技術士には求められる資質能力というものがあります。
2014年3月に日本技術士会の親会社である、文部科学省技術士分科会より制定されました。

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技術士はこの資質能力備えてなくてはなりません。
そして技術士2次試験ではこの能力の保有しているか否かが試されます。
その能力は7つあります。

技術士に求められる資質能力
●専門的学識
●問題解決
●マネジメント
●評価
●コミュニケーション
●リーダーシップ
●技術者倫理

これらのキーワードの定義は文部科学省のホームページにある、「技術士に求められる資質能力」の解説に記述があります。

この中で受験生が良く理解していないものは、マネジメント、評価、コミュニケーション、リーダーシップになります。
今回はこの4つのキーワードについて説明します。

「技術士に求められる資質能力」の解説をよく読んでも内容が理解できないというヒトがいます。
これは内容が難しいのではなく、受験生に分かりにくいように意図的に書いてあるのです。
そもそも「技術士に求めれれる資質能力」とは技術士の採点基準になります。
その採点基準が簡単だと、合格者が沢山出てきます。
それを防ぐために「技術士に求めれれる資質能力」は意図的に分かりにくく書いています。
銀行の約款と同じです。

なぜ分かりにくいのかといえば、説明で必要なフェーズを省いているからです。
時系列を書かずに、結果だけ書いているので訳が分からないのです。
時系列というのは、なぜこのキーワードを理解するのが重要なのか?ということです。
ほとんどの受験生は何が分からないか分からないのです。

その分からないものの正体は、技術士法第1条の理解です。

技術士という資格は、技術士法という法律で定義されています。
これが他の資格と大きく違うところです。
日本の法律の第1条はその法律の目的になります。

技術士法

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、技術士等の資格を定め、その業務の適正を図り、もつて科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的とする。

技術士とは技術士法の目的を達成するために存在します。
目的を達成するための手段でしかありません。
そのため目的を十分に理解していることが前提条件になります。

技術士法の最終目的は科学技術の向上ではありません。
国民経済の発展です。
どこの国の国民なのか?
この法律は日本の法律です。
そのため日本の国民になります。

では経済とはなにか?

経済とは

経済とは経世済民の略語
経世済民とは世を治め民を済うという意味
世の中をじょうずにおさめて、人々を苦しみからすくうという意味

経世とは世の中を治めるということで、利便性の高い社会を作るということ。
済民とは民を済うということで、安全安心な社会を築くということ。

技術士になりたいのであれば、自分の携わる仕事が経世済民になっているかどうかを常に考えなければなりません。
利便性の高い社会を築くためにはどうしたらいいのか?
安全安心を脅かす可能性があるとすればそれは何か?
これらの事をよく理解して、どのように行動すればいいのか考えます。
考えたことを計画し実行に移します。
計画を実行中は成果が出ているか、リスクが顕在化する可能性はないか注意します。
業務が完了しても、その成果が今後も機能していくか、機能しないのであればどのような場合か検討します。

そしてこのような業務は技術士ひとりで完結できるものではありません。
多くの関係者の理解と協力で成り立ちます。

たとえば道路工事の現場代理人(技術士)の立場だとします。
利害関係者は社内では上司や部下になります。
社外の直接的な関係者は発注者と協力会社になります。
道路所有者や道路管理者の許可も必要になります。
その直接的に影響を受けるのは近隣の住民や学校、病院、店舗などになります。

自社の利益だけを求めていたら、関係者の理解が得られず工事は進みません。
関係者の利益ばかり求めても、自社の利益は得られませんし工事もできません。
技術士はこの道路工事の重要性・必要性を関係者に理解を求めます。
その上で公衆の安全、健康及び福利を確保しなければなりません。
また同時に地球環境の保全や次世代に渡る社会の持続性の確保に努めるます。
そのためには関係者との間でリーダーシップコミュニケーションが必要になります。
そして利害関係者との調整をした結果を反映したマネジメントとその遂行のための評価が必要になります。

文部科学省技術士分科会が制定した「技術士に求めれれる資質能力」が難しく感じるのは、このような一連の流れを省略しているからです。
一連の流れの説明を省略して、資質能力の用件だけを書きだしているので難しく感じるのです。
そしてそのキーワードだけを見ているので、技術士2次試験は難しく感じるだけです。キーワードに踊らされるのではなく、技術士法第一条を正しく理解し、技術士は何をしなければならないかを考え行動することができれば、技術士の試験は難しくない試験になります。

この試験は難しい試験ではありません。
難しく見せている試験なのです。
そしてその本質を見えなくしているだけの試験です。
その本質が見えて、行動すべきことが分かればおのずと合格する試験です。

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