Professional Development) と呼ぶが、次の記述のうち、適切なものの数はどれか。

(ア) 技術士は常にCPDによって、業務に関する知識及び技能の水準を向上させる努力をすることが求められている。

(イ) 技術士CPD活動の登録において、実施したCPDの内容などに関する第三者からの問合せに対しては、記録とともに証拠となるものを提示し、技術士本人の責任において説明できるようにしておかなければならない。

(ウ) 2021年の文部科学省省令改正により、技術士登録簿に「資質向上の取組状況」欄が新たに設けられた。この改正に沿い日本技術士会は、技術士登録簿に技術士CPD実績を記載するほかCPD実績のある技術士に対して、技術士(CPD認定)の認定,認定証の発行、名簿の公表、等を実施している。

(エ) 技術提供サービスを行うコンサルティング企業に勤務し、現在の知識を適用した通常の業務として自身の技術分野に相当する業務を遂行しているのであれば、それ自体が CPDの要件をすべて満たしている。

(オ) CPDへの適切な取組を促すため、それぞれの学協会は積極的な支援を行うとともに、 質や量のチェックシステムを導入して、資格継続に制約を課している場合がある。

① 5 ② 4 ③ 3 ④ 2 ⑤ 1

【正解】②

(ア):〇 正しい
(イ):〇 正しい
(ウ):〇 正しい
(エ):× 通常業務として自身の技術分野に相当する業務を遂行しているだけでは、CPD の要件をすべて
満たしているとはいえない
(オ):〇 正しい

(参考資料:技術士 CPD (公社)日本技術術士会 HP https://www.engineer.or.jp/c_topics/008/008402.html

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